翌日はクリスマス。玲香は例年通り、夫にプレゼントを用意していた。今年は2万円以上するリッチなパジャマだ。
「自分じゃ買わないですもんね。一応?義理?こうやって自分の気持ちを保っていたのかもしれません」
しかし、玲香に夫からのプレゼントはなかった。出逢って以来、はじめてのことだったという。
「何かが切れた音がしました。もうダメだなって。別にモノが欲しかったわけではないけど、でもねぇ?」
クリスマスの日、玲香はいつでも出せるようにと用意してあった離婚届をテーブルに置いて家を出た。向かった先は卓の家だ。
卓は快く、玲香を迎え入れ、簡単なつまみとシャンパンでもてなした。その上、昨日の今日だというのにそっときれいな包みを渡してくれたという。
「繊細なレースの下着でした。センス良すぎません?いい人、現れちゃいました」
サンタクロースになれない男はこうやって、捨てられていく運命なのかもしれない。
あなたは今年、誰かのサンタクロースになれただろうか?
Text:FORZA STYLE
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