昭和のヤンキー臭さは漂わせてはいけません! アウトレイジ顔ですが…
さて、70回目は…。おぉ気がつきゃ70回か、我ながら買いも買ったり、ですね。今回は「サンスペル(SUNSPEL)」のハイネックカットソーです。サンスペルといえば、1860年にトーマス・ヒルがノッティンガムにて創業した英国最古のアンダーウェアブランド。シーアイランドコットンや超長綿を使った高級な下着を世に送り出しています。
ちなみに、『007 カジノ・ロワイヤル』の中でダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドが、Tシャツやポロシャツ、アンダーウェアなどサンスペルを着用してるのは有名な話ですね。
僕もその上質でサラッとした肌触りが大好きで、Tシャツやトランクスなんかを愛用していました。ワガママこじらせボディな僕のお肌も喜んでくれましたから。ただ、ちょっとお高いので、日本ではセール時、イギリス行ったときには まとめ買いする感じで。
そんなサンスペルですが、段々と英国製が減り、ポルトガル製やライセンスものが増え始め、riri製だったジップもいつの間にかYKK製へと変化…。決して質が下がったわけではありませんが、他のメーカーとの大きな差を感じることができなくなり、"サンスペルを買う"意味が見出せなくなってきました。やっぱり、こういう高級路線を貫くブランドには 他ではできないこだわりを見せて欲しく…。
というわけで、変わっていく状況を惜しみ、他のブランドでは見かけることが少ないカットソーのタートルで、英国製のものを見つけては清水ダイブを繰り返していたら、いつのまにやらこんな有り様に。ココで撮影してるのは未使用分のみなので、この2倍くらいはあるような。
白いタートルといえば、その上にパイプの胸刺繍が入ったトロイ(TROY)のカーディガンやVネックを羽織った昭和のヤンキーが想起されて、柳屋のパマードやタクティクスの香りが漂ってきそうですが…(笑)。
気分的に、あくまで僕の気分的にですが、ハイネックニットの襟から白いカットソー地がチラッとのぞくのがカッコいいんじゃないかって。それはスケーターが着ているロンTの裾から、チラッと下の白Tが出ているかのように。違うか?
もしくは…
モデルで、スタイリストやらライターなんかも こなしちゃう、リチャード・バイデル(RICHARD BIEDUL)のこんな感じの着こなしも、ちょっと面白いし、カッコいいんじゃないかって思っちゃいまして。真似っこしてみようかとも。
ただ…、さすがに……
これはナシだろう……と、思いますけどね。
Photo:Riki Kashiwabara
Text:Ryutaro Yanaka
『FORZA STYLE』シニアエディター
谷中龍太郎
さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。