相方の中年Aことオギー(別名C3-PO)が停車。困った困った。
事件発生。ポンコツが来ねぇよ~(滝汗)
そんな折に編集部の栗Pから「オモシロイOBと知り合いました」との一報が。どうやらその方とは、週刊現代繋がりの先輩後輩の間柄となるらしい。さらに聞いていくと「ベストカーってあるでしょ。アレ作った人なんすよ~」と続けます。
ももも、もしや? なんとその人物とは、ワタシが10代のハナタレの頃にゴハンをごちそうになった正岡局長(当時)ではないか!
今回の特別ゲストはベストカーOBの正岡貞雄さんです
思い起こせば週刊誌サイズの中綴じ自動車雑誌って、ベストカーが先駆けだったような気がします。斬新な切り口と他誌では読めない執筆陣とテスターたち。もう夢中で読んでいましたし、発売日が待てず、編集部を訪ね直に購入したこともあります(2日早く買える)。
で、真っ先に読み始めるのは、じつは特集の巻頭グラビアではなく、主筆だった徳大寺有恒さんのコラム「俺と疾れ!!」であります。小学生時代をスーパーカーで脳内パンパンにしていたガキには衝撃的と申しましょうか、時にリアルに、そして熱く自動車を語る氏の文章にのめり込んでしまいました。
ウン十年ぶりに再会した正岡さんは、ワタシを10代のハナタレ小僧に戻してくれます。そして、『徳大寺有恒』誕生秘話など、当時の舞台裏を語ってくれました。創刊から共に歩んだいわば戦友のお二人でしたから、徳大寺さんは「あなたの葬儀委員長はわたしに任せなさい」と、正岡さんにいっていたそうです。
左から、徳大寺有恒さん、黒沢元治さん、正岡局長
氏と親しい方は、「ありつね」ではなく「ゆうこう」、あるいは本名の「すぎえ」と呼んでいたそうです。先生だ、巨匠だと持ち上げられた『徳大寺有恒』というブランド。しかし、もう雲の上ではなく、地に足をつけて、自動車好きの良き兄貴として、クルマ談義に加わってもらう時期じゃないでしょうか。
中古車としてはちょっとお高いポルシェ356シリーズ
今回取り上げる中古車は、徳大寺さんが大好きだったポルシェから、同社初の市販プロダクトカーである『ポルシェ356』にしました。この記念すべきモデルは1948年に誕生し、進化を遂げながら1965年まで生産。ボディ形状は、カブリオレ、スピードスター、ロードスターの3タイプ。
動画に登場するのは1959年式の356Aというモデルで、シリーズ最初の大掛かりなマイナーチェンジが行なわれたモデルの最終年度型です。この356Aの特徴は、初期モデルでは2分割式だったフロントガラスが1枚モノの湾曲したガラスに変更されていること。
356Aシリーズに搭載されるエンジンは空冷の水平対向4気筒で、排気量は1.3~1.6リッターまであります。911同様にエンジンをリアに搭載するRR車なので、なんとか後部座席のスペースが確保されています。無論、広くはありませんが、後方に空間があることで乗員をリラックスさせてくれる効果があります。そして、ちょっと荷物を置くにも便利。
ちなみにこの個体は、ファクトリーリビルトの1.6リッターエンジンを搭載し75psの出力を得ています(ノーマルは60psです)。さらに裏を明かせば、このクルマは徳大寺さんの番記者だった宇井弘明さんの愛車で、1975年に中古車として購入したものです。
徳大寺さんの番記者を努めた宇井さんと3人でドライブ
中年軍団を載せたポルシェ356Aは、トコトコと、氏の書斎のあった世田谷区岡本周辺を走ります。無論、車内はひとりの自動車を愛した男の話です。中年の会話は途切れること知らず、60年の時を経てポルシェ356Aは今なお快適なドライブをもたらします。
徳大寺さんが好きだった岡本の『かつ久』でヒレカツを注文
ロケの最後はお腹を満たして中年の笑顔でシメます
356欲しいっス!手放すときはお声掛け願いますby中年B
ポルシェ好きだった徳大寺さんの原稿も掲載
Text by 中年B(R2-D2)
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