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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
WATCH 干場の「エコラグ」

【夢見る未来なイメージ】斬新なフォルムを描くラドーの腕時計との思い出

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エコラグ-Hoshipedia 「エコラグ」とは、エコノミック・ラグジュアリーの略。economic luxury。極めて経済的だが、上質さやエレガンスは失わないスタイルの意味。「多くの粗悪なものより少しの良い物を」という干場の哲学により生まれた造語。腕時計や靴・鞄、スーツのように長い年月使えるものは高額でも、白シャツや白無地のTシャツのように常に白いまま清潔に着たい消耗品は、高額なものよりもコストパフォーマンスを重視するというスタイル。パテック・フィリップの腕時計やジョン・ロブの靴と、カミチャニスタやデッコーロの白シャツ、GAPの白無地のTシャツは干場にとっては同じ。一点豪華主義とも違う。干場が敬愛するブルース・リー先生が提唱した無駄を排した最短の動き(エコノミック モーション)で相手を倒すジークンドーのように、経済的で盛り過ぎない、かつ無駄のないシンプルで上質なスタイルを指す。

トトロの"まっくろくろすけ"も愛用?

この時計を買ったのは、かれこれ18年前になります。『エスクァイア日本版』編集部から『LEON』編集部に移籍して少し経った頃でした。

意外に思うかもしれませんが、『エスクァイア日本版』の編集者時代はそんなに高級時計には興味がなかったんです。欲しい腕時計が買えなかったと言うほうが正確かもしれませんが……。

ところが、新雑誌創刊となると広告を集めるのが一大事。当時の編集長だった岸田一郎さんの大号令のもと、ファッション、時計、クルマの3本柱を強化していくことになり、僕も時計の記事を少しずつ任されるようになりました。折しも、当時はパネライの「ルミノール」やIWCの「ポルトギーゼ」といった時計ブームの爆発前夜。徐々に、僕も時計の世界に魅了されていったんです。

ところが、それらの高級時計が流行ってしまうと、途端に別のものに目が行ってしまう天邪鬼な性格ゆえ……。

そのころ僕の格好が、黒のライダースジャケットや黒のベルベットジャケット、ブラックスーツに、黒シャツ、ブラックジーンズなどが多かったこともあったんでしょう。全身、真っ黒スタイルというのが面白いと思っていたんですよね。

そこで、思い出したのが、『エスクァイア日本版』でお世話になったスタイリストの喜多尾祥之さん。喜多尾さんがいつも着けていた時計が、真っ黒なRADOの「セラミカ」だったんです。で、思い立ったが吉日。すぐに買いに走りました。

誰も「セラミカ」に注目していなかった時期だったこともあり、周囲からは「変な時計しているな」とか言われることは日常茶飯事。それでも真っ黒スタイルを貫いたのは、今となってはいい思い出です。

しかも、デカ時計ブームだったこともあり、これは2代目。初代は華奢なモデルでしたが、太めのバングルタイプが気になったので買い直しました。こんなふうにケースとブレスレットが一体化したデザインは、今でもないくらい斬新ですよね。

しかも、セラミックス素材なんで、全然キズがつかないんです。だから、20年近く経った今もピッカピカ。そんな時計は他にないですから。

機械式の高級時計とは、まったく逆のベクトルですが、僕のなかでこれほど印象的だった時計はありません。見るからにギラギラしていて、ブラックとゴールドの掛け合わせもエロそのもの。

あと、この時計を見ていると、1980年代のカクカクしたクルマのデザインを思い出すんですよね。夢見る未来みたいなイメージ……。そういうのもロマンがあって好きなんですよ。

Photo:Ikuo Kubota(owl)
Text:FORZA STYLE



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