クロノグラフは数ある時計のなかでも特別な人気のある時計。時計好きにも、クロノグラフがいちばん好き、という方が多いのじゃないでしょうか。
ではクロノグラフの魅力はなにかというと、やはりのその筆頭は、見た目が複雑であるところ。実際、クロノグラフは複雑機構なのですが、そんなことよりダイヤルに並べられたインダイヤルや、何本もの針、細かな目盛り、プッシュボタンなどなどが、見た瞬間に「複雑だ！」と感じさせる。そこが普通の時計とは違う魅力で格好よさなのですね。
そしてもうひとつ、クロノグラフの大きな魅力が、数少ない「操作できる」時計であること。というのも、通常の時計は時間を「見る」だけ。そうですよね。しかしクロノグラフは、時間を自分の好きなところで切り取り、計測することができる。すなわち操作することのできる道具なのですね。で、そこがまさしくクロノグラフの特別なところで格好よさ。そこに時計好きは魅了されてしまうのです。
さて。そんなクロノグラフの新作が2020年も多数登場。ここでご紹介するのは、その選りすぐりの3本です。
ベル＆ロスとショパールは「待ってました」という方が多いでしょう。ブライトリングは古くからのファンには懐かしく、新しいファンには新鮮なデザインが見どころ。と、まぁ、とにかく、どのモデルも大おすすめ。ですので、じっくりとご覧くださいませ。
BELL & ROSS ベル＆ロス
BR 05 クロノ ブラック スティール
自動巻き、SSケース＆ブレスレット、ケース径42mm、100m防水。73万円（税抜）
「BR 05」は、これまでベル＆ロスがフィールドとしてきた「陸」「海」「空」ではなく「都市」をテーマにした、まったく新しいコレクション。ケースとブレスレットを一体化した、いわゆる「ラグジュアリースポーツウォッチ」のスタイルが特徴です。
2019年に中３針でデビュー。そして2020年に、このクロノグラフが登場。ベル＆ロスはクロノグラフの人気が高いため「待望の」といってよいでしょう。スモールセコンドと30分積算計のインダイヤルをケースと同じスクエア型にしたのが洒脱な印象。
また、ケースサイズを中３針の40mmから42mmに拡大したのも印象的。という一方で、中３針で高い評価を得たブレスレットのフィット感のよさはそのまま継承。とにかく着け心地が素晴らしく快いのです。
【問い合わせ】
ベル＆ロス ジャパン
03-5977-7759
BREITLING ブライトリング
クロノマット B01 42 ジャパンエディション
自動巻き、SSケース、ケース径42mm、SSブレスレット、200m防水。89万円（税抜）
現在の「クロノマット」は1983年にイタリア空軍のエアロバティックチームのために開発されたモデルが元祖。その翌年のブライトリングの創業100周年である1984年に「クロノマット」と名付けられ市販化されたのが始まりです。
そして2020年に「クロノマット」が数年ぶりにフルリニューアル。「1980年代のクロノマット」をテーマに1980年代のデザインに回帰したのが特徴です。
その大きなひとつが、ルーローブレスレットが復活したこと。また、回転ベゼルに付くライダータブが復活したのもファンにはうれしいポイント。ケース素材やダイヤルカラーが多数揃えられているのも魅力で、これは日本限定の仕様。通常は赤のクロノグラフ秒針も含め、すべてをモノトーンにしているのが格好いいです。
【問い合わせ】
ブライトリング・ジャパン
0120-105-707
CHOPARD ショパール
アルパイン イーグル XL クロノ
自動巻き、ルーセント スティール A223ケース＆ブレスレット、ケース径44mm、100m防水。220万円（税抜）
「アルパイン イーグル」は2019年にデビューした新コレクション。
共同社長のカール-フリードリッヒ・ショイフレ氏は1980年に弱冠22歳でメゾン初のステンレススティールケースモデル「サンモリッツ」を発表。その「サンモリッツ」を40年後のあるとき、息子のカール-フリッツ氏が父親のデスクで発見。祖父で会長のカール氏の力を借りて現代に蘇らせたのが「アルパイン イーグル」。
という、ショイフレ家の3代にわたる物語が詰まっているのが、大きな魅力です。
そして2020年に、このクロノグラフが新登場。３つの特許を取得したフライバック機構付きクロノグラフムーブメントを搭載。ファーストモデルの中3針の41mm径から44mm径に拡大され、よりスポーティーな印象になったのも注目点です。
【問い合わせ】
ショパール ジャパン プレス
03-5524-8922
BELL & ROSS ベル＆ロス BR 05 クロノ ブラック スティール／自動巻き、SSケース＆ブレスレット、ケース径42mm、100m防水。73万円（税抜）
Text：Yutaka Fukuda
