菜月は亜由美との親密な関係に満足していた。自分の主義を認めてくれる年の離れた友達ができたのだ。最近は徹も肉を食べたいと言わなくなったし、やっと自分の思いが伝わってきたのだろうと安堵していた。
「あ、忘れてた。今日はリモートに切り替わったんだった。たまには徹と2人でリモート勤務も楽しいかも」
美月を登園させて駅に向かう途中、スケジュールの間違いに気づき、菜月は軽やかな足取りで家に引き返した。
「ただいま〜!」
菜月は2人分のランチを買って家のドアを開けた。玄関には見慣れぬ女性サイズのスニーカー。
「あれ? お客さん?」
リビングのドアを開けると、テーブルの上にはサラミがトッピングされたデリバリーピザの食べ残しがあり、チキンの骨も10本以上皿に入っていた。
(お客さんが来たとはいえ、徹がこれを食べたの?)
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