そこらのカシミアニットとはこだわりと仕立ての良さが段違い
第293回は、マロのニットです。
1970年頃、カシミアと言えばスコットランド製が定番。地厚で味わいのある素材感が特徴で、気候や土地の特性によるものだそう。そんな当時のカシミアのイメージを覆し、“カシミア=極上に柔らかい贅沢な素材” に押し上げたのが、イタリア製カシミア。1972年創業の「マロ」は、創業からメイド・イン・イタリアにこだわり、上述のパブリックイメージを作った立役者的ブランドであります。
イタリア・フィレンツェで生まれたニットブランド。創業から40年を超えた今でもなお、イタリアの職人による自社生産を貫き続け、中でもカシミアを使ったニットはマロの鉄板。今ではブランドの顔とされ、世界中のニット愛好家を魅了し続けています。主に使用するカシミアは、極上の柔らかさを誇るモンゴル高原の山羊。しかも、そこからさらに上質な部分のみを厳選し切り取るこだわりよう。その代表モデルでありベストセラーが、定番のクルーネックニットです。
選りすぐりの上質なカシミアを100%使用した贅沢な逸品は、繊維が長くて細いため、とろけるような肌触りが特徴。その上さらなる着心地の良さを追求するべく、高度な作業技術を要するリンキング処理を行い、縫代のない美しい見た目と伸縮性に富んだ心地よいニットに昇華しています。
編み目の細かい21ゲージのハイゲージニットは、エレガントでありながらクールな印象も与えるので、デキる大人の演出にもってこい。抜群の保温性を持つため、寒い冬でも過度なレイヤードが必要なし、ミニマルにこなれ感のあるお洒落を楽しめます。
よりふんわりとしたタッチのミドルゲージニット。7ゲージのざっくりとした仕立ては、同じ素材を使った上のハイゲージと比べても、そのルックスは全く別物。ローゲージよりほっこりしすぎず、ハイゲージよりセクシー。上品な色気を醸し出すならこちらがイチ押しです。
程よく抜け感を演出するなら、ヘンリーネック型のこちらがオススメ。ホワイト、ブラウン、グレーのトリコロールが印象的であるものの、派手すぎないから大人の攻めコーデにはちょうどいい。こうした好バランスな色使いやデザインも、同ブランドが愛される理由のひとつです。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Hayato Hosoya
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