■アパレル→飲食。興味が沸いたら、とことん掘り下げる!
── お店のオープン時期、経緯などを教えてください。
マスター服部裕さん オープンは1979年です。当時は学生さんが多かったかな。お店初めて4~5年で原宿の洋服屋さんが沢山こっちに流れてきて、千駄ヶ谷も洋服屋が多くなった。実は僕もアパレル業界にいたんですが、その頃からいつか自分で飲食店をやりたいと思っていました。飲食は、アパレルを辞めてから新宿にあった『ワールドレストラン』というお店で2年ほど勤めて修行しました。
── え!? あの、色んな国の本場の方々が腕を振るっていた、世界の各国料理『ワールドレストラン』ですか? 小さい頃、父の勤務地が新宿で何度も連れて行って貰った思い出のお店です。
マスター服部裕さん 奇遇ですね。当時としては珍しかった、イタリア人が作るナポリピザが大好きでした。なかなか教えてくれなかったけど休み時間に休まずに、作り方などを見て勉強していました。その後、そこにいたインド人シェフに頼んで、その方のインドの実家に行かせてもらい、ナンの作り方なども勉強しました。
── 掘り下げ方が凄いです。凝り性なんですね!
マスター服部裕さん そうですね。以前はピザをウリにしていました。今も夜はピザメニューがあります。小麦を捏ねるのが好きなのかな(笑)。
── 夜のメニューの「ラム餃子」も手作りの皮だと書いてありましたもんね!「じゅうじゅう焼き」「ハヤシライス」はいつ頃からのメニューですか?
マスター服部裕さん どちらも、オープンしてから何年してからですね。「じゅうじゅう焼き」は、お店が休みの日曜日に知り合いの横須賀の焼肉屋さんに手伝いに行って、そこでタレの作り方などを教わって作りました。「ハヤシライス」は、この辺りはカレーのお店が多くてね。じゃ、うちは「ハヤシライス」にしようって。
── 「ハヤシライス」は濃厚さとスパイシーさが印象的でした。
マスター服部裕さん カレーに使うスパイスも少し入れてますよ。ナンが好きすぎてカレーにも凝って、ここからすぐ近くに『ヘンドリクス』というカレー店もオープンさせました。今は、当時よく頑張ってくれていた従業員に譲っています。凄い有名人気店になっています。譲ったの、ちょっと惜しかったかな(笑)
── 気前良いですね!もはや、この辺りで働く方のお腹を支えてるのはマスターですね!お客さんは、やはりアパレルの方が多いですか?
マスター服部裕さん そうだね。昔は人通りも少なくて、小さいお店で目立たなかったから芸能人の方も今より多かったね。「○○さん(超超大物男性歌手)や□□さん(超超大物女性歌手)。あと△△さん(とある謎の事件に関わったかも?な方)」
── うわー。特に3人目の方は書けないですね(笑)ここだけにしておきましょう。
マスター服部裕さん あははは(笑)。
とても温和な雰囲気でお話してくださった、マスターの服部裕さん。興味を持ったら教えを請い、とことん突き詰めて自分のモノにされてきたマスター服部裕さん。趣味の自転車では、レース出場のためにヨーロッパまで行っちゃうほどなんですって。こちらも流石、とことん!
最後にマスター服部裕さん&ママさん、そして毎日通勤する愛車と記念撮影してお店をあとにしました。素敵なお人柄なご夫婦のファンになりました。感謝です。マスター服部裕さんが世界の料理を勉強し、それを再構築した洋食が食べられる神宮前『ぎっちょん』。ランチメニューのサイズが(普通)(大盛り)表記ではなく(M)(L)(LL)表記なのは、この辺りにアパレルメーカーが多いっていうのと、マスターがアパレル出身の名残だとか。お店は、マスター服部裕さんの人生そのものなんですね。
ぎっちょん
東京都渋谷区神宮前2-22-1
03-3402-3164
12:00~15:00、18:00~22:00
定休 土日曜日、祝日
※新型コロナウイルス感染拡大等により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。
ホームページ
Text:Cook Inoue
Photo:Takuji Onda
Edit:Takashi Ogiyama
クック井上。プロフィール
お笑いコンビ「ツインクル」のクック井上。です! 芸人でありながら、食のイベントMC・料理教室講師・食のプロデュース等も! ●フードコーディネーター●ホームパーティー検定●食育インストラクター●野菜ソムリエ●BBQインストラクター●アスリートフードマイスター●こども成育インストラクター●パエリア検定 など食に関する資格も多々あり。
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