愛煙家たるもの、ライター選びにもこだわりを
昨今、愛煙家には少々、いえ随分と肩身の狭い世の中になりました。確かに健康に良いものではありませんが、たばこだって立派な文化。ウインストン・チャーチルの英断も開高健の名文も、たばこやシガー無くしてはなかったかも知れません。名門ブランドがライターを作るのも、まさしくその証です。
仕事での休憩中に一服するだけなら100円ライターでも構いませんが、もし接待の席やパーティでたばこやシガーを嗜むシーンがあった時、それではやはり格好がつきません。このライターでのクラス感演出は、実は印象作りに結構お役立ちなんです。スーツやシューズ、時計を控えめな印象でまとめている人でも、いざたばこを吸うシーンでは一家言ありそうなライターを手にする。常時露出する時計と違って、趣味性を高めたセレクトを楽しんでも許容されるライターは、つまりギャップを演出するのに有効ってことです。
もちろん、ライターに注目してもらうには、それなりに格好のつくシーンが必要。だから、妙齢の愛煙家たるもの、洒落たシガーバーの一軒や二軒知っておくことも大切です。
S.T. Dupont エス・テー・デュポン
高級ライターの代名詞にして憧れの存在
蓋をオープンした際に鳴る、キンッという甲高い金属音。それだけで、エス・テー・デュポンのライターだとわからせるほど、「ライン2」は名作と呼べる存在です。それより少し大きい「ル・グラン エス・テー・デュポン」はダブルフレームからトーチフレームへと炎の切り替えが可能。「ライン2」と並んでメゾンを代表するラグジュアリーライターです。左は全面にダイヤモンドヘッドモチーフ、右はパラディウム仕上げとナチュラルラッカーのコンビ。華やかなパーティーに持ってゆくなら、問答無用でこれです。
CARAN d'ACHE カランダッシュ
ペン作りで培った、精密な金属加工技術の賜物
1915年にスイス・ジュネーブで創業した、老舗筆記具ブランド。完全金属製のメカニカルペンが有名ですが、その技術を投入したライター作りにおいても、ここは名高いんです。こちらは最上級モデルとなるCD20シリーズ。フリント着火式のガスライターで、メタルの輝きが実に美しいです。
Cartier カルティエ
シガーの所作は吸う前からはじまってます
吸い心地を左右するカットは、シガーを嗜む上で重要な行程。ならば、シガーカッターそのものにも、こだわりを持つべきでしょう。ブラッシュドフィニッシュされたパラジウムに、ゴールドフィニッシュされたスクリューモチーフがアクセントに。いわゆるギロチン式で、多くのシガーサイズに対応できます。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Model : Isao Takahashi(FORZAR)
Text:Masafumi Yasuoka
【問い合わせ】
エス・テー・デュポン 銀座ブティック 03-3575-0460
https://www.st-dupont.jp
ウインドミル 03-3833-5701
https://windmill.co.jp/portfolio/caran-dche/
カルティエ カスタマー サービスセンター 0120-301-757
https://www.cartier.jp/
デザインワークス 銀座 03-3573-6210