CAR 得するクルマ生活

初代LJ10から新型JB64まで。スズキジムニーの全5世代を一気に振り返る。

安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

5世代、50年にもわたり、多くのファンに愛され続けている、本格4輪駆動車スズキジムニー。現行型の5代目「JB64W型ジムニー」が登場したのは、2018年7月。登場するやいなや大人気となり、その人気はいまだ衰えを知りません。なんと一時は、納車待ちが2年以上もあったほど。

ジムニーの魅力は、どこにあるのか。歴代ジムニーを振り返りながら、考えていきたいと思います。

 

■初代「LJ10ジムニー」(1970年~1980年)

初代が誕生したのは、1970年のこと。土木・建設の測量や林業のパトロール、山間地の商品運搬などの現場で、アクティブに活躍する「プロの道具」が求められた時代に、本格4×4のミニマムクロカンとして誕生したのがジムニーでした。

最大の強みは、言わずもがな、悪路走破性の高さ。強固なラダーフレーム骨格を使い、前後リーフリジットサスペンションを搭載。そして、走破性を高める16インチタイヤを装着し、高・低速2段切り換えの副変速機でフルタイム4輪駆動します。

1970年にデビューした初代LJ10ジムニーは横穴のフロントグリルだった。フロントグリルが今のような縦型スリットへと変更されるのは、1972年のLJ20型以降となる

様々な状況下で「プロの道具」として高い評価を得るとともに、手軽にアウトドアを楽しめる本格軽4輪駆動車として、一般ユーザーにも広く愛されました。

また排気量を0.8リッターに増やした「ジムニー8(エイト)」が世界市場へ輸出されるようになったことで、4輪車メーカー「スズキ」の名を世界に広めてくれたクルマでもあります。

 

■2代目「SJ30ジムニー」(1981年~1998年)

1981年、ジムニーは初めてのフルモデルチェンジを行い、SJ20型へとなりました。基本的なメカニズムは初代モデルを受け継いでいて、先代が築いた実用車のイメージを活かしながら、時代に即したシャープでボリューム感にあふれるデザインへと進化。老若男女から愛されたモデルです。

1981年に初のフルモデルチェンジを行った2代目 JA11ジムニー。初代の雰囲気をのこしながら、時代に即したシャープでボリューム感にあふれるデザインへと進化した

このころになると、ジムニーがもつ抜群のオフロード走破性は、広く世界でも認められていました。そこで、海外市場で人気が高かった輸出モデルである、1.0リッターエンジン搭載のSJ40型「ジムニー1000」が、1982年に日本市場へも登場。続いて、ジムニーシリーズ最大排気量となる1.3リッターエンジン搭載のJA51「ジムニー1300」も登場しました。

 

■3代目「JA11」(1990年~1995年)

軽自動車の規格変更を受け、排気量は0.55から0.66リッターへ。

エンジンの排気量が0.66Lになったことで、さらなるパワー&トルクアップが図られました。オートマチック、パワーステアリング仕様が登場し、幅広いユーザーを獲得しました。

 

■4代目「JB23ジムニー」(1998年~2018年)

3代目となるJB23型ジムニーは、今でも街中で見かけることが多いモデルです。初代、2代目と、キープコンセプトとしてきたデザインは、JB23に先駆けて1998年に登場した3代目のJB33ジムニーシエラで大変更(JB23ジムニーはJB33のあとに発売)。丸みを帯びつつも、スポーティになったフォルムは、新時代のジムニーとして大好評を得ました。

3代目ジムニーは、初代や2代目と比べて、大幅に乗り心地が改善し、乗用車的な乗り味に進化した

また、JB23型ジムニーは、エンジン排気量が0.66リッターとなり、パワー&トルクアップが図られました。トランスミッションは5速マニュアルと4速オートマチックを設定。パワーステアリング仕様も追加され、室内の快適性も増しました。その結果、これまで遠慮していたユーザーを取り込むことにも成功し、記録的な販売台数となりました。

 

■5代目「JB64ジムニー」(2018年~)

20年ぶりのフルモデルチェンジを行い、新型へと進化したのが4代目のJB64ジムニー(ジムニーシエラはJB74)。登場年次となった2018年カーオブザイヤーでは、「ジムニー/ジムニーシエラ」がイヤーカーとして本命視されていましたが、排ガスや燃費の測定データ改ざんが明らかになったことが影響し、スズキ側からエントリーを辞退しています。

しかし、2019年のワールドカーアワーズ(WCA)では、「ジムニー/ジムニーシエラ」がワールド・アーバン・カーを獲得、さらにはワールドカーオブザイヤーTOP3を獲得するなど、世界的にも認められた一台となったのです。

ちなみに、イタリアの国家治安警察が、ジムニー(日本でいうJB74型ジムニーシエラ)を採用、2020年に10台が納車されたそう。

 

■「道具」としてのカッコよさがにじみ出ている

ジムニーが売れる理由は、「道具」としてのカッコよさがあふれている点にあります。そして、いつの時代も、ユーザーの期待を裏切らないコンセプトで作り続けられてきた歴史も魅力。これからもユーザーの心を掴んで離さないことでしょう。

スズキジムニーの公式サイトはこちら

Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:SUZUKI
Edit:Takashi Ogiyama

吉川賢一ポートレート吉川賢一(自動車ジャーナリスト)1979年生まれ。元自動車メーカーの開発エンジニアの経歴を持つ。カーライフの楽しさを広げる発信を心掛けています。


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