しばらくして、弥生はユミとディナーに行くことになった。お酒が入ったこともあり、弥生は思わず尋ねてみた。
「夫が本当にマサさんのことを尊敬していて、ルックスも良いうえに優しいから、女性にもモテただろうなって…この前話してたんです。ユミさんは心配になったりしないんですか?」
「そうね……男性の少しくらいのお遊びはあまり気にならない性格かも…」
微笑みながら答えるユミに、さらに質問を続けてみる。
「ユミさんも美しいから、男性が放っておかなそうですよね〜。口説かれたりしませんでしたか?」
「…そうね、口説かれることはあったわね」
お酒を飲んでも変わらず優雅な雰囲気を纏うユミは、ふふっと微笑んだ。
「私からも聞きたいんだけど……。もし、ご主人に近しい男性から口説かれたら、弥生さんならどうする?」
突然のユミの質問にとまどう弥生。そしてこの時の弥生は、美しく完璧すぎるユミの家族が、聖なる夜に地獄に落ちるとは夢にも思わなかった。
Text:女の事件簿調査チーム
1
2
RANKING
1
3
4
3
4
5