感染症の拡大により、オンラインの活用が増えたこの数年。リモートなどのビジネスの会議だけでなく、プライベートでも近況報告をするのにとても便利である。
反面、そのオンラインがきっかけでリアルでの防御の甘さを露呈してしまうことがある。オンラインで話しているから……、と気を許した先に不倫の闇が潜んでいることを心に留めておきたいもの。今回はそんな闇を経験した女性の話をしよう。
※この記事は取材を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しております。あらかじめご了承ください。
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食べることが好きで、独身時代には食品会社に勤務していた料理好きの主婦、知佳(仮名・41歳)。その頃から料理を習い始め、結婚後はバンカーの夫と子供に美味しい料理を作ってきた。
知佳の趣味は、自宅をサロンにして友人を招くランチ会。ママ友たちに「知佳さんのお料理ってどうしてこんなに美味しいの? 教えて‼︎」と言われ、気づけば、料理を教える側になっていた。
趣味が講じて……いわゆるサロン族だ。SNSにアップすれば多くの「いいね」がつき、フォロワー数もどんどん増えていった。
「本格的にスクールやってみたら?」と口にする友人たち。そのたびに「私なんてできない、無理無理〜」と答えつつも、内心では興味津々。もしかしたら新しい扉が開けるかもしれない。妄想はどんどん膨らんでいった。
夫に相談をし、これまでの生活はきちんとキープするという約束でスクールを始めると、これまでの友人はもちろん、インスタなどのフォロワーがオンラインで講座を受けてくれるように。
知佳はスクールの仕事にとてもやりがいを感じ始めていたが所詮素人……。それ以上に生徒獲得を広げるのは無理があった。
そんなときに友人の恭子が紹介してくれたのがSNSのコンサルタントである翔悟(仮名・36歳)だった。
恭子は手作りのアクセサリースクールを始めていたが、数ヵ月前からグンとスクールの生徒が増えたようで不思議に思っていたのだ。
「え? SNSのコンサル? もしかして恭子のスクール生が増えているのってそのせい?」
「えへへ、実はそうなのよ。こういうコンサルって結構授業料高いんだけどね、でもこの人は比較的リーズナブルで、私にも理解できそうなメニューだったの。それで思い切ってお願いしたら効果てきめんで。それにちょっとイケメンなんだよね〜(笑)」
「本当? それなら私もお願いしたい‼︎」
知佳はすぐに翔悟のSNSのオンラインコンサルに申し込み、スケジュールを決めた。
初回のオンラインで初めて顔を合わせた時、知佳は思いの外ドキッとした。HPに掲載されている写真より、断然素敵だったからだ。思わず「HPの写真より爽やかでとても素敵ですね」と言ってしまったほどだった。
3ヵ月のコース内容を説明されている間、知佳はすでに心のどこかが浮き足立っているような自分を感じていた。これが、最悪な事態を引き起こす全ての始まりだとも知らずに。
Text:女の事件簿調査チーム