医師は愛人や遊び相手がいるのがあたりまえ。医療業界ではそんなのは常識で、世間にもそのような認識は少なからずある。ナースの潮田麗美(仮名・29)さんは「学歴やスキルが低く肩身が狭い医師ほど、女性関係でその欲求を満たそうとするんです」と実態を打ち明ける。
今回はもはや自身では女性関係を断ち切れなくなってしまった、ある男性医師のケースを紹介する。
藤田ダイキ(仮名)が女性にハマってしまったのは、研修医を終えたばかりのときだった。
どちらかというと生真面目で器用とは言えない性格なので、それまでは淡々と激務に絶えて病院と寮を往復して過ごしていた。
状況が変わったのは研修医が終わる頃、それまで病棟の集まりでしか関わることもないような看護師が急に話しかけてくるようになったのだ。そんな状況に不慣れなダイキは最初こそ気のせいかと思ったが、明らかにアプローチされていた。
以前は「仕事ができない」としいたげられていたような気もするが、研修医が終われば文句も言われなくなるのだろうか。すぐに2人で飲む話となり、体の関係を持ち、自然な流れで愛人のような存在ができてしまった。向こうもそれ以上を求めることなく、ご飯に行ってたわいもない話をしては一夜を過ごした。医局に入り他院で働き始めた後も、それだけの関係は続いた。
もともと浪人の末に3流大学の医学部に滑り込み医者になれたダイキは、仕事の覚えも良くなく、パッとしない自分の性格も好きではなかった。たまに顔がカッコいいなどと褒められることもあるが、その程度の強みだった。そんなダイキは女性に求められることが次第に心地よくなり、一人前として認められているような錯覚にすら陥るのだった。

しかし突然そんな関係は終わってしまい、彼氏ができたとか何かで彼女と会うことはなくなった。悲しいとか残念に思う気持ちはなく過ごしていたが、なにか大きな喪失感を感じていた。
そんなとき、自分の働く病棟に入ってきた新人看護師がしたってくるようになった。ぽっかり空いた穴が埋まるように、再び自信が持てた気がした。彼女の場合は最初に体以外の関係も求めてきたが、ダイキにあまりその気がないことが分かると、一夜を過ごすだけの関係に甘んじてくれた。
しかし、この「体も心も満たしてくれる便利な関係」が、のちに身の破滅をもたらす。
衝撃の後編へ続く。