コンビニは「日本を写す鑑」と言えるかもしれない。全国津々浦々、老若男女、さまざまな人が訪れ、さまざまな人が働いている。現在、アルバイトの人手不足は特に深刻で、外食チェーンや小売店では店長などの責任者が休みを返上してシフトの穴埋めをするなど、過労や長時間労働を引き起こす深刻な課題といえる。
中でもたくさんの人々が利用するコンビニでは、人の入れ替わりが激しくシフト人員を確保するのが難しいそうだ。そんな中で貴重な戦力となっている学生バイトは、油断すれば他の店に取られかねない、競争のもとにさらされているそうだ。
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今回はとあるコンビニで働くマネージャーの飛松雄平さん(仮名・30歳)に、その意外な対策につ いて話を聞くことが出来た。
「多くの人が知っている通り、コンビニの時給は他の店と比べて低いです。私のいる地域は田舎 ですが、そこでもコンビニ以外にたくさんの求人があります。その上ドラッグストア、スーパーマーケット、塾のバイト、大手ショッピングモール、どれもコンビニより時給が高いんです。 彼らも人手が足りないので、必死で募集をかけています。コンビニで働く学生たちも、時給に目移りして移動を考える子もたくさんいるんですよ」
学生のバイトだと、友達から誘われるパターンが一番多いそうだ。
「こっちの方が時給いいから、一緒に働かない?」「同年代の子が多くてすごい楽しいの! こっちにおいでよ」そんな感じで裏側では学生同士の勧誘も起こっているらしい。店舗によっては、友達を紹介すると紹介料として1万円の手当がもらえる所もあるそうだ。
「コンビニは業務も忙しいし時給も安い、辞められても文句は言えません。ただ1年くらいたってようやく戦力になった所を、取られてしまうのはつらいですね。シフトの人材確保は、どのお店も抱えている問題だと思います」
そこで飛松さんがたどり着いた方法は、女の子と恋愛関係になることで他のお店に行かないよう引き止めることだと言う。場合によっては肉体関係を持つこともあるそうだが、コンビニでそんなホストクラブのような事が可能なのだろうか?
「初めからそんな事しようと考えていた訳ではなかったんです。でもバイトの女の子たちと真摯に 向き合い、なるべく仕事を楽しんでもらおうと頑張っていたら、結果的にそうなっていたという形で……」
いったいどのようにしてそうなってしまったのか? 今回はその経緯や、驚くべき実態について聞いてみることにした。