1996年製とは思えない! 今でも綺麗なママのギャルソンのダッフルコート
さて、190回目はノスタルジーの塊、なんとも懐かしい「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS)」のダッフルコートです。
来月の#服魂がコートということなので、まだコートを着るほどの寒さではありませんが、乗っかっておこうと思います。
これは有名な話ですが、コム デ ギャルソンの品質表示タグには、その服が世に送り出されたシーズンの記載と、縫製責任者の印鑑が押してあるんです。
このコートは AD1996とありますから、1996年製で 24年前。僕がめでたく20歳を迎えた年の秋冬コレクションの商品です。相当に古い!
確か、「伝統を遊ぶ」というシーズンテーマで、ベースはクラシックながら、ユニオンジャックやアーガイルの柄で遊んだりし、モデルにもザ・フーのピート・タウンゼンドや、シャム69のジミー・パーシーが登場するなど、どことなくパンクやモッズっぽさを連想させるシーズンでした。
これ以前の「SLEEP」というテーマで諸事情により販売中止にまでなった1995年秋冬や、「OFFBEAT HUMOR」がテーマで縮絨させた服を登場させた1994年秋冬は、興味がありつつも新品では なかなか手が届かず…、おそらくこのコートが 本格的に「コム デ ギャルソン・オム プリュス」を店頭で買って、その後ドップリとハマっていくきっかけになったアイテムだったと思います。
たしか 11万円だったんですが、クリスマスでお金を使い果たしたかで 手持ちが全然なく…、1万円だけ内金を入れて 期限ギリギリまでにお金を掻き集めて受け取りに行ったんだと思います。
その辺のお話は、YouTubeでも話してますね。
買うときは、「欲しいけど…、なんてことはないデザインのダッフルコートで10万超えだし。グローバーオールやチベットなんかに比べたら 高い買い物だなぁ」なんて思ったんですが、24年後の現在も全然傷むことなく着られてるんですから、逆に安い買い物でしたね。
メルトンも上質ですし、縫製も丁寧で まったく飛んだりしてない。
しかも、この頃のダッフルってたっぷりと大きいものばかりで、どうしてもイケてない浪人生みたいに見えてしまうことが多かったんですが、店頭で話を聞いたところ、このコートはシャツのパターンをベースに作っているらしく、コンパクトでシュッとしてる。
インナーに色々と着込むことはできませんが、メルトンの目が詰まっているので暖かく、かなり重宝してくれたのを覚えています。エルメスのダッフルコートを手に入れるまでは…。
そうか! 我が家の服が長持ちするのは、持ってるのに同じようなアイテムを買い足すことでローテーションが開くから、使用頻度が減ってるだけなんですね。納得。
でも、そのおかげで捨てたり手放したりもせず、ずっと良い状態で手元に残せていて、24年前に買った想い出も褪せることなく覚えているんだから、無駄にはなっていないのかな。
おそらくですが、これも手放すことなく、10年後も20年後も手元にあり、 たまに袖を通してノスタルジーに浸るんだと思います。
そのとき隣に当時の彼女がいたら、新しい何かが始まったりするんでしょうか? いや、時間の流れは残酷だから、厳しい現実に押し潰されるでしょうね(笑)
Photo:Shimpei Suzuki(item)
Edit:Ryutaro Yanaka