それから数週間後、やはり吉田さんの予想は的中してしまった。全く反省をしていなかった少年は、再び万引き行動を起こしたのだ。今度も不慣れな新人アルバイトのレジからライターを盗み出そうとした。
「あっ!ちょっとすいません!」
万引きに気づいた男性アルバイトが叫んだ時には、少年は店の出口に差し掛かっていた。
逃げられたと思ったその時、少年は大柄の男に首根っこを掴まれて再び店の中に戻ってきた。
「店のものを盗んだらいかんだろうが」
いかつい大男に首を掴まれ睨みつけられた少年の顔は怯えていた。その方は近所に住んでいるお店の常連さんだった。地元で大きく農業を展開しており、大柄な体格と豪快な性格でみんなから慕われているおじさんだ。
RANKING
3
4
5
2
3
4
5