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コンコルド効果を知れば、「もったいない」で損しない!!

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誰でも心当たりがあるのでは……??

これまで費やした時間やお金がもったいないくて止められない。もう少しできっと成功するかも……。これは、破滅への道「コンコルド効果」の典型です。

今回はそんな「コンコルド効果」について解説します。いざというときの最善な判断のために、知っておいて損はないと思いますよ!!

目次
●コンコルド効果とは
 ・意味
 ・サンクコスト
●由来
●コンコルド効果は人間の大人特有?
●具体例
 ・ギャンブル
 ・ビジネス
 ・日常
 ・趣味
 ・恋愛
●陥ってしまったら?
●まとめ

●コンコルド効果とは

・意味

コンコルド効果とは、ある対象にお金や時間を投資し続けることが損失になるとわかっていても、それまでの投資を惜しみやめられない心理のことを言います。

先入観や思い込みによって合理的でない判断をしてしまうことを「認知バイアス」といい、コンコルド効果もその一種です。

・サンクコスト

コンコルド効果は経済学では「サンクコスト効果」と呼ばれます。「サンクコスト(埋没費用)」とは、「既に費やしてしまった投資」のことです。

サンク(sunk)とは、「sink(沈む)」の過去完了形です。つまり、直訳すると「沈んでしまった費用」となります。沈没してしまったものは二度と手に入りませんよね。

このままじゃダメだと理解していても、サンクコストに囚われて退けない。これがコンコルド効果の恐ろしいポイントです。既に損失が出ているのに、さらに資源が消えていくのですから。

●由来

名前からピンときた方もいらっしゃったかもしれませんが、コンコルド効果は同名の超音速旅客機が由来となっています。ここではそんな名前の由来についてお話ししましょう。

1969年、超音速旅客機コンコルドをフランスとイギリスが共同開発しました。

開発当初は近未来的な性能や造形から人気を呼び、世界中から注文が相次ぎました。ですが旅客定員の少なさや燃料の問題により、その高すぎる開発コストと利益では採算が取れないことが判明。

ですが今まで投入した予算や時間が全て水泡に帰してしまうことに加え、責任問題の押し付け合いとなったため開発を続行した結果、会社は莫大な損失を出して倒産しました。

この一連の商業的失敗になぞらえて、「コンコルド効果」と言うようになったのです。

●コンコルド効果は人間の大人特有?

誰でも陥った経験のありそうなコンコルド効果ですが、意外にも人間の大人に特有な心理状態なのだそうです。幼児や人間以外の動物は、やってみてダメだったら違う方法を試します。

大人はコストや損得の計算ができるがゆえに、もったいない精神が発揮されてしまうのだとか。経験値が悪い方へ転ぶなんて、少し悲しいですね。

●具体例

ここでは、具体的な例を挙げて説明します。コンコルド効果なんて無縁だと高をくくっているアナタも、もしかすると該当しているかもしれませんよ!!

・ギャンブル

例:パチンコなどで負けがこんでいるにも関わらず、「元を取りたい」「負け分だけでも取り返さないと」と意地になって続行した結果、とんでもない大損になってしまう。

一番わかりやすい事例はギャンブルではないでしょうか。一発逆転は非常にまれだと頭では分かっていても、ついついやめられないところが恐ろしいですよね。

・ビジネス

例:何年も赤字が続いているが、せめて初期投資ぐらいは回収しなくてはという気持ちが強く、なかなか閉店が判断できない。

立ち上げ当初の赤字は仕方がないものですが、何年も連続して赤字が続くようであれば撤退を考慮すべきです。ですが巨額の投資が伴うビジネスの場では、なかなかその判断が難しいですよね。

橋建設などの公共事業でもサンクコストは多く見られます。経営学においては、サンクコストは意思決定の判断基準にしてはいけないというのが常識です。

・日常

例:話題の本を買ってみたが、びっくりするほど退屈だった。しかし買ったお金がもったいないので読み続けている。

これは誰でも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。購入時のワクワク感などを思い出すと何とも言えない気持ちになりますよね。

・趣味

例:今まで費やした課金額を無駄にしたくなくて、ネットゲームやソーシャルゲームをやめられず、目当てのガチャが引けるまでさらに課金してしまう。

基本無料のスマホゲームのガチャシステムなどは、このコンコルド効果を狙って収益をあげる構造となっています。

・恋愛

例:恋人と別れたくても「ここで別れたら今までの時間やコストが無駄になる」と考えて、ズルズルと付き合ってしまう。

例2:まったく脈がない相手なのに、今までかけたコストがもったいないしもう少ししたら振り向いてもらえるかもしれないと一縷の望みをかけてアタックし続けてしまう。

意外にも、恋愛でのコンコルド効果もあるあるなのです。特に例2は「非モテコミット」とも呼ばれ、恋愛工学ではNGとされている行動なのだとか。

恋愛はもともと冷静な判断が効きづらいものです。時には冷静に自分を見つめ直すことも大切です。

●陥ってしまったら

元を取りたいからと言って、投資し続けたり、だらだらと惰性で継続したり、拘泥し続けることは「百害あって一利なし」。

もし自らがコンコルド効果に陥ってしまったと気付いたならば、するべきことは一つ。スッパリと過去を損切りすることです。これまで投資した全てを切り捨て、未練も執着も断ち切る事が最善策です。後ろ髪を引かれ決断が躊躇われますが、一度脱却してしまえば楽になり、次への一歩を踏み出せます。

冷静な判断のためには「まだ何も投資をしていない段階だったらと仮定して、再判断する」思考法がとても有効です。

個人の場合は、損切りするのも比較的簡単です。しかしこれが集団で進めるプロジェクトなどの場合には、コンコルドの事例のように責任問題にも発展する事になるため、終焉を迎えるまでやめるにやめられない状態に陥る事もありえます。

●まとめ

この世の誰もが一度は経験するであろう心理状態、コンコルド効果。理解していても解決するのが難しい、厄介者です。

しかも人は非合理的な選択に魅力を感じてしまうものです。武田鉄矢さんが演じた「101回目のプロポーズ」の主人公のような、粘り強くアタックした末のハッピーエンドは素敵ですよね。

しかし、これはレアケース。埋没費用は回収できないのが世の常です。

過去に囚われず、気持ちを切り替えて前を向けば、きっと未来が開けてきますよ!!

Photo:Getty Images
Text:K.S



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