魚心あれば水心。由奈さんがそんな考えを胸に秘めるようになると、急に男性から誘われるようになる。
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「最初に婚外恋愛をしたのは、転職前の会社にいた5歳年下の元部下です。久しぶりに前職の飲み会に参加して帰りに2人きりになったとき、『飲み足りない』と言うから、コンビニでビールを買って公園で飲んでいたんです。コロナでお店がやっていなかったので。“寒いね”と言ったら、私の手を取って、『手、めちゃ冷たいじゃないですか』と言われて、肩を抱かれた。あの男の人のニオイと体温、夫とは異なるつるっとした肌にクラっときた。『ホテル行きましょう』と言われて、日比谷から五反田までタクシーで移動したんです」
そして、ラブホテルに入った。
「たぶん、彼は人妻との恋愛に慣れていた。タクシーでもずっと手を握っていたし、有無を言わせない何かがあった。こっちは子供たちや夫への罪悪感があるから、スキをみたら逃げようと思っているんです。でも、そのタイミングを与えないんですよね」
不倫の関係に慣れていない女性は、男性からの「こういうときってお子さんどうしているの?」「ご主人に悪いな」などという言葉に、一気に現実に引き戻される。しかし、彼は余計なことを一切言わなかった。
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彼は由奈さんの髪に水がかからないように、ゆっくり体を洗ってくれた。すべてが夫との行為とは違っていた。
入ってから1時間半でホテルを出た。その後、彼とは連絡を取っていない。
「その後、何回か誘われたのですが、これ以上彼と会ってしまうと、好きになってしまい、夫と離婚したくなると思ったんです。子供たちの中学受験も控えており、家族は家族として現状維持をしたかった。あと、彼と遊ぶのはいいけれど、仕事っぷりに頼りないところがあって、恋愛はいいけれど、結婚相手には向かないなと」
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その後、元カレや男友達とこの1年間で3人ほど浮気をした。
「男性が独身だと、こっちがハマってヤバいと思ったので、既婚者の男友達に誘われるままホテルに行きました。今は仕事が忙しくてお休みしていますが、また恋愛したい。夫はうすうす気が付いているようですが、何も言いません。私に離婚されて困るのは、夫の方だと思うので」
「婚外恋愛」というきわどくもあやふやな言葉のなかで、妻たちは今日も夫の知らない時間を過ごしている。
次回では「家の前で「妊娠中の不倫相手」が号泣。ドラマのような修羅場で、娘が放った衝撃のひとこと」をレポートする。
Text:Aya Sawaki