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【AGA診療の落とし穴】賢者は「オンライン診療」のみの病院を選択しない。その理由とは?

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「薄毛をどうにかしたい…」そう悩む人にとって、最も強い味方となるのがAGA治療だ。

最近では「通院不要!」「処方薬を即日配送!」とアピールした、スマホ完結型のオンライン中心の診療も目立つ。

しかし後悔のない治療を選択したいなら、手軽さを最優先にしたクリニック選びは禁物だ。そこで今回は、AGA治療における賢いクリニックの見分け方について紹介していく。

オンライン治療で医療トラブルが増えている?

コロナ禍によって我々の日常は大きく様変わりした。生活のオンライン化が進み、テレワーク、会議、デリバリーはもちろん、医療業界でも「オンライン診療」が一般に浸透。遠隔による診察は、コロナ禍における感染予防になることから、内科などの保険診療だけでなく、美容やAGA(男性型脱毛症)などの保険外診療にまで利用できるようになった。

このようにオンライン化にすっかり慣れた現代人にとって、物を得るときの「利便性」「スピード感」はなにかと優先されやすい。しかしその一方で、医療分野におけるオンライン診療で思わぬトラブルが増えているもの事実だ。

©Getty Images

その背景のひとつが、オンライン診療に関する国の指針変更だ。2018年4月にはオンライン診療は“特定の疾患の再診に限定”としていたが、2020年4月、コロナウイルスによる感染予防の特定措置として、オンライン診療が“初診”から解禁されるようになる。

これは保険外診療にも適用され、例えばAGA治療も対象のひとつだ。薄毛の悩みは自分ひとりで抱えやすいこともあり、初診から誰にも会うことなく治療できると思えば、クリニックに対するハードルは下がるかもしれない。

しかし、AGA治療はそんな単純なものではない。

「AGA治療・通院不要!オンラインで気軽に」に隠された落とし穴

そもそもAGA(男性型脱毛症)は進行性のため、そのまま放置すれば症状は進んでいく。当事者にとって深い悩みになるのは当然だ。

とはいえ命に係わる問題でないため、初診からオンライン治療を利用・継続する人も少なくない。これは「薬さえもらえれば御の字」という誤った認識によるものだ。

AGA治療に興味のある人なら、気軽にスマホで検索することだろう。すると街中や電車広告等で目にする大手クリニック、無名のクリニック、比較サイトや利用者による配信など様々な視点から情報が集まってくる。

これらを見はじめると「オンラインなら通院の手間は省けて人にバレないし」とか「同じような薬なら、安い方がいい」といった安直な考えに陥りやすい。

ただし、ここで誤解してはいけないのが、AGA治療は紛れもない医療行為ということだ。決して美容ではない。

髪の毛は理美容が身近にあるため、美容と医療の境界線が曖昧になりやすい。そのためもあってか、スマホひとつで定期的に配送される薬さえあれば、“勝手に毛が生えるだろう”など、サプリ感覚で服用を希望する人もいるだろう。すると利便性を優先したクリニックをチョイスしてしまいがちだ。

©Getty Images

確かにAGAに対する基本的な治療は内服薬の服用だ。ただし、その人に合った量や組み合わせを、毛髪医療に対して「経験豊かな医師」のもとで行わないと、思わぬリスクを抱える恐れがある。

また、AGA治療は短期で結果がでるものでなく、まずは6ヵ月を1クールとして考えるのがベースだ。そのため、医師とのコミュケーションが十分でないと「生えてない」「薬が効いてない」とネガティブな感情に陥ったり、途中で治療を止めてしまうケースも目立つ。

副作用のリスクもある。あるAGAクリニックの関係者によれば、患者の中には「別のオンラインクリニックから届いた薬を飲んでいるが、心臓がドキドキして心配だ」とか、医師に“変化がない”と伝えたら「治療が合わないのでしょう。終了します」と言われ、そのまま治療を終えられてしまったなど、不安を抱えたままクリニックに足を運ぶ人も少なくないという。

 

「対面」と「オンライン」賢く組み合わせることが最適

以上のことから、クリニックを選ぶ際は「必要な時にきちんと医師と対面できる」ことが大事なのだ。

©Getty Images

そのうえで、治療開始前には頭髪の問診、視診、触診、さらには血液検査などの体調面もしっかり確認する、AGA治療の専門医院を選択すると安心だろう。基本的には対面診療だが、必要に応じてオンライン診療も組み合わせられる体制があることが、昨今のAGA治療における本来のスタンダートな形ではないだろうか。
 

治療費に関してだが、AGA治療は保険外診療であるため、クリニックによって価格にも開きがある。つい「最安値!」という言葉に飛びつきがちだが、ぜひ適正価格のクリニックを選択してほしい。

気になるクリニックが見つかったら、ホームページなどで明朗な情報開示を行っているかどうか、きちんと確認しよう。前述の通り、AGA治療は美容ではなく、医療だ。スマホの中に映る切り取られた診察室だけを見て「安いし、ここにするか!」と気軽に選択してしまうのは疑問だ。

そして医療としてAGA治療を開始するからには、先にも述べたように対面による診察がしっかり確保され、毛髪に関する信頼できる専門医が長期的に患者に伴走してくれること、効果が感じられないときには、投薬以外のオプションが用意されていることも大切だ。

さらにはクリニックの居心地や衛生面など、きちんとした設備投資がなされているかなど……。そんな患者目線のクリニックを選ぶことで、激安クリニックとは違う、真っ当な価格が自ずと見えてくるはずだ。

「豊富な知見」が満足度につながる

AGA治療は2000年頃から広まった、新しい医療だ。ゆえに、医師たちの治療実績にも大きな開きがある。SNSで覗いた数枚の比較写真だけで決定せず、信頼のベースとなる多くの治験を持ったクリニックを選ぶことで、後悔のない自己投資をしたいものだ。

世界的にコロナ禍も落ち着き出した今、まずは自分の足でクリニックに赴き、相談してみてはいかがだろうか。目で見て肌で感じることで、今後も付き合えるクリニックかどうかをきちんと判断できることだろう。

正しいAGA治療は、毛髪だけでなく、未来の人生も豊かにするものなのだから。


Text:Sachiko Ozawa



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