お金より大切なもの、見失ってませんか?
みなさんは、誰かに「守銭奴」と言われたことはありますか? また、自分の身の回りで「あの人は守銭奴だな」と思う人はいませんか?
ここでは、守銭奴という言葉の意味から守銭奴な人の特徴、その心理状態まで詳しく解説していきます。自分は守銭奴なのかどうか気になる人も、周りに守銭奴な人がいて困っている人も、要チェックですよ!
目次
■「守銭奴」の意味とは?
■守銭奴な人の心理
①貯金が大好き、損が大嫌い
②幼少期のトラウマからお金に執着
③自分は守銭奴じゃなく倹約家だ
④消費は悪、貯金は善
⑤貯金額以外は無価値
■守銭奴にありがちな14の特徴
①とにかく貯金する
②お金のことになると人が変わる
③1円単位でワリカン
④人付き合いが悪い
⑤「無料」と「人のおごり」が好き
⑥プレゼントや募金をしたがらない
⑦お金持ちとの付き合いは大切
⑧常に最安値を探し求める
⑨何よりも損得で物事を判断
⑩かなりの仕事人間
⑪自販機の下の小銭も拾う
⑫お金の使い道を固定
⑬投資に関心あり
⑭友人からも金儲け
■守銭奴の直し方と対処方法
①守銭奴はこう直せ!
②守銭奴にはどう対処する?
■守銭奴には要注意!
「守銭奴」の意味とは?
守銭奴という言葉は、お金に執着心を持ち、貯金することだけに熱心で使うことはしたがらない、ケチな人のことを指して言う言葉です。使い方で注意したいポイントとしては、決していい意味では使われないというところです。
たとえば、「節約上手」「お金のやりくりが上手い」などと言われれば悪い気はしないと思いますが、「守銭奴」というのは確実に相手のことを褒めてはいません。ケチな人のことを悪く言ったり皮肉を込めたりするときに使う言葉なのです。

そのため、人に対して使うときは十分注意したほうがいい言葉です。目上の人などに言うのは避けましょう。また、もし自分が人から言われてしまったなら、そこに褒める意味はまったくないと思ったほうがいいでしょう。
守銭奴な人の心理
常にお金に執着している守銭奴な人は、いったいどのような心理状態なのでしょうか?
①貯金が大好き、損が大嫌い
守銭奴はとにかく貯金が大好きです。もはやお金が大好きというより、貯金額が増えていくのが好きなのです。そのため、できることならお金を使わないで、使うにしても1円でも金額を抑えておきたいと思っています。
また、損をすることが何より嫌いで、自分にとって得にならないことには興味を示しません。人助けやボランティアも、一銭にもならないのにする意味がわかりません。目先の金銭的な損得だけを意識するため、他人に手を差し伸べる感情や「損して得とる」気持ちがまるで理解できないのです。

お金がすべての価値判断基準で、人の価値は預金通帳に記載された数字で決まると思っている、なんてことも。自分にとっての最優先事項がお金を貯めこむことなので、同じように貯金をしていてお金持ちの人は価値があり、また自分の価値も貯金をすればするほど高くなるというわけです。
②幼少期のトラウマからお金に執着
守銭奴になる人には、何かしらのお金に関するトラウマがあるというケースも少なくありません。特に育った環境に関係しているトラウマは、人格や価値観が形成される時期に大きな影響を及ぼします。
幼い頃に親が借金など金銭的なトラブルを抱えていたり、会社の倒産やリストラ、自営業の店舗の経営難などで貧しい暮らしを強いられたりした人は、お金への執着を強めてしまいます。みんなが持っているおもちゃやゲームを買ってもらえなかった、行きたかった私立の学校への進学を諦めたなど、お金があれば叶ったことへの不満が積もってしまったというのも考えられます。

③自分は守銭奴じゃなく倹約家だ
守銭奴の人の多くが、自分のことを守銭奴だとは思っていない傾向があります。自分の価値観が普通で、自分よりお金に執着しない人や貯金に興味がない人のほうが少数派なのだと思っているからです。また、守銭奴というほどではなく、自分は節約上手で浪費をしない単なる倹約家だと思っています。
守銭奴はいい意味の言葉ではないので、自分から「僕は守銭奴なんだ」と名乗るというのも変な話ではありますし、自覚していない人に対して「守銭奴だね」と言うわけにもいかないですよね。そのため、自分で守銭奴と認識することはほとんどないといえます。
④消費は悪、貯金は善
守銭奴にとって、お金は貯めれば貯めるほどよいもので、貯めるためにあると言っても過言ではありません。そのため、消費活動全般に対して「悪いことだ」というような感覚を持っています。反対に、ひたすらお金を貯めることこそがよいことだと思っています。

もちろん無駄遣いは褒められたことではないかもしれませんが、貯めてばかりで消費しないというのも考えものです。しかし、守銭奴はそのバランスをとったり加減をしたりしないで、消費と貯金を完全な二項対立で見ているのです。
⑤貯金額以外は無価値
普通の人の価値観で見ると、当然お金も大切なものですが、他にも大きな価値を見出す宝物というのがそれぞれの人にありますよね。たとえば家族や恋人、友人や仕事仲間などの人間関係、はたまた熱中している趣味など、何よりも大切に思うものがきっとあるはずです。
しかし、守銭奴にとって自身の最大の宝物は自分が貯めているお金。貯金額を増やすことだけが生きがいで、それを上回る価値があると思えるものはありません。言ってしまえば、守銭奴な人には貯金額が唯一の価値を持つものということです。
守銭奴にありがちな14の特徴
ここからは、守銭奴な人の性格や行動に関する特徴をご紹介します。たくさん当てはまったら、もしかしてあなたも守銭奴かも!? 普段の自分と照らし合わせてみてくださいね。

①とにかく貯金する
守銭奴にとっては、貯金額が増えることが最大の喜びです。そのため、ひたすらお金を貯めこもうとします。無駄遣いなんてもってのほかで、必要な出費すらなるべく削ろうとします。ケチなのでお金がないのかと思いきや、周囲の人よりもお金を持っていることのほうが多いです。
お金が好きな人の中には、貯金をして少し高額なものを買ったり、ちょっと贅沢なものを食べたりするなど、使うことに喜びを感じる人もいます。しかし守銭奴の場合はというと、お金を使うことはどちらかといえば苦痛です。使うために貯金をするのではなく、貯金こそが目的になってしまっているといえます。
②お金のことになると人が変わる
普段は温厚な人や常に冷静な人も、お金の絡んだ話になるとガラッと人が変わってしまうなんてことがあります。数十円損しそうになっただけで急にものすごい剣幕になる人や、いい儲け話があると聞くとそれまでおとなしかったのが嘘のように話に乗ってくる人など、そのタイプはさまざまですが、守銭奴はお金のことになると別人のように目をギラつかせます。
周囲に守銭奴な人がいる場合、お金が好きそうだからといって投資話などを振ると、それがうまくいかなかった場合に思わぬトラブルにつながる恐れも。守銭奴の前ではお金に関する話はなるべくしないのが得策です。

③1円単位でワリカン
大人数の飲み会などのお会計では、ざっくり計算してキリのいい値段を出し合うのが普通ですよね。しかし、守銭奴は違います。電卓を使うなどして合計金額を人数で割り、1円単位の細かい額を出そうとするのです。
たしかにきっちりワリカンにすればもめることもないので、細かく計算するのが悪いというわけではありません。しかし、お小遣いが毎月100円の小学生ならともかく、いい年の大人がそこまでしなくても……と思ってしまいますよね。ひどい場合は相手に端数を多く払わせたり、おつりを全部もらったりと、少しでも自分の払う分が少なくなるように仕向けるなんてこともあります。
④人付き合いが悪い
守銭奴は基本的にお金を使いたがりません。そのため、人からの食事や遊び、旅行などの誘いにも簡単には乗らないのです。食事に行くとしても安い店を自分で探し、自分だけポイントを貯めたりクーポンを使ったりしようとすることも。
人付き合いにかかる交際費は、楽しい時間に対してお金を使っているといえます。しかし、守銭奴の場合はそんなふうには思えません。「コト消費」に対しては特に無駄な出費だと感じることが多く、誘われてもなんやかんや理由をつけて断ることもしばしば。付き合いの悪い人と思われても、お金を使わないことのほうが大切なのです。

⑤「無料」と「人のおごり」が好き
守銭奴にとっては「無料」は最高の言葉です。お金を使わなくてよいわけですから、無料のものはなんでももらっておこうとします。飲食店でも無料のトッピングはたくさん追加しますし、定食でご飯のおかわりが無料ならおかわりします。
また、自分が人におごったり多く払ったりすることはほぼありえませんが、人におごられるのは大好きです。普段は人付き合いが悪かったとしても会社の経費での飲み会には参加しますし、先輩におごってもらえるとわかればいつもは頼まない高めのメニューでもたくさん頼みます。
⑥プレゼントや募金をしたがらない
守銭奴は、人のためにお金を使うことをかなり嫌がります。ちょっとしたプレゼントをあげたり、訪ねていく相手に手土産を買ったり、募金をしたりというのは、たとえ1000円以下の小額なものであっても気が進みません。
お金は自分が貯金をするためにあるので、誰かにあげるもののために使うのはできるだけ避けたいのです。自分にとってなんの得にもならない、と思っているので、数人でお金を出し合って贈り物をするという場合ですらお金を出し渋ります。

⑦お金持ちとの付き合いは大切
人付き合いが悪く、人のためにお金を使いたがらない守銭奴ですが、お金持ちの人との付き合いには積極的です。会計が向こう持ちであることも多く、他では知りえないお得な情報を聞けることもありえます。そして何より、お金持ちであるかどうかを人としての価値と見なしているので、価値の高い人との関係を構築するのは大切だと思っているのです。
もちろん、普通の人なら持っている財産を見て人を判断するということはありません。守銭奴は損得を判断の基準にしているため、人付き合いも損得という観点だけで選ぶということです。
⑧常に最安値を探し求める
守銭奴は、何かを買うときに最安値で買わないと気が済みません。価格比較サイトで調べたり、遠くの店や複数の店舗を回ったり、安い中古で済ませられないか考えたり、1円でも安くなる方法を探し求めます。質やデザイン性などは二の次で、安さが最優先です。
そのためにかかる時間や労力を考えれば、少しくらい高くても手近なところで済まそうと思ってしまいますが、守銭奴となるとそうはいかないのです。

⑨何よりも損得で物事を判断
お金と損得が最大の判断基準である守銭奴は、他のどんなことよりも得をすること・損をしないことを優先します。たとえば、恋人がいるとデートやプレゼントなどでお金を使わなければいけないから恋愛はしなくてもいいかと思ってしまうなど、人生のあらゆることを損得で考えるのです。
お金がかかるため特に趣味もなく、しいて言えば貯金が唯一の趣味。人からの誘いにもあまり乗らず、必要なものだけをなるべく安く買って暮らすのです。なんだかつまらなそうではありますが、守銭奴にとってはそれでお金が貯まるならいいのでしょう。
⑩かなりの仕事人間
特にこれといった趣味もなく、なるべくならお金を使いたくないため、守銭奴の多くは仕事にのめりこみがちです。休みがあってもすることはないし、残業すれば残業代が出て休日出勤すれば休日手当が出るので、仕事が忙しくて自分の時間が取れないといったことはあまり気にしません。
結果として仕事のできる人と言われることが多く、給料が上がると今以上に貯金できるので出世にも貪欲です。お金に関する価値観や付き合いの悪さを考えなければ、職場での評価はきっと高いはずです。

⑪自販機の下の小銭も拾う
1円単位でお金に執着心を持っている守銭奴は、自販機のおつりのところに前の人が取り忘れた小銭でさえももらおうとします。それどころか、自販機の下によく落ちている1円玉なんかも目ざとく見つけて拾ってしまいます。
自分自身の出費を減らすだけでは飽き足らず、そんな細かいところにまで神経を張り巡らせているなんて、なんだか必死でセコいかんじがしてしまいます。しかし、守銭奴の価値基準はあくまで自分の損得。お金のためならそんなことは気にしないのです。
⑫お金の使い道を固定
無駄な出費をしないように、守銭奴は毎月の出費をきっちり管理しています。○○費には月いくらまで使う、貯金は毎月いくらずつ、というように、お金の使い道とその金額がすべて決まっていることもあります。
そのため予定外の出費を嫌い、なるべく出さないで済む方法を考えようとします。交際費や外食費も月にいくらまでと決めているので、月の後半になって上限を超えそうになると誘いを断る、なんてことも。

⑬投資に関心あり
守銭奴の多くは投資話に興味があったり、もうすでに投資を始めていたりします。自分の貯金を不労所得によってもっと増やせるというのは、非常に魅力的な話なのです。給料以外の収入源を得たいと思っていて、仮想通貨や株取引、不動産などに手を出すことが多いです。
⑭友人からも金儲け
人のためにお金を使いたがらないどころか、仲の良い友人にお金を貸すことすら嫌がる守銭奴は多いです。親しい間柄で一時的にお金を貸してほしいだけであっても、貸すのなら利子つきだと言ってくるほどです。
周囲から見れば、あれだけお金を貯めこんでいるのだから少し友人に貸すくらいはいいのでは、と思ってしまいます。それでも、お金に執着している守銭奴は利子をつけて儲けることを考えるのです。
守銭奴の直し方と対処方法
守銭奴になってしまった人、また身近にいる守銭奴にお困りの人も、上手に付き合う方法を知っておくことが大切。守銭奴を直す方法と守銭奴な人への対処法をお教えします。

①守銭奴はこう直せ!
守銭奴を直すには、まず自分が人並み以上にお金に執着していることを認識しなければいけません。守銭奴の特徴がたくさん当てはまったなら、自分は守銭奴だということをきちんと受け止めてください。その上で、少しずつ直す方法を実践していきましょう。
最初にすべきなのは、貯金は目的ではなく手段だという意識を持つことです。お金はモノやサービスへの対価として支払うためにあるものであって、貯めるのはいわば一時的な保管にすぎません。貯めたお金で何がしたいのか、が本当の目的です。
とは言っても、守銭奴はお金を使いたいと思うことがありません。いきなり「貯金の目的を見つけろ」というのも難しいでしょう。そこで、まずは少額でもいいのでとにかくお金を使う訓練から始めていきましょう。

日々の食事を少しリッチなものに変えてみると、高いだけの理由があるとわかります。自分の気分がアガるものを身につけると、その日1日のパフォーマンスまで向上するかもしれません。人に誘われるがまま旅行に行ってみると案外楽しいものです。貯金にあれだけ熱量を注いでいたのですから、趣味になりそうなものを見つけたら今度はそれに熱量を向けてみましょう。
少し慣れたら、お金を人のために使うようにしていきましょう。始めはコンビニでおつりを募金するだけでもかまいません。その次は、ほんのワンコインで買えるちょっとしたお菓子などを身近な人にプレゼントしてみてください。お金以外にも価値のあるものを徐々に見つけられれば、だんだんとお金への異常な執着は薄れていくでしょう。

②守銭奴にはどう対処する?
自分の周りに守銭奴がいる場合、うまく付き合っていくにはいくつかコツがあります。ひとつは、自分があまりお金のことを気にしないようにすることです。食事に行くならワリカンは当然、むしろ端数は多く払ってあげるくらいのつもりでいたほうが、自分も相手もイライラせずに済みます。
そして、可能であればそこまで深く関わらないようにするほうがよいでしょう。親密な間柄になると、どうしてもお金の話がついてきます。職場の同僚程度の関係性であれば、なるべくお金の絡むような話題を避けて接するようにすると、普通の人と変わらないコミュニケーションがとれるはずです。
まとめ
お金はもちろん大切ですが、それ以外にも大切なことはたくさんあります。もし自分が守銭奴だと思ったら、少しだけでも自分の好きなことや人との付き合いのためにお金を使ってみてはいかがでしょうか。
Photo:Getty Images
Text:N.M