おじさまを求めて昭和な居酒屋へ
すっかり秋めいてきた今日この頃。ひとりドライブ帰りに赤提灯が横目に入ってきたのです。「おっ」と思ったのですが、運転中のため、後ろ髪を引かれながら立ち寄れずにいたのでした……。
後日、そのあたりをお散歩していると、現れた赤提灯! 運命を感じずにはいられない、そのお店の名は「大衆割烹えびす」。
こちらは、裏渋谷とでもいいましょうか。地名は本町ですが、いわゆる渋谷のキラキラとした喧騒とは無縁。東京オペラシティのそばにある、どことなく下町風情を感じさせる創業32年になる大衆割烹です。
暖簾をくぐれば、アットホームの店内。
カウンターには漫画もたくさんありますから、ひとり吞みに最高。2階は御座敷席でお立ち台もあり、広いフロアになっています。
まずは乾燥した季節ですので、生ビール(¥640)で喉を潤します♡
あてに、ピリ辛こんにゃく¥440、バクライ(ホヤとこのわた(ナマコの腸))の塩辛¥570を。
続いて、これまた秋なので、日本酒が呑みたくて、ひやおろし〜♡
オーダーしたのは、「純米酒 越後のひやおろし 季節限定(一合)」¥880なり。
テーブル席がさみしかったので、わがままをいってカウンター席に移動させていただきました〜。やっぱり、カウンターの端っこは落ち着きます。そしてだんだん店内は混み合ってきました。新銀杏¥600がなんとも秋ですね。
魚介類も絶品です。黒バイ貝¥810、平目昆布締め(特別にハーフサイズ)¥440、鮭ハラス¥570で、お口の中が秋でいっぱい。
お隣にいらしたおじさま、少しこわもてで、おひとりの時間を嗜まれていたのですが、通称‟えびすのアニキ”と今宵はお話させていただきました。えびすのアニキは、数十年こちらに通われており、同級生の方も常連さんです。常連さんは、みなさんマイ箸があるそうです。
日本酒を頂きながら、人生のお話をたくさん。
「幸せは失ってから気付く」
「初心に帰る心」
「何げない言葉もLINEやメールではなく、直接相手に伝える大切さ」
「人はそれぞれ抱えているものがありながら、人生を謳歌するもんだ」
なんとも熱い気持ちがこみ上げてきました涙。
こんな私には、映画『グリース』を是非観た方が良いと、おすすめして頂きました。
そして、アニキ専用の濃ゆいお酒で、メニューにはない、元祖ホッピーを特別に私も注文させて頂きました〜。やったー♡
基本スタイル「3冷」のホッピーをベースに。味も炭酸も薄まってしまうので、氷を入れずホッピー・焼酎・ジョッキの3つをよく冷やして飲む、昭和40年後半ごろ発案された飲み方です♡
アニキ専用で濃さ増し増し。もう酔っ払って髪の毛もみだれてしまいした。
たくさん熱いお話させていただき、お腹も心も満たされていたのですが、アニキが召し上がっていて美味しそうだったので〆のお食事を私も頼んじゃいました!
焼うどん¥690。
「必要なご縁は、必ず残る」とかみしめながら、うどんをすすり、気づけば完食。
あらためて、わたしにとって酒場は、まほろばです。アニキの背中についていきたいと思った今宵でした♡
変わりゆく、渋谷の縁に、心のオアシス見つけたり。
えびす
東京都渋谷区本町2-14-2
☎03-3378-1427
営業時間 16:00〜3:00(L.O.手料理2:00、ドリンク2:30)
日曜営業
定休日 水曜日
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
Photo&Text:Misaki Kobayashi
Edit:Takashi Ogiyama