若い人にはどんどん店に来てもらって、洋服の歴史を深掘りしてほしい！
世の中には、「この店、沼だな」と唸るほど魅力的な店がある。
ヴィンテージ洋服に関し、日本屈指の知識と教養を持つ、ファッションディレクター赤峰幸生氏とヴィンテージ服のお宝を探り当てるお宝探し隊。
今回は、東京・中目黒のヴィンテージショップ「OLGOU（オルゴー）」をチェック。ドクトルは、「冬物がしっかり揃っていて、どのアイテムもオーナーの目がちゃんと利いているのが分かる。ちょうどいい広さで、集中して選べるのがいいね」と、お買い物に夢中！
他の店とは違う仕入れで、オーナーの思いが伝わってくる
中目黒の「オルゴー」は2006年3月にオープン。店名は、「ふと見つけたフランス人のおばあさんの名前で、音の響きで決めました」と、オーナーの水津 毅さん。
赤峰 初めてお会いしたのは、代官山T-SITEで不定期に開催されている「代官山 蚤の市」でしたね。もう5～6年前になりますね。
水津 お店の方にも何度かお越しいただきました。
80年代のワイン色のスウェットパーカー 5980円
赤峰 オルゴーさんはヨーロッパの古着に強いという印象がありましたが、アメリカモノもきちんとありますね。
水津 品揃えは、「ベーシックなモノが常に見つかる」のを基本に、ヨーロッパの古着に加えて、アメリカのデニムやワーク、ミリタリーなども揃えています。ファッションなので、もちろん変わっていきますが、メンズもレディースも「変わらない良さ」を伝えていきたいですね。
赤峰さんの好きそうなカラーが揃っていて、チェックに余念がありません
赤峰 なるほど。お客さんは何歳ぐらいの方が多いんですか。
水津 男女とも年齢層は幅広く、20代から50～60代の方もいます。開店して15年になるので、長いお付き合いの方も多いですね。久しぶりにお店に来て、「オープン当時から変わっていないね～」とおっしゃる方もいますが、ちゃんとマイナーチェンジはしています（笑）。
コンディションの良い古着がリーズナブルな価格で見つかる
赤峰 他の店とはひと味違う品揃えで、オーナーの思いが伝わってきますが、仕入れの基準はありますか。
水津 面白いなと思えば仕入れますね。アメリカモノならミリタリーやワーク以外のスポーツやアウトドアものも、その時に良いなと思えば買いますし、古着といえど大きな流れでファッションなので、流行も気にしつつ買い付けています。仕入れは柔軟でありたいと思っていますね。
60年代の「シアーズ」のフーディーコート 1万6800円
赤峰 確かにアメリカモノも、大量生産・大量販売だからこそ完成されているものがあるし、水津さんのような目利きなら気になりますよね。ヨーロッパの古着の魅力はどうですか。
水津 やはり「質とデザイン」ですね。古着屋の視点で見ると、理想は60年代までの商品ですが、今は70～80年代のものでも良質なモノがあるので、買い付けも年代にこだわらずに広げています。
赤峰 今はコロナ禍でなかなか現地に仕入れに行けなくて大変ですね。
水津 そうですね。コロナ前は年に4～5回、フランスとアメリカに自ら買い付けに行っていましたが、そろそろ行きたいですね。
サイズが合えば絶対に買い！ ひと目惚れで衝動買いが楽しい
赤峰 オルゴーさんは、コンディションの良い商品がリーズナブルで、品揃えも全体的に大人っぽいので、「セレクトショップ風の大人のヴィンテージショップ」という印象を受けます。ディスプレイでスタイリング提案しているのもいいですね。
水津 ありがとうございます。お店をオープンしたときから、「大人になるとダメージの大きい古着は着づらくなったり、似合わなくなったりするので、新品と同じ感覚で着られるデッドストック中心に品揃えしよう」と思い続けてきました。
赤峰 そこがひと味違うんですよね。暮らしの中にヴィンテージアイテムをさり気なく取り入れられる感じが心地良い。今、巷ではヴィンテージブームと言われていますが、そういう風潮は感じますか。
水津 ヨーロッパの古着は動いているなと思います。古着の価格が上がっているのが人気の証拠ですね（笑）。
赤峰 オルゴーさんはコンディションにこだわったモノが多いので、じっくり見て、納得して買えるのがうれしいです。また衝動買いしちゃいそうだ（笑）。
60年代のパーカーのフード部分をカットしたリメイクスウェット 1万5800円
「OLGOU（オルゴー）」
東京都目黒区上目黒1-10-6
03-3463-0509
12:00～20:00
不定休
Instagram：@olgou_nakameguro_
Photo：Yuuji Hirose（Quand Photos）
Text：Makoto Kajii
information
横浜・信濃屋でトランクショーを開催
12月18日（土）と19日（日）の2日間、横浜馬車道の洋品店「信濃屋」で、Akamine Royal LineとAkamine Class Sportsの受注会を開催します。
赤峰幸生さんと約半世紀の付き合いがある信濃屋は日本で初めての洋品店で、赤峰さんが目指すジェントルマンスタイルの聖地でもあります。赤峰流のスタイルに、信濃屋のエッセンスを織り交ぜながら、クラシックスタイルを提案します。ぜひご参加ください。
日時：2021年12月18日（土）、19日（日）11：00～17：00
会場：信濃屋 馬車道店 B1F メンズフロア
神奈川県横浜市中区太田町4-50
オーダーアイテム：Akamine Royal Line＆Akamine Class Sports
スーツ、ジャケット、トラウザーズ、コート、シャツ、ブルゾン
問い合わせ：info@incontro.jp
※ご希望の日時とお名前（フリガナ）を添えてご連絡ください（担当：勝）
