みなさん、こんにちは。
腕時計羅針盤、RYです。
突然ですが、皆さんは「クロノメーター」という言葉をご存知でしょうか?
クロノメーターとは、時計の精度・品質を保証するための「規格」のことで、スイス公認クロノメーター検定協会、通称COSC(Controle Official Suissedes Chronometres)が規定するムーブメントの精度規格を通過したものだけに認められるものです。
その検査方法は、実際の使用を想定したムーブメントの5つの姿勢差と3つの温度差の条件下で15日間にも渡る精度を計測し、その誤差が基準範囲内(日差-4秒~+6以内)でなければなりません。
スイス製の腕時計のうち、このクロノメーターをパスすることができるのは、およそ3%とも言われていますから、いかに厳しい規格であるかがお分かりいただけるかと思います。
しかし時計ブランドの中には、このクロノメーターに飽き足らず、より厳しい自社規格を設けているブランドがあります。
今回はそんな厳しい自社規格を設けているブランドについて4つ紹介しようと思います。
1. ロレックス高精度クロノメーター

1つ目はロレックス高精度クロノメーターです。
実は先述の「クロノメーター」の発端は1700年初頭、世界各国が覇権を争い、海洋進出を推し進めていた時代にまで遡ります。
当時は今のようにGPSやレーダーはおろか、揺れる船舶で使える高精度の時計が無く、結果として船乗りは自船の位置を正確に把握することが難しく、海難事故が頻発していたのです。
この問題を解決するため求められたのは、船舶用の超高精度時計「マリン・クロノメーター」であり、これが開発されるまで長い年月を要しました。
このように、クロノメーターとは元を辿れば大きな船舶用時計のための規格でしたが、ついに腕時計でもクロノメーター規格を通すブランドが現れます。
それがロレックスでした。
ロレックスは1910年、腕時計として初めてのクロノメーター公式証明書を取得します。
2015年からは「ロレックス高精度クロノメーター」という独自規格を設けました。
通常のクロノメーターではケーシング前の状態で検査をするのですが、ロレックスの場合はケーシング後の状態で7姿勢と回転検査を行い、実際の着用状態で精度、防水性、自動巻、パワーリザーブなど最高のパフォーマンスを発揮できるかどうかを検査しています。
しかもこの時求められる精度は日差+/-2秒以内と、クロノメーターの2倍という驚異的な精度。
こうして厳しい検査に合格した時計のみ、文字盤に「Superlative Chronometer(高精度クロノメーター)」の表記がプリントされ、グリーンの特別なタグが付属されるのです。