デイトナ24で初陣を迎えるBMW M8 GTE
2018年に登場するラグジュアリーカーのなかで夢のある1台といえば「BMW M8」。昨年開催された東京モーターショーでもコンセプトカーが展示され大いに注目を集めました。
マニア目線で驚いたのは、あの世界一美しいクーペと評された伝説のE24型6シリーズの系譜を断ち切り、8シリーズを格上げ復活させたこと。つくり手の願いとしては「6シリーズのポジティブなイメージ重ね合わせて8シリーズに期待して欲しい」といったところでしょうか。
で、いち早く新型8シリーズを見たいのが人情ですが、市販モデルが登場するのはもう少し先のこと。しかし、レースカーに注目することで8シリーズの実像が見えてくる部分があります。
「BMW M8 GTE」は世界耐久選手権シリーズ(WEC)とル・マン24時間耐久レースに参戦するためのコンペティションモデル。昨年末から実走行を重ねシリーズ戦の開幕となるデイトナ24時間(2018年1月27・28日開催)に登場します。
レーシングカー故に大幅なモディファイが施されるものの、そこはレギュレーション上、市販モデルに準じた部分も多く、しっかり観察すればコンセプトカー以上にわかるところがあります。
トレッドが拡大されブリスターフェンダーを採用しますがヘッドライトとリアのコンビネーションレンズ、ルーフとドアパネルは市販モデルとほぼ一緒。前後バンパーは空力に考慮したレーシングな形状となるものの、全体のフォルムはかなり市販モデルに近いものがあります。
実際に採用されない部分は、大型のリヤウイングにリアバンパーボトムの迫り出したディフューザー、4つのブリスターフェンダーでしょうか。エンジンは市販モデルに搭載する型式を踏襲した4リッターV8ターボですが、市販モデルはM5と同じエンジンか、あるいは若干のモディファイを加え搭載されるでしょう。
デビュー初年度は特例制度により市販モデルより先にレースカーがデビューするケースがあります。「BMW M8 GTE」はまさにその例であり、市販モデルの実像を浮かび上がらせてくれます。
アメリカンなオーバルコースで初陣を迎える「BMW M8 GTE」。チームの健闘を祈りつつハイスピードバトルの行方をしっかり見届けたいと思います。
Text:Seiichi Norishige
BMW
0120-269-437(カスタマー・インタラクション・センター)
■The innovative aerodynamics behind the BMW M8 GTE – BMW Motorsport.