イメージはジェームズ・ボンド。ストイックな男の出張コーデ
最近、僕の服選びの基準になっているのが、旅に持って行けたり、出張で着て快適に過ごせるか。まぁ、年間約3カ月も移動に費やしていれば、そうもなりますよね。でも、制約の多い旅スタイルというのは、ある意味、究極のワードローブでもあります。そんな僕の旅スタイルの定番がコチラ。え、エロス? もちろん入れてますとも。エロサバですから。

アイテム
ライダーズジャケット/エンメティ
Tシャツ/Gap
パンツ/ニール・バレット
手に持ったサングラス/レイバン
時計/セイコー
ウォレットチェーン/エム・フラテッリ
スニーカー/パトリック
スーツケース/リモワ
(すべて干場私物)
これはもう、僕の旅スタイルの定番ですね。国内外を問わず、この組み合わせは最近、本当に多いです。確かに以前は、パーフェクトな隙のないスタイルが、デキるビジネスマンにはふさわしいと思って、そう見せようと頑張っていた時期もありました。
ミラノやパリのファッションウィークに向かう飛行機にも、ダブルブレストのスーツにきちんとネクタイをして一糸乱れないコーディネートで乗り込んで、10時間以上のフライトをネクタイを緩めず窒息寸前の忍耐力でやり過ごしたこともありました。けど、あれってもはや苦行ですよね。ほぼ自己満足の世界……。で、思い直すことにしたんです。
結局は、ひとつひとつが旅に順応するアイテムであることが大事であって、そうじゃないと窮屈なだけですから。例えば、このニール・バレットのパンツはテクノストレッチ素材で、穿いていて本当に楽チン。シルエットがすごく良いんです。

しかも長時間穿いても、シワになりずらい。セットアップで、テーラードジャケットもあるので、旅先での着回しにも重宝しちゃうんですね。実は僕の場合は、ジャケットはサイズ46なんですけど、パンツのサイズは48にしています。でもって、48のパンツを、ウエスト部分を3cm詰めて46のサイズにして、裾幅を1cm詰めて穿いています。
意味がわからないかも知れませんが、46のパンツだと細すぎてシルエットが格好悪かったんです。48のパンツをお直しすることで、単なる細いだけのパンツにならず、イイ感じのテーパードシルエットになるのです。

レザー製のライダーズジャケットは、丸めてバッグに詰め込んでも全然シワになりません。こんなに薄手なのに、中綿入りで保温性が高いというのも高ポイントですよね。あとはGapの白Tは必ず2〜3枚は持っていく出張時の必需品。
スニーカーは歩きやすくて、上品なスタイルにも合わせられるエレガントさがありつつ、モードな雰囲気があるのがキモです。ソールは厚さ5センチぐらいで、着こなしのアクセントにもなります。

カラーリングはブラック&ホワイトのみ。このストイックさも気に入っています。こういう抑制の効いた感じにこそ、エロスは宿るのです。黒ヒョウの毛並のようなきめ細やかな光沢を醸し出すナッパレザーのライダーズに呼応するように、足もとには黒光りするスニーカーが鎮座する。それを中和するように、インナーの白Tとスニーカーの白ソールが爽やかさを演出するのです。

あと、前回、飛行機に乗る際にコートをキャビンアテンダントに預ける話をしましたが、革ジャンにも同じことが言えるんです。ハードそうな革ジャンを手に取ってみたら、実はとても軽くてしなやか。とにかく、この素材、超エロいんです。
ナッパレザーの、あのヌメヌメと手にまとわりつくような独特な感じってわかりますか? しっとりとしていて、次第に潤ジュワ〜っと濡れてくるかのような素材感こそが、“エロサバ”の真骨頂なのであります。
これを男性に例えるなら、強面のマッチョだと思っていたのに、実際に話してみたら優しくてエレガントな紳士だった。学校では超不良と言われているのに、公園のダンボールに捨てられていた小犬にエサをあげていた。みたいな感じでしょうか。
『007』シリーズのジェームズ・ボンドを思い出してみてください。危険なカーチェイスや激しいバトルを繰り広げたかと思ったら、女性を見るなり口説きにかかり、あっという間にベッドをともにする。あのイメージです!
ジェームズ・ボンドといえば、つい先日、世界三大時計メーカーとして名高いスイスのラグジュアリーウォッチブランドのヴァシュロン・コンスタンチンのインターナショナルインフルエンサーのひとりに選ばれまして、ロンドン市内のいろんな場所を貸し切って、スチールやらムービーやら、いろんな撮影をしてきました。あれは、かなりアガったなー。だって、世界の7人のうちのひとりですよ! これで気絶しなかったら、いつ気絶すんのか、って事態ですよ。
話が逸れてしまいましたが、このときのロンドン出張もこの格好で行きました。もちろん、撮影時ジェームズ・ボンドばりのビシビシのスーツスタイル。たまには、こういう落差もいいんですよねえ……。
今回のスタイルのキモは……。
● 組み合わせはシンプルに、素材はできるだけ上質なものを。
● ブラックを中心に、白を部分的に取り入れるのがグッド!
● 服選びの際に、動きやすさやシワになりにくさを重視。
● レザーは、控えめな光沢にこだわって選ぶとエロさが増殖。
● パンツの丈を短めにして、足首見せでセクシーさをアピール。
Photo: Ikuo Kubota(OWL)
Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba
3冊目の書籍が発売になりました。今回は、難しいとされる大人のカジュアルスタイルについて書いています。読んでない方はぜひ!
干場義雅が教える
「究極の私服」
(日本文芸社)

2冊目の書籍は、色気についてです。 普通に見えて、なぜか人を惹きつける男の共通点について書いています。読んでない方はぜひ!
一流に学ぶ
「色気と着こなし」
(宝島社)

1冊目は、スーツの着こなし術から世界の一流品選びまで、基本的なことやお洒落の本質について書いています。読んでない方はぜひ!
世界のエリートなら誰でも知っている
「お洒落の本質」
(PHP出版)

エロサバ-Hoshipedia
「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。

『FORZA STYLE』編集長
干場義雅
尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。 スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする現在44歳の小誌編集長。東京生まれ。
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