アラサー女子の昭和居酒屋備忘録、今回の乾杯のお相手は、前職時代に出会った、CM・MVやイベント映像を手掛ける制作会社の敏腕プロデューサー西村大気さんです。
機械好きでトータルバランス重視の生粋のバイク・中古車愛好家! 同世代ですが、マインドはおじさまです(笑)。ハードスケジュールな彼と1年ぶりに再会するために、選んだお店は、彼の会社から近くでありながら、人混みの喧騒から離れていてゆったりと呑める空間を求めて♡ 2014年12月にオープンしたこちらの「牛泥棒」です。
牛の希少部位を含む一腹単位で仕入れしており、霜降りや赤身、新鮮なホルモンまで豊富なラインナップの串焼が楽しめます。恵比寿三丁目の交差点から白金高輪方面へ向かう北里商店街にあり、大正12年築の建物をリノベーションされたお店。もともとは自動車の整備工場だった場所なのです!
明るい1階のカウンター席と、趣ある2階の隠れ家的なBARが併設されていて、お食事後に「呑み足りない」「もっと一緒にいたいなぁ♡」という時にご利用できます(1階で予約可能)。
大正時代に建てられた長屋の作りや柱、梁を生かしながら魅力的な店舗へとリノベーションされていて、外観のイメージを踏襲した店内は、懐かしさを感じさせるレトロモダンなテイスト。屋根と柱は大正時代のままで、築100年の歴史があります。
6年程前、私は受付業務をしておりお客様の駐車場へのお迎え、お見送りをしてました。当時からレトロカーに憧れてたのですが、ある時現れた黄色いレトロカーに乗った若者。どことなく、おじさまにも感じる貫禄、、ただものでない。何なのだこの方は。怖い……と感じ記憶の片隅にありました。
そして、去年たまたま仕事中にばったり再会。
最初は気がつかず、目があった瞬間「イケメン怖い!」と思ったら西村君。プライベートがズタボロだった私の心は救われたのです。
すでに新しい車に乗り換えられていた素敵な彼に、レトロカーの話を教えてもらい、あれこれ調べていたところ編集オギーさんの「中年と中古車」のコンテンツを発見したのでした。
西村君は、学生時代に中目黒のBARで働いていたところ、会社の方にスカウトされ、映像業界でバリバリ働くことに。お育ちがクリエイティブご一家なので、同じ業種ではなく反対にスーツを着て働くような業種に就職しようと考えた事もあったのですが、私服で自由に働けるこの業界を選ばれたそうです。
今では中堅世代になり更に責任が増え、自分の判断で仕事をコントロール出来る事にやりがいを感じるとおっしゃっていました。
まずはビールで乾杯♡ 白穂乃花(しろほのか)グラス 700円(税抜)。「白穂乃香」は“無濾過”の樽生ビールです。一般的なビールと違い、活きた酵母をそのまま残しているため徹底した品質管理が必要となり、缶や瓶で飲めません。その為、メーカーと契約を締結した厳選されたお店でしか飲めないのです♡ コクがあるのにさわやかな味!
生でバリバリ美味しい小松菜サラダ(ハーフ) 680円(税抜)。小松菜の根っこがとても美味しい♡
和牛ザブトンの炙り刺 1500円(税抜)は、生胡椒とお塩を添えて、お肉そのものの味わいを噛み締めます。タレで食べても、もちろん絶品!
和牛の田舎風パテ 980円(税抜)は、ワインのお供につまみたくなる一品! マスタードが効いてます。ついボトルを開けたくなりましたが、仕事に戻る彼の為我慢……。
ビビンバ風納豆ばくだん 680円(税抜)は、口が納豆くさくなっても、気にせず一緒に食べれる幸せ♡
2杯目からはハイボールを! 白洲ハイボール 1000円(税抜)です。
ドキドキする気持ちを、ぐっと飲み込むために何杯もおかわりしちゃいます。呑み足りないなぁ……汗。丁寧に薄くスライスされたレモンがすっきりと美味しい。
西村君の愛車の話となりました。まずは ISUZUベレット1600GT。もともと機械(ネジやボルト)が好きで、どのように出来ているのか機能を観察し、直す事に興味があり、自分で手に入る事が出来る動くツールとして、バイク・車の乗り物が趣味なのだそうです。
なかでもエンジンに興味があり、6気筒の水平対向エンジンが昔からすごく好きなのだとか。
偶数のエンジンだと排気が2個かぶってしまうのだが、6気筒だと奇数で排気効率・バランスが良く、エンジンの駆動に対して動きがリニアで、排気と吸気のバランスが良い。工業製品として作りがわかるのが楽しくて、人が考えて乗り心地重視にするためにあえて6気筒になっているものに愛を感じるらしいです。
昔の車の方が機械が見えているから、すごくセクシーさを感じるとのこと。ファッションの一部として乗り物が好きなのではなく、古い車が好きな一番の理由は、どこが壊れたか分かった上で、自分が手を入れたことによりどんどんアップデートしていくのがわかり、性能が良くなる事が楽しいからとのこと。
購入時より燃費・走りが良くなっていく事に愛着が湧き、直す時間も好きだが、あえて利便性を考えていない燃費の悪い車がお好きのようです。
そして乗り物に乗っている時は他人から見られる自分ではなく、素の自分に戻れる大切な時間であり、いかに没頭して目的地に向かって操作する事が醍醐味のようです。
こちらはBMW R100RS。以前はオーストリアのKTMのバイク(マルチパーパス系のバイク)に乗っていたそうなのですが、今は大好きな水平対向エンジンの「BMW R100RS」に。
エンジンの出せる性能に対して完全なバランスのボディで作られているので、いつどこで、どのスピードを出してもストレスがなく、計算された作りに毎回感銘を受けるとのこと。これに乗ってから、トータルバランスの良さを実感し、他のバイクに乗れなくなってしまったようです。
疲れず、スピードを出していかに遠くまで行けるかを重視しており、移動するガジェットとしてバイクがお好きのようです。いつかエンジンだけ買ってバイクを自分で作ってみたいと思っているそうですが、パワーや見た目のバランスが偏ってしまうだろうから難しいと、躊躇されていました。
これが私が見た黄色い子、かつての愛車ダイハツ フェローMAXです。社会人2年目で購入した車! ただ、1年半くらいで乗り換えたそうです。
そして、そろそろメインの牛串を。お肉よりお魚を食べる事が増えたお年頃。。でも今日はお肉を食べたい! ガッツリと!
まず注文したのは、おまかせ串コース5本(特選雌牛、特上・各1本/ホルモン・2本/野菜・1本)] 2000円(税抜)。赤みが好きという事でお願いして、オーダの中に入れて頂きました。ちなみに、内容・本数等はお気軽にご相談出来ます!
こちらは希少部位のらんぼす。ランプの脇についている数百グラムしか数が取れない希少部位の為、メニューに載せていないお店もあるのだそう。赤みなのに脂っぽくなくて美味しい〜!!
シマチョウも。ぷるぷるで、唇が潤います。
淡路島産のタマネギはあまくて、中休みには最高の一本。
山葵とマスタードを添えたカイノミで締め! 最初の一本目、特上タンの串焼きは、お肉を頬張る彼に見惚れてしまい写真を撮り忘れてしまいました……涙。
お食事を一通り終えた後は、2階のbar「BAR トナリ」でしっぽりと。なかなか飲み歩きづらいご時世ではありますが、大切な方とのひと時に是非皆さまもいかがでしょうか? 自分にはない世界観や感覚を持ってる方との出会いは、幸せですね。
まだ見ぬ世界・別の道へと走り抜けていく彼の人生を影ながら応援しつつ、嗚呼私はまたひとりぼっち……。千鳥足でまだ見ぬ酒場を放浪します。今宵もそろそろおいとまです。
牛泥棒 (うしどろぼう)
東京都港区白金5-10-12 1F
白金台駅から755m
営業時間:18:00〜
不定休
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
西村大気さん
CMやMV、イベント等幅広い映像案件に携わることでスキルアップを図りプロデューサーとして活躍。CG・モーショングラフィックスが絡む案件を得意とされている。https://www.pics.tokyo/member/taiki-nishimura/
Photo&Text:Misaki Kobayashi
Edit:Takashi Ogiyama