皆さん、こんにちは。
腕時計羅針盤、RYです。
突然ですが皆さんは、「時計ブランドと言えば?」と聞かれたらどのようなブランドが思い浮かぶでしょうか?
おそらく「ロレックス」「オメガ」「タグホイヤー」あたりを思い浮かべる方が多いと思います。
実際のところ、日本で行われたとある調査結果によると、時計ブランドの認知度ベスト3は上記ブランドのようです。
では、「日本の時計ブランドと言えば?」という質問だったとしたらどうでしょうか?
多くの方は「セイコー」「シチズン」「カシオ」を思い浮かべるかもしれませんね。
セイコーやシチズンの時計は学校やオフィス、街中などの公共用時計としても多く存在していますし、カシオは時計ブランドではないものの「G-SHOCK」の存在が大きく、多くの方が知るところでしょう。
さらに時計好きの方であれば、これに加えてたくさんのブランド名が出てくることだと思います。
しかし実際には、【日本人の5割以上が時計をしない?】機械式時計を持つと起こるかもしれない3つのイイことでも書かせていただいた通り、日本においては腕時計離れが著しく、時計ブランドの多くは知られていないのが現状です。
そこで今回は、先述のブランド以外にも、日本には世界に誇る時計ブランドがあるということを書かせていただこうと思います。
1. ザ・シチズン

ザ・シチズンは1995年に誕生した、シチズンの高級ラインのブランドです。
身に着ける人の人生に永く寄り沿う腕時計であることを目指し、理想とする「精度」「品質」「デザイン」「ホスピタリティ」に絶えず挑みつづけています。
ラインナップとしては、世界最高精度を誇る「年差1秒エコ・ドライブ」をはじめとする光発電時計やクォーツ式時計が充実しており、特に精度に関しては世界でも抜きん出た実力を持ちます。
ザ・シチズンでは時計の心臓部でもあるクォーツ(水晶振動子)の選定に6ヶ月以上の時間をかけ、さらに1年間の気温変化でも精度を落とさないために1日に1440回の温度補正を行う機能を搭載するなど、極限まで精度と向き合うことでこれを実現しています。
また、視認性を高めるため、シンプルなデザインに徹しつつも、職人の丁寧な作業によって極めて上質で高級感のある仕上がりになっている点も特筆すべき点でしょう。
もう一点言及しておきたい点として、ザ・シチズンから11年ぶりに新作機械式ムーブメントを搭載したモデルが今年誕生したことが挙げられます(shirokuma_watch_japanさんの写真の時計がその機械式モデルのうちの1本)。
機械式モデルもエコ・ドライブモデルやクォーツモデルと同等、あるいはそれ以上のクオリティに仕上がっており、今年の時計界において間違いなく注目すべき一本だと思っているのは私だけではないはずです。
ザ・シチズンには、日本人ならではの真摯さ、実直さ、道を追求する精神のようなものが宿っていると感じます。
まさにブランドのロゴともなっている鷲のごとく、遥か先を見つめ理想を追い求め続けるビジネスマンにおすすめのブランドです。
2. オリエントスター

オリエントスターは、1951年にオリエント時計株式会社から「輝ける星」をイメージして誕生したオリエントを代表するブランドです。
70年という長い歴史を持つオリエントスターは、つねに「着ける悦び」「魅せる喜び」「繋ぐ慶び」の3つの「よろこび」を追求した時計づくりが息づいています。
日本の時計ブランドとしては非常に珍しく、いつの時代も絶えず機械式時計を作り続けており、そのラインナップは多岐にわたります。
さらに特筆すべきは、どのモデルも一貫して”らしさ”が溢れているということです。
例えば、10stone_ston16さんの写真のセミスケルトンでは、文字盤の9時位置がオープンワークになっており、機械式ムーブメントの心臓であるテンプを見ることができます。これはメカ好きな方にとってはたまらないギミックでしょう。
さらに、12時位置のパワーリザーブインジケーターも他ブランドではなかなか見ない位置です。
その他にも、機械式ムーブメントをフルに鑑賞できる「スケルトン」や、複雑な機構を手頃な価格で楽しめる「メカニカルムーンフェイズ」、「レトログラード」など、どれをとっても「よろこび」を追求した時計であることがわかります。
手頃な価格でありながらも上質かつユニーク、腕元で時を刻む楽しさを教えてくれるブランドは世界広しといえども滅多にあるものではありません。
世界でも稀有な”ファンウォッチ”メーカーである同ブランドが、世界中のファンから長く愛されているのも頷けます。
人とは少し違うユニークな時計が欲しい方や、時を刻むよろこびを感じたい方におすすめのブランドです。
3. グランドセイコー

グランドセイコーは1960年に誕生したセイコーの高級ラインナップで、2017年から完全に独立したブランドです。
1960年当時、高級時計市場を独占していたのはスイス製の時計でした。
これら外国勢と戦えるようにと、最高品質を目指した日本クラフトマンシップの結晶ともいえるブランドがグランドセイコーです。
グランドセイコーの外装の大きな特徴の一つが「ザラツ研磨」と呼ばれる手法の磨きです。
針やインデックス、時計の本体や尾錠に至るまで磨きが凄まじく、室内の照明下でさえ、凛とした光を放ちますが、これはザラツ研磨と1960年代に確立された”セイコースタイル”と呼ばれる光を最大限に意識したデザインコードによる賜物です。
まさに美術館に展示されている日本刀のような、一級品の美しいオーラと輝きを感じることでしょう。
世界から賞賛される、特徴的な文字盤を持つモデルが多いのも大きな特徴の一つです。
例えば、arata_tsudaさん写真にあるSBGH267は、同社のムーブメント「キャリバー9S」の20周年を記念した限定モデルですが、文字盤にはグランドセイコーの「G」「S」と、初の10振動モデル「45GS」を生み出した第二精工舎の「S」マークの3種が幾何学的に並んでいます。
あるいは「THE NATURE OF TIME」というコンセプトのもと、日本の自然美やうつろいを文字盤に表現しているモデルも多く、まさに文字盤に描くアートのような美しさです。
ムーブメント面においても、”年差クォーツ”と呼ばれる、年間で誤差+/-10秒という高い精度を持つクォーツ式ムーブメントや、高い技術力を要する機械式ムーブメント、両者の配合モデルで他ブランドには真似のできない唯一無二の”スプリングドライブ”など、多様なラインナップが充実しています。
凛と輝く綺麗な時計が欲しい方や、しっかり感がありつつも確かな個性のある時計が欲しいという方におすすめなブランドです。
まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は、意外と日本人が知らない、世界が憧れる高級時計ブランド3選ということで紹介させていただきました。
もう一度まとめると、
1. ザ・シチズン
2. オリエントスター
3. グランドセイコー
です。
どうしても日本で高級時計ブランドというと舶来品をイメージしがちですが、自国にこんなにも素晴らしい時計ブランドがあることは非常に恵まれていますし、素晴らしいことだと思います(世界でこんな国は数えるほどしかないでしょう)。
正直、日本なのである程度の価格帯に収まっていますが、欧米で作られていたとしたらもっと高価な時計になっているはずです。
「日本人だから日本のものを買うべきだ」というつもりは毛頭ありません。
純粋にワールドマーケットで客観的に比べても、これら日本のブランドを選びたいと思える点はたくさんあるので、ぜひ一度実物をご覧になっていただきたく思います。
時計好きの方であれば、知っていて当たり前のブランドばかりだったかもしれませんが、きっと多くの日本の方は知らなかったと思うので、そういった方々に少しでも届けば嬉しいです。
それではまた!ありがとうございました。