セダン人気の韓国で、オヤジ好みのクラシックなデザインを発見!
韓国へ行って来ました。PCR陰性証明書を片手に。 “ヒュンダイ”改め“ヒョンデ”となった彼ら主催のプレスツアーです。
目的はヒョンデの現状と近未来を取材すること。今年日本でIONIQ 5(アイオニック・ファイブ)とNEXO(ネッソ)を試乗しましたが、正直ヒョンデ自体のことはあまり理解していませんでした。クルマの出来は良かったんですよね、すごく。なので彼らを知るいいタイミングです。
今回新たにわかったことは色々あります。日本を含めR&Dセンターが世界各国にあること。製造工場は9カ国にあり、年間生産規模は500万台に達することなど。しばらく日本での発売が行われていなかったので、わからないことがいっぱいです。ブランドもヒョンデの他に、キア、ジェネシスがあります。ジェネシスのセダン系はすごくかっこいい。聞くところによると、ヒョンデ全体のデザインを統括している人物は、前職ベントレーだったとか。興味のある方はジェネシスG90というクルマをお調べください。なんとなく路線がわかります。
クルマではIONIQ 5に兄弟が増えることを知りました。2021年2月ハッチバックとして生まれたIONIQ 5に続き、2022年7月にセダンのIONIQ 6、2024年第一四半期にSUVのIONIQ 7が誕生する予定です。もちろんどれもEV。ヒョンデは2030年までにグループ内のEV比率を30%にする目標を掲げています。
今回のタイミングで行われた釜山モーターショーでIONIQ 6がアンベールされ、それに立ち会いました。韓国メディアは大騒ぎ。なぜなら彼の地ではSUVも人気ですが、セダンが廃れていません。プレスツアー中移動バスから市街地を眺めていましたが、セダン比率の高さに驚かされました。なので、IONIQファミリーもセダン、SUVの順番になったのでしょう。この国特有です。
IONIQファミリーについて情報を得ましたが、もう一つ別の存在を知りました。“N”です。
“N”とは、メルセデスで言うところのAMG、BMWのMシリーズ、レクサスの“F”にあたります。つまり、ハイパフォーマンスカーライン。“N”は開発基地のナムヤン研究所とテストを繰り返したドイツのニュルブルクリンクサーキットの頭文字だそうです。
見せてもらったのはIONIQ 6のN仕様、それと1974年に発表したヒョンデ・ポニーを現代的な解釈で蘇らせたコンセプトカーNビジョン74です。
IONIQ 6のN仕様とNビジョン74は「N Night」というモーターショー夜に行われたイベントで発表されました。前者はRN22という名前です。ヒョンデはサーキットでの開発をローリングラボと呼びその頭文字のRをつけました。IONIQ 6をかなりレーシーに仕上げています。大きなリアウィングが特徴でしょうか。もしかしたらGT3カテゴリーとか出場したりして。あ、EVですから別ですかね。
Nビジョン74は74年に当時ヒョンデがイタルデザインのジウジアーロに依頼して完成させたポニーをオマージュしています。しかも、生産車のハッチバックではなく、ショーカーで終わったクーペを題材にしました。なので、角型ヘッドライトであったり、どこかクラシックなフォルムをしています。オヤジ世代にはササるデザインかと思います。まぁ、今回もデザインスタディですから、市販化への道はわかりませんが。
ということで、5日間にわたるヒョンデ取材は無事終了。2時間半のフライトとはいえ、およそ2年半ぶりの海外取材ですから緊張しました。早く昔みたいにスッと海外渡航ができるようになるといいですね。そうなれば、もっと深くヒョンデのことも知ることができそうです。