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バーナム効果とは? 誰でも使える、人の心を掴むワザを伝授

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仕事にも恋愛にも効き目バツグン!?

血液型占いは、誰でも一度は目にしたことがありますよね。今朝テレビ番組で星座占いを見てきた人もいることでしょう。「けっこう当たってるな」と思うことも少なくないのではないでしょうか? 実はそれらの中には「バーナム効果」を利用して、必ず当たっていると思わせるように作ってあるものも多いのです。

もちろん占い師にならない人も、バーナム効果をうまく使えば相手の心をグッと掴んで信頼を得ることができ、セールストークや恋愛のアプローチが成功しやすくなります。絶対に悪用厳禁でお願いしますね!

目次

■バーナム効果とは

■占いでわかるバーナム効果の例

■バーナム効果を生み出す方法


 ①特定の相手に向けているように見せる

 ②発言者の信頼性を高める

 ③ポジティブな内容を多くする

 ④より当てはまりやすい言葉で

■実際に活用してみよう


 ①営業マンのセールストーク

 ②気になる相手にアプローチ

 ③場面によっては使い方にご用心

■バーナム効果で人の心を掴める人に

バーナム効果とは

バーナム効果とは、誰にでも当てはまりそうな性格などの特徴を言われた人が、自分にズバリ当てはまっていると勘違いしてしまう現象で、心理学用語のひとつです。人が占いにハマってしまう理由などを研究していた心理学者のバートラム・フォアの名前から「フォアラー効果」とも呼ばれます。

19世紀のアメリカで人の心理を巧みに操りサーカスを大成功させたフィニアス・テイラー・バーナムの言葉に、「We've got something for everyone.」というものがあります。日本語では「誰にでも当てはまる要点というものがある」と訳されていて、そこから心理学者がこの現象を「バーナム効果」と名付けたのです。

バーナム効果を実証するために行われた実験では、被験者に性格診断をするとしてテストを受けてもらい、後日その結果を一人ひとりに渡して、どの程度当たっているのか0(まったく当たっていない)~5(非常に正確である)で評価してもらいました。

実は診断テストの結果として渡した文章は、性格分析を行ったのではなく新聞の星座占いを抜き出して組み合わせたデタラメ。しかも全員に同じ文章を渡していました。しかしその評価の平均点は4.26と、かなり当たっていると感じた被験者が多かったのです。

この実験で鍵を握るのは、事前に性格診断テストを行い、その診断結果だと伝えて星座占いの文章を渡すところにあります。占いの文章は多くの人に当てはまるような書き方がされていますが、なんの前置きもなく「あなたはこうです」と言われても信じない人が多いでしょう。この実験では自分だけの診断結果だと思わせたために、多くの被験者が当たっていると感じたのです。

占いにしても、血液型や星座、誕生日などそれぞれの属性ごとに文章を作ることで、その人だけの占い結果なのだと思い込ませることができます。もしこっそりおひつじ座とおうし座の結果を入れ替えても、おひつじ座の人はおうし座の占いを読んで「当たっているな」と思うということです。

占いでわかるバーナム効果の例

バーナム効果は占いによく使われています。日本では「A型は几帳面で真面目」などの血液型占いが広く知られていますが、海外の人はそこまで血液型を重視しません。実は、血液型で性格を占う国は日本くらいなのです。

A型の人だけが几帳面で真面目なのではなく、誰でも少しは几帳面で真面目な一面を持っています。本当に几帳面で真面目としか言いようがない人はもちろん、普段は大雑把な人でも洗濯物だけはきちんとたたむ、一見不真面目そうな人でも仕事のことになると誰よりも熱心に打ち込む、などの部分は多くの人にあるはずです。

しかし、それを「A型の特徴」と言うことによって、A型の人は「当てはまる」と思うようになります。別の血液型の人も、「たしかにあの人は几帳面なところがある、A型らしい人なんだ」と信じてしまうようになるのです。

また、もしA型なのにまったく几帳面でも真面目でもない人が1人いたとしても、「血液型占いは間違っている!」とはなかなか思わないものです。それには「確証バイアス」が働いています。確証バイアスとは、自分の考えに関して都合のよい事柄だけに注意を払い、それにそぐわないものはあまり見ようとしない、見方の偏りのことを言います。

A型は几帳面で真面目なのだと信じていれば、それに当てはまるA型の人を見ては「やっぱり当たっているな」と思い込み、当てはまらない人がいたとしてもそのことはあまり気に留めなかったり、忘れてしまいがちだったりします。これが確証バイアスです。

バーナム効果でいったん占いなどを信じてしまうと、確証バイアスによってどんどん「当てはまる!」と思ってしまいます。当てはまらないものが含まれていたとしてもその情報は軽く扱って、当てはまる部分だけを注意して見るようになるのです。これが占いが「当たる」理由のひとつでもあります。

バーナム効果を生み出す方法

バーナム効果のしくみがわかったところで、実際に高いバーナム効果を生み出すにはどうすればよいのかを見てみましょう。ここをマスターしておけば、うまくバーナム効果を使えるようになりますよ!

①特定の相手に向けているように見せる

バーナム効果を使う相手に対して、たとえ多くの人に当てはまる事柄を言っていたとしても、その人だけに言っているのだと思わせることで効果が格段にアップします。バーナム効果の実験でも、全員に同じ文章を伝えるにしても一斉に伝えたのではダメで、それぞれの被験者に個別に診断結果を渡したためにより信じやすくなったといえます。

占いでは、血液型や星座などはもちろん、生年月日の数字をすべて1ケタになるまで足していって出た数字で、その人の性格や他の人との相性などを占うようなものもあります。A型だから、おひつじ座だから、生年月日を足していった数字が3になったから、その人は必ずこの性格であるなんてことは言えないでしょう。それでも、自分に向けて言われているのだと思うと人は信じてしまいがちです。

街角の手相占いや水晶占いなども、客がお金を払って自分だけに占ってもらっていると思うことで強いバーナム効果を引き起こします。バーナム効果を使うのであれば、「みなさん」という主語ではなく「あなたは」「○○さんは」という主語にすることで高い効果が出せるのです。

②発言者の信頼性を高める

たとえば、よく当たると有名で予約が常に埋まっている占い師と、道端の怪しげで売れていない占い師だったら、どちらの占い結果を信じますか? きっと前者ですよね。では売れない占い師とスーパーのレジ打ちをしている主婦が占ってくれるとしたらどうでしょう? 先ほどは選ばなかった占い師を信じるのではないでしょうか。

バーナム効果は、その内容を述べる人の肩書きや権威に左右されます。より高い地位にある人の発言や信頼できる情報ソースであるほうが、人は強く信じ込む傾向があるということです。しかしこれは、肩書きがなければ聞き入れてもらえないということではありません。

わかりやすい実績があればそれをアピールすればよいですが、そうでなければ詳しい情報を提示したり、「○○氏によれば……」というようにその道の権威者の言葉を借りたり、自分の発言を補強すると信憑性が増すように感じられるのです。

③ポジティブな内容を多くする

人は、ネガティブで否定的なことを言われるよりもポジティブで前向きなことを聞いた時のほうが信じやすいものです。占いでも悪いものは信じたくなくて結果がよいものだけ信じる人がいますが、他のことでも同じです。

少しくらいはマイナス要素を入れるほうが印象に残りやすいかもしれませんが、全体を通してマイナス面ばかり伝えていくと聞いてもらいにくくなります。拒絶されず聞き入れてもらうためには、明るい内容を多めにするとよいでしょう。

④より当てはまりやすい言葉で

バーナム効果を生み出すには、言葉選びも大切です。たとえば、「人と過ごすのが好きでしょう」よりも「人と過ごすのが好きですが、1人の時間も大切にしたいタイプ」と言ったほうが「人といるのが好き」と「1人が好き」の両方の意味を含み、多くの人に当てはまりやすくなります。そもそも、どんなに寂しがり屋で人が好きな人でも、1人きりになれる時間は欲しいものですよね。このように、当てはまりやすいようレンジを広げる言い方をすればよいのです。

他にも、相手の立場を考えたり、身なりや言動から推測したりして、より当てはまりそうな言葉を投げかけると成功しやすくなります。たとえばあなたが占い師だとして、若い女性が客として訪れたら必ず「恋愛のことに関して何か悩んでいませんか?」と言えば、けっこう当たるのではないでしょうか。恋愛に関してまったく悩まない人は少ないでしょうし、占いに来る若い女性ならかなりの確率で何らかの悩みを抱えている事柄と言えるからです。

10代の若者には学校の悩み、60代のお年寄りには健康や老後の悩みがあるかどうか聞くだけで、だいたいの人が「当たってる」と思い込むでしょう。相手が高級そうなものを身につけていたら「おしゃれが好きで外見に気を遣うタイプ」と言い、目の下にクマがあれば「仕事やプライベートで忙しく充実している時期だが、健康面に注意」なんて言えば、あなたも占い師のように人の内面を見抜けるかのように思わせられるのです。

実際に活用してみよう

それではいよいよバーナム効果を実際の仕事や恋愛などの場面に活用してみましょう。自分だけに向けられた言葉をくれる人に対して、人は心を開きやすくなります。ただし、あくまで人をだますためではなく、信頼関係を築くために使ってくださいね!

①営業マンのセールストーク

占い師でなくても、営業の仕事で使う人も多いのがバーナム効果。自社の商品を売りたい相手に対してうまく使うと、ただ商品の説明をするよりも成功しやすくなります。

たとえばパスワード管理ソフトの営業をするなら、「さまざまなログインパスワードの管理、面倒だなと思ったことはありませんか?」と言います。仕事をしていれば大量のIDとパスワードを管理しなければなりませんが、下手にパスワードを使いまわしたりいつでも見られるところに書いたりするとセキュリティが心配だな、というのは誰でも感じることです。

相手が「まさにそれは自分のことだ」と思ったらこちらのもの。そこからソフトの説明をすれば、ただ「パスワード管理ソフトについて説明させてください」と始めるよりも聞いてもらいやすくなります。

②気になる相手にアプローチ

恋愛など、人間関係においてもバーナム効果は使えます。たとえば「今日、いつもと雰囲気違うね」と言ってみてください。毎日まったく同じ人なんていませんし、本人にはそのつもりがなくても「自分すら気づかない変化を見つけてくれた」と思ってもらえるかもしれません。

また「いつもがんばってるね」なども、まったくがんばっていない人はあまりいないでしょうし、なかなか人に気づいてもらえない努力をこの人は見ていてくれたんだと思わせてくれるので、有効な言葉だと言えるでしょう。

③場面によっては使い方にご用心

多くの人に当てはまる言葉で相手の信用を得ることができるバーナム効果ですが、相手の状況などをよく見極めないと失敗することもあります。たとえば、40代の男性会社員で左手の薬指に指輪があるから「お子さんとのコミュニケーションに悩んでいませんか?」と言ったとします。しかし既婚者だからといって子どもがいるとは限らず、欲しいのに子どもがいない場合などは相手の地雷を踏みかねません。

また、いつもいつも同じ相手にバーナム効果を使いすぎると、実は薄っぺらいことしか言っていないと思われて、むしろ信用されなくなるかもしれません。何度も話す機会のある関係の人であれば、本当にその人自身のことを観察して相手だけに向けた言葉を投げかけるほうがよいでしょう。

まとめ

誰でも占い師のようになれるバーナム効果は、上手に使えば相手に心を開いてもらえるでしょう。しかし、そこからが本当の勝負です。自分の力で相手からの真の信頼を得るためのきっかけとして、バーナム効果を利用してみては?

Photo:Getty Images
Text:N.M



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