【後編】風俗バイトを「汚い仕事」と罵られ……貧乏が引き起こした、姉妹の決別と報復の末路。

「家族のためと思って、心を押し殺してソープの仕事を続けてきたのに、張り詰めていた気持ちがぷっつり切れてしまった感じです。その頃ちょうど高校の授業料が無償化されて、実施がもう数年早かったら自分の体を汚すこともなかったのではと、ニュースを見ながらただただ涙が零れました」

香澄さんが出て行ったことで、母親もショックを受けたのだろう。１年も経たないうちに亡くなったという。しかし香澄さんの連絡先が分からず、訃報を伝えることはできなかった。数年後、香澄さんから「結婚する」という電話だけはあったものの、その際の会話で姉妹は決定的に決裂した。

「『お姉ちゃんみたいな汚い仕事をしてた人は、結婚なんかできないよね』って言われたんです。完全に私を見下して蔑んでいる口調でした。まだ残っていたわずかな情みたいなものもスッと消え去って、それからはもう妹は死んだものと思うようになりました」

実はつい最近、香澄さんから連絡があったという。香澄さんは結婚して間もなく子どもが生まれたものの、その子に生まれつきの病気が発覚し、臓器移植の必要があるというのだ。