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FASHION 赤峰塾!間違いだらけの洋服選び

ドクトルと若菜さおり社長がこよなく愛する“イタリア”の魅力

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ジェントルマン道を極めるドクトル赤峰とファッション界のレジェンドたちが、イマドキファッションの風潮やヤワな着こなし、ガッカリスタイルなどをスパッと一刀両断! 男として、あるいは女として、「清く、正しく、美しく」生きるために必要な服装術や、服を着ることの意味・意義をストレートに語り尽くします。

昨年4月に代表取締役に就任した若菜さんに会いに行く

今回は、カタログ・DMなどの印刷メディアと直営店、そしてオンラインショップを加えた3つの柱を中心にビジネスを展開しているライトアップショッピングクラブ執行役員社長の若菜さおりさんにご登場いただきます。

ライトアップショッピングクラブは、1971年に当時のCBS・ソニーレコードのグループ企業として設立し、レコードやカセットの通信販売からスタートしましたが、欧米の輸入雑貨や家庭用品、衣料品を手がけるようになり、当時は珍しかったイタリア製の生活雑貨や洋服も多数扱っていました。

カタログの巻頭「イタリア特集」の監修が赤峰さん

若菜 今日は赤峰さんに絶対お見せしたくて、1989年発行の弊社のカタログ「ベストバイガイド」を持って来ました。

赤峰 これはこれは懐かしい。30年前ですか。今見るとものすごく分厚いですね。

若菜 当時は講談社さんが出していた『世界の一流品大図鑑』がとても人気で、この「ベストバイガイド」もお客さまから「厚くて重くて、郵便受けが壊れた」というクレームをいただきました(笑)。

赤峰 若菜さんは何年入社ですか。

若菜 私は1989年(平成元年)入社で、1年間、当時あったライトアップ銀座店で販売を経験し、赤峰さんのブランド「グレンオーヴァー」もそこで初めて知りました。この90年度版の「ベストバイガイド」の巻頭企画イタリア特集の監修が赤峰さんで、私はイタリアが大好きだったので、食い入るように読みました。

赤峰 当時のCBS・ソニーファミリークラブにイタリアが大好きな知り合いがいて、「イタリア特集をやりましょう!」と、ミラノ、フィレンツェ、ローマ、ナポリの各都市と、1930~60年代ぐらいのスタイルと食べものなども交えた特集をしました。

若菜 この号の後でも、海外映画のスタイルの特集などもされていましたね。よく見ていました。

赤峰 そうですね。ダスターコートを使った着こなしなど懐かしいです。

赤峰さんは「スタイルを熟知するマエストロ」

若菜 赤峰さんに初めてお目にかかったのは入社の翌年で、MD(商品開発部)に配属されて上司と一緒にご挨拶に伺いました。

赤峰 神田須田町の万世橋の脇にあったグレンオーヴァーのショールームでしたね。ビルの7階にあって、天井がサンルームのように高くて、椅子はイギリスのヴィンテージで、クローゼットの色がホテルオークラのものと同じ調子という、私がデザインをした渾身のスペースでした。でも、夏が暑くてね(笑)。

若菜 当時から赤峰さんは着こなしはもちろん、モノの背景や文化に対する理解度、探究心が素晴らしくて、とどまるところを知らないバイタリティは足元にも及ばないと思いました。

赤峰 いやいや、僕も若かったからね。

若菜 着こなしもとても洒落ていて、マエストロとはこういう人のことをいうのだろうと思っていました。今日の着こなしもさすがでございます。

赤峰 このコットンスーツは「AKAMINE Royal Line」で6~7年着ていますね。ネクタイは12~3年前のものです。

若菜 赤峰さんの着こなしはいつもインスタ(@akamineyukio)でチェックしていますが、ベージュと茶系のこなしは上級者で、トーンの強弱の付け方がとても美しい。赤峰さんの着こなしを見ていると、色の使い方や組み合わせを深く考えていらっしゃって、悪目立ちすることなく、「赤峰さん」だと分かるのが素敵です。

赤峰 ありがとうございます。自分のインスタは「日記のようなもの」です。僕は色に対しての興味が人一倍強くて、一番の先生は「自然界の色」です。色は全部美しいけど、組み合わせ次第で汚くも美しくもなる。たとえば、刺身の横にハンバーグがあっても美味しく見えないのと同じですね。

若菜 赤峰さんは自分が着て心地良いのはもちろん、周りに与える印象も大切に考えていて、「見られること=マナー」を根本にお持ちですね。お幾つになっても自分を鍛錬し続けているのは素晴らしいです。

アメリカへ短期留学してイタリア人の着こなしに驚愕

赤峰 若菜さんと自分の共通点は「イタリア好き」ですが、若菜さんはなぜイタリア好きになったのですか。

若菜 学生時代はアメリカモノが全盛で、「アメリカ=世界」という感じでした。大学生の夏休み短期留学で、ニュージャージー州に行ったら、ドイツ、スペイン、イタリアなどヨーロッパの若者が多かったんですね。

赤峰 そのときに西海岸へ行かないのも若菜さんらしいね。

若菜 彼らの着こなしがアメリカ人とはまったく違って、ブルーと白のロンドンストライプシャツにロイヤルブルーのコットンセーターの袖を一緒にまくって着て、デニムを無造作にロールアップして、素足にデッキシューズだったんです。

赤峰 なるほど。それは驚くね(笑)。

若菜 彼らを見て、「何このセンスの良さは?」と驚いて、すっかりイタリアかぶれになって帰ってきました(笑)。帰国してイタリア語の学校に通い始めて、翌年にイタリアへ行きました。ローマを拠点に1ヵ月ほど各都市を巡りました。

赤峰 若菜さんがイタリアに一番惹かれたところはどこですか。

若菜 ファッションはもちろんですが、国の歴史と家族を大事にするところですね。「モノを動かす単位」として家族が中心で、ファッションでも家族経営はまだまだ元気です。赤峰さんはイタリアのどこに惹かれますか。

フィレンツェ訛りが身につくほどのイタリア通!

赤峰 自分は21歳のときに1ヶ月半かけてヨーロッパ全部を回りました。イタリアはローマから入ったのですが、最初の印象は、「かなり重たい街だな」でしたね。

若菜 何が重く感じたのですか。

赤峰 ウォーレン・ビーティとビビアン・リーが出演する映画『ローマの哀愁』の最後に、「ローマには約3000年の歴史がある」というセリフがあるんですが、カソリックの文化と歴史の中に住んでいる人たちは決して新しいものが好きじゃない。

若菜 分かります。ローマの人はかなり保守的ですね。

赤峰 若菜さんが好きなイタリアの街は?

若菜 そうですね、フィレンツェですね。街が小さくて、盆地なので景色のバリエーションが豊かです。歴史が古い街に住んでいる人たちの営みも面白い。大勢の観光客と折り合いをつけながら生き延びているのがすごいと思います。

赤峰 とてもよく分かります。フィレンツェはタクシーの道の間違いを正せるほどの回数を行っていて、知らず知らずフィレンツェ訛りが身についてしまいます。

若菜 カ行がハ行になる発音ですね。コカ・コーラがホハ・ホーラになっちゃう。

赤峰 いわゆる「フィレンツェ語」ね。

若菜 フィレンツェはピッティ・イマジネ・ウオモが開催されるなど、私たちの仕事に大きく関わる街ですが、ご飯もワインも美味しくて大好きです。

ライトアップショッピングクラブ
https://www.lusc.jp/

メンズカタログ『BOGARD』オンラインカタログ
https://dpm.lusc.jp/weblish/lusc/VS149261/pinfreevue_nn.shtml

オンラインカタログ一覧
https://www.lusc.jp/dpm/

 

「ドクトル質問箱」では、赤峰さんへの質問をお待ちしています。こちらforzastyle.web@gmail.comまで質問をお送りください。

ジャパン・ジャントルマンズ・ラウンジ
http://j-gentlemanslounge.com

Photo:Riki Kashiwabara
Writer:Makoto Kajii



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