【後編】“地下アイドル”とホテルで……。小4の娘を持つ母親が目覚めた「新しい趣味」そして…

日常生活は、いつだって平凡に過ぎていく。

「お母さん、牛乳もうないんだけど！」

ヒカルとの逢瀬を思い返していた愛は、娘の声にハッと現実に連れ戻される。

「ごめんごめん、今日買ってくるからね」

「もう、なんか最近ずっとぼーっとしてる！ お母さんってば！」

あれから、ヒカルからの連絡はない。連絡をしようと思えばできるのだろう、だけどもし着信拒否でもされていたら心が死んでしまうから、自分から連絡をする勇気なんてとてもじゃないけど、私にはない。

きっと、初めて見るおばさんを相手に、ヒカルは興味本位で遊んだだけなのだろう。でも、そうだとしても、あの時に夢を見せてくれたことには違いはない。あの時、アイドルに特別扱いをされたことだけは事実だから。

あの時の夢だけあれば、私はこれからも頑張れる。夫も娘も、大事な宝物だから。もうあんな間違いは二度と起こさないから……。

そう思っていると、友香からLINEが届いた。