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FASHION 赤峰塾!間違いだらけの洋服選び

ドクトル赤峰とネクタイの達人が語る、クールビズとは

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ジェントルマン道を極めるドクトル赤峰とファッション界のレジェンドたちが、イマドキファッションの風潮やヤワな着こなし、ガッカリスタイルなどをスパッと一刀両断! 男として、あるいは女として、「清く、正しく、美しく」生きるために必要な服装術や、服を着ることの意味・意義をストレートに語り尽くします。

社員が締めるネクタイは"タダでいい"というアイネックス

国内外の有名ネクタイブランド、ファクトリー、機屋(はたや)に精通し、海外ブランドの輸入販売、オリジナルブランドの企画・開発・生産を展開する国内有数のネクタイ企画・製造会社であるアイネックス代表の仙田 剛さんは、社員に「好きなネクタイはタダで締めていい」と言う人。

その理由を尋ねると、「自分が若い頃は社員購入でしたが、僕が社長になって、“取引先が「カッコイイね」というネクタイをしていきなさい”と、社員のネクタイはタダにしています。社員を見ているとシーズンに4~5本ぐらい、年間10本ほどをスタイルに合わせて締めていますね」と言います。


左がドクトル赤峰チョイス、右が仙田社長チョイス。解説は、記事後半にて

クールビズではなく、「サマードレススタイル」への転換

赤峰 5月に入ってクールビズが始まりましたが、仙田さんはクールビズをどう思っていますか。

仙田 「毎日ネクタイをする必要もないが、外す理由もない」と思っています。

赤峰 なるほど。確かにそうです。

仙田 前に銀行の常務が来たんですが、役人が集まる会合には、「国が定めた決まりだから、ネクタイを締めていってはいけない」と、秘書がネクタイを外す確認をするそうです。

赤峰 それは、ちゃんちゃら可笑しいね。

仙田 そうなんですよ。官僚が「決まりだから」と言うそうで、ネクタイを外すことがクールビズになってしまっています。

赤峰 クールビズは世界中で日本だけの独特な解釈。クールビズという言葉を使わず、「サマードレススタイル」を作るために、誰かが変えなきゃいけない。

仙田 多くのサラリーマンはもともとネクタイを締めるのはイヤだったはずで、国が「外してよし」と言ったから、これは決まりなんだと勝手に思っている節があります。弊社では月・火・水はネクタイ着用、木・金は作業に合わせて外していいとしていますが、ネクタイをしていると背筋が伸びるので、ビジネスのときは絶対必要なんですよ。

ネクタイの締め方が上手いのは赤峰さんと鴨志田さん

仙田 長くネクタイの商売をしていますが、赤峰さんの装いは本当にお手本です。お会いするとドキッとさせられます。「この色をこう合わせるのか」とか、着こなしに「気づき」があるんですよ。引き出しが多くて、会えばいつも新鮮に感じます。赤峰さんと鴨志田(康人)さんのお二人は絶品ですよ。

赤峰 いやいや、ありがとうございます。

仙田 お二人とも素材の選び方や色合わせが本当に上手くて、赤峰さんは白シャツベースの着こなしが、鴨志田さんはカラーシャツに色の掛け合わせが素晴らしい。鴨志田さんは「カモチャ」と称されるほど茶色の使い方が上手ですね。

赤峰 私もピッティに行くと“ミスターブラウン”と呼ばれますよ。色合わせに関しては、たとえば天ぷらを食べるときに、横にハンバーグがあるとバランスが悪いように、服にも食べ合わせがある。食べることも洋服も「コーディネート=食べ合わせ」が上手な人の中心にネクタイがあります。

仙田 サラリーマンの着こなしで一番気になっているのは、一年中、黒のスーツが圧倒的に多いこと。黒のスーツを毎日着ていると、「ネクタイは何でもいいや」になるんです。

赤峰 新入社員のセミナーへ行くと、男女とも黒のスーツが多い。自分は開口一番、「今日は黒のスーツでもいいけど、黒は本来、祝儀不祝儀のときの色。黒のスーツは今日をもって洋服ダンスに仕舞って、明日からは着ないように」と言います。

仙田 それは、赤峰流の「ドレスの布教活動」ですね。そういうことを言える人がいないと、サラリーマンは、黒スーツ、リュック、合皮の靴になってしまう。赤峰さんのような「ドレスを語れる人」は、文化として必要です。

ドクトル赤峰セレクトの「サマードレススタイル」ネクタイ


ドクトル赤峰のセレクトテーマは「トラッド崩し」。左のドットと右から2本目のレジメンタルはコットン・リネンのネイビーブレザーに、左から2本目の小紋柄はグレーのスーツと白シャツに、中央は赤みの強い麻のシングルスーツに、右はカーキかぶりの麻のダブルブレストスーツにコーディネート。ネクタイはすべて「Robert Fraser(ロバート・フレイザー)」

仙田 剛社長セレクトの「サマードレススタイル」ネクタイ


仙田 剛社長のセレクトテーマは「清涼感の演出」。左のレジメンタルはベージュのコットンスーツと白シャツに、左から2本目のトレンドとして注目されている赤茶が入ったレジメンタルは、明るいネイビースーツに、中央の大きめのポルカドッドはダブルのスーツで胸元に清涼感を、右から2本目のニットタイはシアサッカーのジャケットを着たときに、右のフレスコ織りのガルザ(ガーゼ)素材は基本の紺のスーツにコーディネート。ネクタイはすべて「Robert Fraser(ロバート・フレイザー)」


株式会社アイネックス
http://www.ainexx.co.jp/
 

「ドクトル質問箱」では、赤峰さんへの質問をお待ちしています。こちらforzastyle.web@gmail.comまで質問をお送りください。

ジャパン・ジャントルマンズ・ラウンジ
http://j-gentlemanslounge.com

Photo:Shimpei Suzuki
Writer:Makoto Kajii



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