ラグジュアリーホテルに入った二人は、朝まで激しく何度も求め合った。
「この年になって初めて、こんなに激しく体の底から湧き上がる、熱い生命力のような男の感情を自分も持ち合わせているんだと知りました。待ち望んでいた瞬間でしたから、このまま死んでもいいとさえ思いました」
この日を境に、隆士と香織は恋人とも呼べるような関係になった。デートの後は、香織の自宅やホテルで情事を楽しむのだ。
隆士と香織が関係を結んでからも、早智子との夫婦仲が悪化することはなかった。香織のおかげで寂しさを感じることはないし、むしろ、これまで以上に余裕をもって家族と接することができるようになっていた。
「香織との関係は絶対にバレない自信がありましたね。妻は、私が浮気をするはずがないと信じきっています。なんせ、若い韓国アイドルにどっぷりハマっているので、私の行動には全く興味がないんでしょう」
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