すべての寄港地で無料の観光が選べて、船内での飲食も基本的に追加料金は不要──というまさに夢のような“オールインクルーシブ制”を導入した「リージェント セブンシーズ クルーズ」の新造船『セブンシーズ スプレンダー』がついに就航。2月6日にバルセロナを出航してマイアミまでの処女航海を迎える。
オーシャニア クルーズ&リージェント セブンシーズ クルーズのアジア太平洋地区シニア・ヴァイスプレジデント兼マネージング・ダイレクターであるスティーブ・オデル(Steve Odell)氏に、クルーズの最新事情と船旅の魅力をうかがった。
オーシャニア クルーズとリージェント セブンシーズ クルーズのカタログ
自分のスタイルを知る富裕層は最初からラグジュアリー船に乗る
オーストラリアの植物をモチーフにした素敵なネクタイを締めるスティーブ・オデル氏は今年60歳を迎えるが、クルーズ業界暦35年という業界を知り尽くしているキーパーソンの一人。世界3位の規模を誇るクルーズ会社のノルウェージャンクルーズライン・ホールディングスに属している。
──ノルウェージャンクルーズライン・ホールディングスについて教えてください。
スティーブ 私は2015年にノルウェージャンクルーズライン・ホールディングスのアジア太平洋地区オフィス立ち上げに際して、同地域でクルーズライン3ブランドを担当するポストに着任。昨年10月に「オーシャニア クルーズ」と「リージェント セブンシーズ クルーズ」のアジア太平洋地区マネージング・ダイレクターとして両ブランドの戦略拡張の責任者に就きました。
──「オーシャニア クルーズ」と「リージェント セブンシーズ クルーズ」の違いを教えてください。
スティーブ 「オーシャニア クルーズ」は中型豪華客船によるプレミアムラグジュアリー、「リージェント セブンシーズ クルーズ」は究極のホスピタリティで、一つ上の次元の旅を演出するウルトララグジュアリーという位置づけです。もう一つの「ノルウェージャンクルーズライン」は大型船によるコンテンポラリーで、フリースタイルな船旅が愉しめます。
──ターゲットが見事に重ならないのですね。スティーブさんは今のアジア・日本の経済状況をどう見ていますか?
スティーブ 経済状況の指標や見方はいろいろありますが、日本人は旅行が好きで、いわゆる“クルーズ世代”は安定していて徐々に伸びています。東南アジアではタイ、マレーシア、フィリピンなどの富裕層が増えていますね。アジアの旅行客は堅調に増えていると思います。
──スティーブさんには3年ほど前にインタビューしていますが、3年前とクルーズ業界は変わっていますか?
スティーブ クルーズ業界はより成熟してきて、カジュアル船からラグジュアリーシップへの高級志向は明らかです。船旅の楽しさを知ったお客様がリピーターになり、高付加価値を求めるようになってきています。また、自分のスタイルを知っている富裕層は最初からラグジュアリーシップに乗るようになっていますね。
『セブンシーズ スプレンダー』のラ ベランダ&ラ ベランダのセッテ マーリ、水面に張り出すアンコーブシーティング
2月6日、最高級の新造船『セブンシーズ スプレンダー』がデビュー!
──そういう極上の船旅を求める人たちに向けた新造船がついに就航しますね。
スティーブ 新造船の『セブンシーズ スプレンダー』は、スペシャリティレストランでの食事、自室内のミニバーの利用、シャンパンやプレミアムスピリッツ、寄港地のミニツアーから「船内での支払いが一切なし!」で、すべてツアー料金に含まれた、究極の“オールインクルーシブ制”です。
──船内では財布もカードもいらないのは楽だし安心ですね。
スティーブ それは、ツアーというより、プライベート船に乗っているかのよう感覚です。特に最高級スイートをご利用のお客様は、寄港地でドライバー付きの観光が楽しめます。それもインクルーシブです。
──『セブンシーズ スプレンダー』のリージェント スイートは素晴らしいと聞いています。
スティーブ リージェント スイートは、大きなベランダを含めて400平米を超える専有面積で、室内にはクルーズ業界で唯一の専用スパがあります。リビングにはスタンウェイ社特注ピアノがあり、寝室にはスウェーデンのヘスティン社が手がけた2000万円以上のベッドがあります。
『セブンシーズ スプレンダー』のリージェント スイートのリビングルーム
『セブンシーズ スプレンダー』のリージェント スイートのベッドルーム
トータルで考えると安全でお得な船旅の魅力を改めてアピール
──「オーシャニア クルーズ」と「リージェント セブンシーズ クルーズ」の客層の違いを教えてください。
スティーブ 「オーシャニア クルーズ」はロングクルーズが多いので、リタイアした人の乗船が多く、あくまで平均年齢ですが64歳ほど、「リージェント セブンシーズ クルーズ」は7日間程度のショートクルーズもあるので、私ぐらいの現役世代のバカンスの方が多いです。
──スティーブさんに改めてお聞きしますが、船旅の魅力を教えてください。
スティーブ バカンス、特に海外旅行だと、飛行機に乗って、現地でレンタカーを借りて運転して、レストランを探して、家族のショッピングに付き合ってと、お父さんは旅行に行ってかえって疲れるという方も大勢いると思います。クルーズの旅は船に乗って、部屋で荷をほどけば、船がいろんなところに連れて行ってくれて、レストランのアレンジなどの心配もなく、観光やエンターテインメントが楽しめて、心から寛ぐことができます。トータルで考えると安全でお得ですね。
──日本人には、「船旅はリタイアした後」というイメージがあります。
スティーブ ぜひ働き盛りのFORZA STYLE世代、40代のビジネスマンにもクルーズの旅を楽しんでほしいですね。忙しい毎日でしょうから、休日は船に委ねてみてください。解放感は格別だと思います。7日間ほどのクルーズならキャンペーン料金などを上手に利用していただき、夏休み期間は日本人スタッフが乗船しますので、お子様連れでも安心です。
──スティーブさんの“旅のお供”は何ですか?
スティーブ アリシア・キーズはご存知ですか? アメリカのシンガーソングライターで女優さんですが、日本でもコンサートに行ったことがあります。R&Bが好きなので、このBOSEのワイヤレスオーディオサングラスとスマホと共に旅をします。
BOSE初のオーディオサングラスは、BOSEの技術で超小型化されたスピーカーにより、周囲を気にすることなく、臨場感あふれる豊かなサウンドが楽しめる。
干場編集長にオススメのクルーズは!?
──FORZA STYLEの干場編集長はクルーズ好きで知られていますが、お薦めのツアーを教えてください。
スティーブ 干場さんは船旅にお詳しいですからね。オーシャニアにもリージェントにも乗船されています。「リージェント セブンシーズ クルーズ」からお薦めを選ぶなら、7月のコペンハーゲンからアイスランドのレイキャビク18日間、8月のレイキャビクからオスロ12日間はいかがでしょう。あと、9月にイスタンブールからアテネ8日間というのもお薦めです。
──お薦めの理由は?
スティーブ それぞれベストシーズンで、美しいヨーロッパが楽しめます。また、クルーズ船でしか行けない場所もあって、イスタンブールからアテネは特にエキゾチックです。航路に関しては政情が安定している国を巡ります。平和だから船の旅が楽しめるのです。
──では、休暇の取り方が下手な日本人へメッセージを。
スティーブ 船は旅の原点です。乗っているだけで楽しめて、とてもリラックスすることができます。好きなときに好きなことができる船上での幸せを感じてください。
text:Makoto KAJII
photos(Mr.Odell):Takaaki INOUE
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