Vol.12 フットサル元日本代表キャプテン星翔太
マイナースポーツを救う「プレイングワーカーという生き方」とは？

2017.3.10 0

移籍先のスペインで「洗礼」を受ける

FORZA：いきなり代表の招集がかかるとはビックリですね！フットサルのどんなところに魅力を感じたんでしょう。

星さん：サッカーは、自分が任されたポジション以外はできないのでディフェンダーが点を取ることや、オフェンスがゴール前でボールをブロックすることは少ないんです。

その点、フットサルはコートも狭いしボールに触る時間も多く、ポジションはあるものの基本的にはオフェンスもデフェンスもするので、チームのみんなで戦っている印象が強かったんですよ。テンポも速く、結果に直結するプレーを意識しやすい競技ですし、仲間と助け合うのがよりわかりやすく表現できるので魅力的でした。

FORZA：僕も趣味でフットサルをやっていますが、チーム一丸となって試合に勝ったときの高揚感は最高ですよね！チームの戦績はよかったんですか？

星さん：関東リーグで3連覇を達成したり、全日本フットサル選手権大会でも優勝したりと好調でした。そのおかげで、日本代表を心の底から目指してみようと思い、大学4年生のときにブラジルまで半年間留学にも行きました。大学卒業後、そのままFリーグの「バルドラール浦安」へ入団し、1年後にはスペインの1部リーグ「グアダラハラ」への移籍の話が来たのでそのままスペインに飛びました。

FORZA：スペインに移籍までするとは順調そのものだったんですね。

星さん：それが…冬に一度だけ日本に帰国したんですけど、自分のビザの書類が行方不明になったり、怪我もありスペインに戻れず日本で立ち往生していたんです。そしたら「星はもう戻ってこない」と勝手に判断されチームをいきなり"解雇"されてしまったんです。なんとか事情を説明してスペインに戻ったのですが、今度は住んでいた家に違うチームメイトが住んでいたんです。

歩いて市内を回れる良いところだったのに、車じゃないと市内に出れない郊外に引っ越しちゃったんですよ。しかも、引越し先の家は公共料金の支払いもされていなく、1月の極寒な日に帰ったのにお湯も使えず本当にしんどい思いをしました。挙げ句の果てに、給料も2ヶ月分しか支払われなかったです。

FORZA：海外に行くと「洗礼」を必ず受ける話は本当なんですね。

星さん：ちなみに、そのシーズン所属していたチームは3分け27敗だったんです。最悪な環境で、給料もらえない、チームも勝てないそんなことを経験してしまったのでメンタルも強くなりましたし、些細なことでは動じなくなりました(笑)。その当時は本当に辛く、カサカサに肌が乾いていた印象があります。

FORZA：そんな想いを味わって、なぜスペインにこだわったんですか？

星さん：単純にお金よりも、スペインのトップリーグでプレーの経験を増やしたいと思っていたので割り切れたんです。

FORZA：ビジネスマンとして社会に出て感じたことはありますか？

星さん：会社に勤めてから気づくことがたくさんありました。年下でも年上でも「わからないから教えてほしい」と言えなければ"社会"では通用しないですよね。ましてや、選手としてのプライドが邪魔をして「あの人教えづらいんだけど」なんて言われてしまう環境を作ってはいけないと思うんです。いかに自分の「劣等感」と向き合えるかが大事だということにも気づけました。

FORZA：新たな発見が成長に繋がったんですね。"ビジネスマン"もスポーツを通じて新たな自分に気づくかもしれませんね。…最後に、星さんの今後の活動を教えてください！