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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
LIFESTYLE 山ちゃんの「洋品天国」

その名もずばり「ズボン堂(本郷菊坂)」で待っていた70年代米国製デッドストック・パンツ!

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長年生きていると洋服に対する考え方もだいぶ変わってくるもので、正直言って「トレンド」とか「モテる」とか、もうど~~~~~でもいいんですよね! なおかつ、売れ線ばかりを揃えた個性のないショップにも、もう飽き飽き。なんつーか今の僕が求めているのは、店主の趣味がほとばしりまくった「濃厚」かつ「偏った」品揃えのお店。分かるヤツだけ分かればいいんです。今や絶滅危惧種になってしまった、そんなショップ……いや「洋品店」を紹介させてくれるってんだから、FORZA STYLEも相当な"変態"ですなあ。それでは早速行ってみましょう!
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どうも。ファッションエディターの山下英介です。
前回ご紹介した「ナミキヤ」さんの大反響に驚くやら嬉しいやら。店主の中嶋さんもたいそうお喜びでした。実はあれからほどなく、道路の拡張工事の影響で移転が決まってしまったのですが、この春には新しい店舗で営業するとのこと。その際には改めて伺ってみたいと思います!

前回の記事はこちら

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というわけで第2回目となる今回は、本郷にある「ズボン堂」というお店をご紹介したいと思います。

ところで、私の好きなTVは『アド街ック天国』。好きな雑誌は『散歩の達人』。休日となるとオールドレンズをつけたライカを手に、本郷や浅草、谷中といった下町をうろうろしている僕ですが、そんな下町散歩の中で出会ったのがこのお店です。

本郷菊坂付近は東京大空襲を奇跡的に免れたエリアでして、戦前の東京を彷彿させる街並みが、実に味わい深いんだよな〜。

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看板を見りゃ一発でわかると思いますが、このお店はズバリ、ズボンの専門店。そのルーツは昭和12年(1937年)に開店した、ズボン専門の仕立て屋「堀江注文ズボン店」にありまして、戦後進駐軍の兵隊がはいていたジーンズを扱うよになったところ、それが大好評。だったらもう既製ズボンの専門店にしちゃえ! というわけで1950年に「ズボン堂」に改名して今に至ります。

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ちなみに2代目店主の堀江治さんに戦前のアーカイブなどは残っているのですか? と聞くと、件の東京大空襲で焼けてしまったとのこと。なんでも、空襲に備えて役所に預けたところ、そっちのほうが被災してしまったのだとか。なんたる運命の悪戯。

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そんな経緯で戦前のものこそ残っていないものの、こちらのウリは何と言っても、リーバイス、リー、そしてファーラーに代表される、アメリカ製のデッドストックの数々にあります。店内に入った瞬間から、ビニール袋に収められたズボンの数々に圧倒されますが、実はそれらは在庫のほんの一部にすぎません。

自社ビル(!)の倉庫に眠るものと合わせると、その在庫はなんと約4000本! 堀江さんはその一本一本を完璧に管理しているのだとか。そう、堀江さんはめちゃくちゃ几帳面な方なのです! それにしても時代を感じさせる什器の数々には圧倒されます。なんたって「リバイス」ですよ、「リバイス」。

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だからこのお店を訪ねる場合、無言でガシャガシャ在庫をひっくり返したりするのはマナー違反。「こんなのほしいんですけど」と堀江さんにお願いすれば、すぐにお目当てを引っ張り出してきてくれるので、焦っちゃダメよ。

「ズボン堂」に限らず、店主の趣味の塊ともいえる洋品店においては、店主こそがルールであり神。我々は黙して神の流儀に従いましょう!

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そんなわけで、今回僕がこのお店を訪ねた目的はフレアパンツにあります。創業70年を超える「ズボン堂」ですが、50〜60年代のリーバイスなどはさすがに今は存在せず、このお店においてもっとも分厚いのが70〜80年代のデッドストック。

ジーンズにおいてもスラックスにおいても、フレアやパイプドステムのシルエットが全盛だった時代ですね。とはいっても、ヒッピーがはいていたような、ベルボトムではありません。すそ幅23〜24㎝で、ちょっとだけフレアして見える、当時の呼び方に倣うなら「ジェントリーフレア」! 要はここだったら、前回「ナミキヤ」で購入したブレザーに、完璧にハマるズボンが買えるのではないかと。

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なかでも僕の目当ては、アメリカのパンツメーカー「ファーラー(FARAH)」です。1920年代に創業したこちらが日本で脚光を集めたのは、1970年代のこと。化繊100%のホップサックや、ダブルニット生地を使った少しフレア気味のパンツが、第二次アイビー世代の若者たちの間で大ヒット! 当時のキャンパスは「ファーラー」のパンツに「フクゾー」とか「シップス」のロゴ入りスウェット、みたいなスタイルであふれていたそうな。うーん、なんとなくクリスタル。

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「ズボン堂」はこちらの在庫をめちゃくちゃ揃えているのですが、お腹の出はじめた中年男の考えることはみな同じようで、僕がはけるようなサイズはほぼ皆無。うーん、どうしようかな?と思案していたところ、堀江さんが提案してくれたのが「ペンドルトン」のパンツです。

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バッファローチェックのマッキーノジャケットなど、アメリカンアウトドアで有名なこのブランドに、センタークリース入りのトラウザースがあったとは、まったくのノーマーク。

38インチがベルトなしではけてしまうという現実に軽い衝撃を受けつつも、最終的には堀江さんが発掘してくれた34インチを試着。ついにイメージ通り、ジャストサイズのフレアパンツが見つかりました。

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あと5㎝ウエストが細かったら、「ファーラー」が買えたのにな……。と心残りはあるものの、とりあえず掘り出し物が見つかったので、まあよしとしよう。

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帰りは明治10年創業の甘味処「ゑちご屋」であんみつを食しながら、荻山さんと反省会。これが下町洋品屋巡りの醍醐味なのです。

動画もぜひご覧ください!

【商品に関する問い合わせ】
ズボン堂
東京都文京区本郷4-29
03-3811-0206
営業時間 10:00〜19:00
定休日 日曜日

Text:Eisuke Yamashita
​Video:Yoshihide Shoshima
Edit:Takashi Ogiyama



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