マナは、出会い系サイトを利用するようになった。
当時はスマホではなくまだガラケーの世代で、出会うサイトの主流は出会い系だった。
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「年齢制限とかもないサイトもたくさんあったしね。女子中学生です、って書いたら、一日に何百通もメールが届くとか、ザラだったよ」
小中のころは地味でブスだったとマナ本人は言っているが、好きになるのはいわゆるヤンキー系の男だったという。
「ちょっと年上の高校生とか、大学生とかとすぐに会って。そういうやつらの影響で、髪を染めて、ピアスも開けちゃった」
そして、中3の受験シーズンだというのに、ろくに学校にも行かず、遊び歩くようになった。
「母親がめちゃくちゃ厳しい人だったのね。なのにあたしは成績最悪だったから、あたしのことがもともと嫌いだったみたい。父親は完全に空気。だから、母親には『勉強しないなら、家を出てけ!!』って言われたの。こっちとしては、ありがとうございますって感じだった(笑)。母親の言葉のとおりに家を出て、男の家をハシゴする生活だったよ」
卒業式までそんな生活を続けたために、当然のごとく高校には進学しなかった。
「家とかは男が提供してくれるからいいとしてさ、遊ぶお金が必要じゃん? だから、年齢をごまかして、すぐにお水の道に入ったよ」
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ありとあらゆる“夜の仕事”をしたマナ。そんな荒れた生活は、18歳まで続いた。
「最後は落ちるところまで落ちたんだよね。何をしたとは言わないけど。でも、これから20歳になるってなったら、こんな生活じゃ、さすがにヤバいって思ったの」
そこで、マナは初めて「真剣に出会い系で彼氏を探した」。
すると、マナいわく「見た目は馬鹿そうだけど」真剣に私の将来を考えてくれる、年上の男性と出会えたのだそうだ。
「それが、最初のダンナの健一(仮名)。ほんとにいいやつだったんだよね。出会って一年もしないうちに、籍、入れたもん。まぁ、デキ婚だったんだけど」
そう言って、何が面白いのか、マナは笑った。