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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION 干場の「エロサバ」

【ヘススカノヴァスの革靴】干場義雅が悩み抜いて購入、靴が主役の着こなしをチェック。

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エロスの神のエッセンスをそこかしこにちりばめた、最強のスタイル

今年も暑い夏はもうすぐ。東京五輪も目前と、心躍る季節の到来が間近だというのに、やっぱり気持ちはスカッとしませんね。引き続きのSTAY HOMEもしかたないとは思いつつも、梅雨が明けたら、そろそろフルスロットルでいきたいですよね。そのための準備は万全。あまりにもガマンし過ぎて、僕のなかのエロスがもう表面張力の状態です(笑)。

アイテム

ポロシャツ/30/70(トレンタセッタンタ)
パンツ/ドルチェ&ガッバーナ
サングラス/FIXER
時計/MARATHON
ベルト/THE SOUL
靴/ヘススカノヴァス

今回のスタイルは、つい最近手に入れた「Jesus Canovas(ヘススカノヴァス)」の代表モデル「JC528」をどう履くのかがテーマ。ちなみにこちらの靴は、「Julio Iglesias Shoes(フリオ・イグレシアス シューズ)」とも呼ばれ、世界で最も成功したラテンシンガー、フリオ・イグレシアスのトレードマークとなっている靴なんです。

イグレシアス本人は、ネイビージャケットに白シャツ、白パンに赤のこの靴を合わせたりしていて、写真からも色気がダダ漏れしているのがわかるほど。さすがラテン系の貫禄を発揮しています。

でも、キマれば抜群にカッコいいのはわかるのですが、靴を単体で見る限り、イケているのか、ダサいのかビミョー過ぎるライン。アッパーに施されたゴールドの「JC」刺繍も、見ようによってはオジサン靴っぽいし、かなりハードルが高い気がして……。このコーディネイトも、自宅で全身鏡を目の前に試行錯誤していたら何日も過ぎていました(苦笑)。

これだけ個性的なデザインだと、他人からしてみれば否応なしに足元に目がいってしまうと思うんですよ。だって、明らかに変じゃないですか。例えば僕が、夏によく穿く白の短パンの下に黒の網タイツを合わせていたら、思わず見てしまいますよね? ガン見したら失礼? でもなぜ? みたいな……。

これをファッションだと言い切れるあたりが面白くもあり、難攻不落な魔の山に挑戦するかのような気持ちを奮い立たせてくれるんですよね。

正統派(?)でいくなら、イグレシアスみたいな組み合わせもありでしょうけど、赤の靴を選ぶのはさすがに難し過ぎて遭難確実。そんなわけで、僕はベーシックな黒にしました。で、どうせ注目されるんだったら、思い切って見せたほうがいいと思い、足首が露出するくるぶし丈の「ドルチェ&ガッバーナ」のパンツをプラス。

この靴って、極薄のレザーを使っているせいか、足のかたちがモロに出るんですよね。裸足みたいというか、裸(笑)。女性のボディコンと一緒で、体に曲線が出るのって妙にエロいと思いませんか? だから、このコーディネイトでは、あえてここに目が向くようにほかのアイテムは引き算の方向で考えています。

ネイビーカラーの「30/70」のポロニットはシルクカシミア製で、素肌に着るとほんのりボディラインが出るようなシルエット(エロい!)。ドルガバのパンツは、ワタリが若干太めでそこから急激にテーパードするラインが特徴です。素材は100%ウールなのですが、テロンテロンの柔らかな質感がこれまたセクシー。抑制の効いたネイビー×ブラックの組み合わせは、1990年代のジョルジオ アルマーニへのオマージュです。

一見シンプルな組み合わせなんですけど、僕的にはアルマーニ、ドルガバ、フリオ・イグレシアスと、エロスの神のエッセンスをそこかしこにちりばめた最強のスタイル。これが短パンになると、肌の露出は多くなりますが、ちょっとマヌケっぽくなるんですね。首元、手首、足首と肌の露出もほどほどで、柔らかな素材使いで動くたびにふんわりと舞う感じも優雅。ファッション的にかなりギリギリのバランスを保っていると思います(自画自賛)。

ここ最近、というかしばらくの間、エロスのストレートな表現をすると、コンプライアンス的にどうなのよ? という話になって、原稿がボツになることが多かったんですよね。で、封印していたんですが、それもこれもコロナの自粛生活のせいで(!?)ガマンの限界。今回は、遠慮せずに己の本能を全開にしました。

普段なら控えめを基本にしているので、ベルトなんて見せなくてもいいと思っているのですが、カメラチェックでクロコダイルのベルトが見えてなかったので、わざと出したぐらい(失笑)。本当、野暮ギリギリ。このままコロナが続くと自我が崩壊してしまいそうでコワイ……。


今回のスタイルのキモは……。

●ファッションでいうところの“抜け”は、相手に油断させる余白?
●でも完璧じゃない、ちょっとだらしない格好に安心感やエロスは宿るよね。
●ただ、それを計算しているのを見破られたら、最高にカッコ悪い。
●というわけで、これ以外のコーディネイトはいまだ検討中(失笑)。
●新しい生活様式は、無理せず、油断せず、続けることが大切。


Photo: Ikuo Kubota (OWL)
Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba


 

最新刊となる7冊目は、いわゆる”ファッションの本”ではありません。性別問わず、誰しもが気になる人を惹きつける内面の魅力である色気の重要性。ファッション以前の人間的な、大事な部分について迫りました。色気があるとないとでは、仕事だけでなく、遊びや恋愛など、人生でのさまざまな局面が変わってきます。とはいえ、これと言った正解、とらえどころがないのが色気です。

異性を惹きつける性的な魅力が色気なのか? 髪型や体型、メイク、香り、ファッションなど外見をセクシーにすれば色気は出るのか? 肌の露出を高めボディタッチをすれば色気は出るのか? 逆に隠せば色気は出るのか? 雰囲気や仕草、目の表情、声に色気は宿るのか? はたまたダメ男やダメ女に色気はもたらされるのか? 上品な色気と下品な色気の違いとは? 男性が思う女性の色気とは? 女性が感じる男性の色気とは? 「色気力」とはいったい?

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あなたの基本を作り、周囲の人を心地良くさせるコツを紹介します。急速に変化する対人関係の在り方のヒントが満載の一冊です。ありがたいことに発売前から全国からたくさんの問い合わせをいただいております。ぜひ読んでいただけると幸いです。

「色気力」
(集英社文庫)

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【エロサバ】-Hoshipedia

「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。



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