19世紀の貴族が愛した麗しきレザーグッズ
第319回は、エス・テー・デュポンのレザーグッズです。
“ピーン”という美しい音を奏でるライターでお馴染みの「エス・テー・デュポン」。定番のライターはもちろん007のコラボなど、FORZAでも数々ご紹介してきましたがまだまだ紹介したい名作ばかり。そこで今回は紳士に相応しい、エス・テー・デュポンの傑作をお届けします。
同ブランドと言えばライターのイメージが強いですが、実はトラベルケースやバッグといったレザーグッズの工房としてスタートしていたのをご存知でしょうか。
創業は1872年、上品な革小物の数々はナポレオン3世と皇后ウジェニーをはじめとする、多くの貴族に親しまれてきました。それから顧客の依頼によってライターやペンを製作し、新展開を始めるほどに人気を獲得。今やラグジュアリーな紳士の必携ブランドの一つであります。
そんな同ブランドの鉄板レザーグッズが、「ラインD ソフトダイヤモンドグレインド」シリーズ。最大の特徴は、1929年に開発したダイヤモンド・パウダーを革のなめしの段階で加える製法。耐久性を高めるとともに、レザーの見た目や質感がグッとエレガントに仕上がります。こちらのクラッチバッグの艶感を見ればお分かりいただけるかと。
ダークグレーグレインドレザーを採用し、他にはないワンランク上の上品さを演出。メインの室内はポケットを二つ配し、サイドにはフラップポケットをあしらい収納力も抜群。衝撃吸収するクッションパッド入りなので、スマホやiPadなどのデジタルデバイスも安心して携帯できます。
1953年に、職人の熟練した漆塗りの技術で製作された「アトリエ」シリーズ。かのパブロ・ピカソが愛用したことでも知られていますが、本作はその技法をもとに復刻した「ラインD アトリエ ボールペン」です。ナチュラルラッカーを何度も重ねて構築した繊細なカラーが、実に優雅。スーツの胸ポケットに刺すだけで、一気に格が上がります。
紳士の身だしなみに欠かせないカフリンクスもラインナップ。これまでエス・テー・デュポンが培ってきたメタルワークやラッカー技術を結集させた逸品で、こちらはマザー・オブ・パールを採用。タキシードの袖から覗くパールの輝きが大人のエレガンスを提供します。
こうした紳士に相応しい小物をワンブランドで揃えられるのも嬉しい限り。ブランドミックスとはまた違ったリュクスなこなれ感を演出してみてはいかが。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Hayato Hosoya
【問い合わせ】
エス・テー・デュポン 銀座ブティック
03-3575-0460
www.st-dupont.jp