奥が深いけど、お気に入りの1着と出会えたら一生モノ!
先週から新たにスタートしたFORZA STYLE編集長・干場義雅による連載「干場編集長のスタイルクリニック」略して「スタクリ」。イマドキな大人の男にオススメするマチガイのないアイテム、つまりは鉄板アイテムをご紹介する企画です。第3回目となる今回は、ライダースジャケットです。
ロックやバイカースタイルの鉄板アイテムであるライダースジャケット。一方で、モードの世界においても定番的な人気を博すアイテムであり、さらに昨今においてはイタリアンカジュアルにおいても不動の地位を確立しています。ひとくちにライダースといっても、実は種類が様々。形だけでなく革によっても印象は変わるようです。
「まず、バイクに乗らなくてもライダースは着ていいんです(笑)。レザーは、それだけでオトコの色気を引き出してくれる素材。活用しない手はありません」
とはいえ、やっぱりハードなイメージが付いて回るライダース。その正しい着こなし方とは。
「ハードであることは決して悪いことじゃありません。ただし、ビギナーの場合はブラウン系の表革だと土臭さが際立ちハードルが上がるので、ブラックをオススメします」
ビギナーの方にさらにオススメなのがシングルライダース。
「ライダースは、大きく分けてシングルとダブルがあります。フロントの合わせのことで、シングルの方がよりシンプルでシャープな印象、ダブルの方がハードでワイルドな印象になります。ダブルは見るからにロックでバイカーな感じになるので、今回はビギナーでも着こなしやすいシングルとダブルの中間的立ち位置のセミダブルを選びました」
また、革質によっても印象はかなり変わります。
「ハードになり過ぎたくないならラムナッパレザーのような薄手で柔らかな革を、着心地も軽いですからね。ハードさを求めるなら肉厚なカウレザーやホースレザー。なめし方にもよるのですが、一般的に堅く重たいのが特徴。その反面、着込むほどに味のある表情に育ってくれます」
ポイントさえ押さえれば、オトコらしさと色気を演出するのにこれほどおあつらえ向きなアイテムはないとか。
「もっと細かく言えば、アメリカンタイプやブリティッシュタイプなど細分化されます。それだけ奥が深いアイテムなのですが、自分のスタイルにフィットするライダースと出会えたら、一生モノとして重宝しますよ」
「干場編集長のスタイルクリニック」はYouTubeとの連動企画になっています。動画でさらに詳しく解説しているので、そちらも是非チェックを!
FIXER/フィクサー
無骨オンリーはNG! オトコらしさと色気の両立がカギ
Tシャツ2万4200円、サングラス7万1500円、リング5万5000円、レザーバングル24万2000円/すべてフィクサー(アルト エ デリット)、デニム3万8500円、スエードブーツ参考商品/ともにマインデニム(マインド)、時計「BR 03-94 マット ブラック」69万3000円/ベル&ロス(ベル&ロス 銀座ブティック)、その他干場編集長私物
オトコらしさと色気の両立は、モノトーンならより一層引き立つことに。デニムにブーツという組み合わせも、いかにも無骨顔にはなりません。「さらにポイントはインナーの色。ホワイトならオトコらしさと色気の中に、さわやかさを演出できます。反対にブラックなら、オトコらしさとクールな雰囲気を楽しめます」
着用したのはフィクサーのF2。干場編集長もリアルに愛用する1着で、ソリッドな印象のシングルをベースにしつつ、肩のパディングがレーシーでオトコ心をくすぐられるとか。「テーラードの哲学を落とし込んでいるので、見ての通り後ろ姿などテーラードジャケットのようにキレイなんです」
干場編集長のアドバイス①「サングラス」
イカついじゃなく、ワイルドじゃなく、クールに
ライダースジャケットとサングラスが好相性であることなど、もはや語るに及ばず。今回はウェリントンタイプをチョイス。「よりクールな雰囲気に見えますよね。ティアドロップのようなタイプだと、少々キャラが強過ぎるかと。ベーシックなウェリントンの方が、ハマりやすいですよ」
干場編集長アドバイス②「アクセサリー」
主役はレザー! アクセは邪魔しないよう控えめに
アクセサリーは、シルバーをチョイス。ちょっと遊びココロのあるデザインが見どころ。「ライダースの付属パーツと色を合わせると、コーデに統一感が出ます。高級ジュエリーもアリですが、ライダースの存在感が強いので、あまりこれ見よがしな高級感演出をすると、少々いやらしさが」
干場編集長のアドバイス③「時計」
ライダースにナヨナヨした時計が似合うワケなし!
時計はもちろん大型ケースでオトコらしく。色もブラックでシンクロさせることで、オトコらしさがより引き立ちます。「このベル&ロスのBR 03-94 ブラック マットはオススメ。ラバーストラップもしかり、ギラギラ感があると革の光沢とぶつかってしまうので、こんなマットブラックが適任です」
干場編集長のアドバイス④「ベルト」
タフ&ワイルド感は、ベルトでひっそりと楽しむ
せっかく古き良きアメカジが人気とあって、ベルトではタフなスタッズ×レザーベルトを。「ただし、これはあくまでチラ見せ程度で。普段はTシャツで隠しておいてOKです。昨今Tシャツのタックインが人気ですが、ライダースの場合はともすれば古いミュージシャンみたいになりがちなので(笑)」
干場編集長のアドバイス⑤「ブーツ」
ブラック&スムースアッパーで脚長効果を狙うべし
足元はライダースの雰囲気に負けないブーツを。スポーティで軽快なスニーカーだと、チグハグになってしまいます。「色はもちろんブラックで。パンツと一体に見せることで、脚長効果が得られます。編み上げじゃなく、こんなスムージーなアッパーだとその効果はより高まります」
SAINT LAURENT/サンローラン
スーツを着ているかのように背筋が伸びる1着
ダブルが有名な同ブランドのライダースですが、シングルの美シルエットも見逃せません。サンローランらしいコンパクトなシルエットは、柔らかなラムレザーと相まって実に色気あり。ライダースでありながらも、まるでテーラードジャケットのようなドレッシーな着姿を楽しめませてくれます。
TOM FORD/トム フォード
あくまでもオトコらしさ優先ならやっぱりココです
タフな中にある色気を演出させたら、やはりここの右に出る者はいません。タイプはセミダブルですが、アイコニックなジップポケット、そしてパディングを施したレーシーなショルダーなど、そのディテールはいわば攻撃的な雰囲気に。※写真のカウレザーは完売しており、現在展開している同型のライダースの素材は、しなやかで上質なラムレザーになります。
EMMETI/エンメティ
その名もH(アッカ)。実は干場編集長のイニシャルです
ラグジュアリーライダースというジャンルを確立した立役者。コチラはなんと、イタリア・フィレンツェ発の同ブランドと干場編集長によるコラボです。ラムナッパ&シングルの定番JURIをベースに、レザーの厚みを0.7mmから0.9mmへ変更。フィッティングをよりシャープに仕上げ、デザインも袖先をジップに、腰帯はナシ、スタンドカラーのボタンは2つに増やされています。
DRESSTERIOR/ドレステリア
とりあえずコレを買っときゃマチガイなしの好例
光沢を抑えたレザーが、シングルの醍醐味であるミニマル感を強調。一方で、大ぶりなスライダーのジップが遊びココロを加えます。前下がりなパターンがスポーティさも。※実際の商品は、シングルスライダージップ、シングルスタンドカラーボタン、ジップポケットとなり、オリジナルのコラボネームがつきます。
FIXER/フィクサー
革質、シルエット、ディテール、すべてにおいて高品質
その出自を明らかにしない謎のブランド。でも、そのクオリティは実に高く、このセミダブルライダースのF1には、タンナーと共同開発した専用カウレザーを採用しています。さらに計算されたパターンは、ジャストなフィッティングでも窮屈感ナシ。買ってすぐにカラダに馴染みます。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Ryoko Kanemoto
Hair&Make-up:Megumi Ochi
Model : Noah Ishikura
Text:Masafumi Yasuoka
Direction:Yoshimasa Hoshiba
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