「夫はリアル不倫、妻はソシャゲ不倫」妻が辿り着いた桃源郷

一本道だと思っていた人生に、分岐点が出現したら？ あなたは正しい道を選べるだろうか。

「あのときはこれが運命だと思ったんですよ。だって心の底から楽しかったから」

飯田さつき（仮名）は、スマホ画面をチラチラ見ながらぽつぽつと語り始めた。

※この記事は取材を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しております。あらかじめご了承ください。

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「夫は一部に上場している保険会社の総合職で、稼ぎはいいほうでした。30歳そこそこで年収は4桁に。基本的に3年に1度の転勤があって、ほぼ地方に単身赴任です。私は家で子どもたちの面倒をみて、家事を切り盛りしていました」

さつきの夫は高給取りといえよう。しかし、勤務時間は長く大きな責任を負う仕事でもある。しかもキャリアのほとんどが単身赴任だ。丸の内の本社勤務であったとしても、長時間労働は変わらない。それでもさつきは寂しくはなかったという。

「習い事の送り迎えや発表会、塾通いに中学受験。部活も大学受験も1人で乗りきりました。ただひたすらがむしゃらに家のことと子どもたちのことに没頭していましたね」

微笑みを浮かべながら語るさつきの顔に、寂しそうな影が浮かぶ。