お客さんの反応が伝わって来たら、一流に近づいている証拠
今回は、東洋の神秘、ザ・グレート・カブキさんを取材することに。現在、カブキさんは、文京区春日にて「BIG Daddy酒場かぶき うぃずふぁみりぃ」という、主にプロレスファンが集う居酒屋を営んでいる。
お店は10人程座れるカウンターがメイン。早速、カウンターに座り、カブキさんに当時の入場曲、音楽との関わりを伺った。
「入場曲『ヤンキーステーション』は、テレビ局の意向で決まったんだよ」。
レジェンドレスラーの入場曲は、テレビ局が決めていることが割と多いのだという。カブキさんは、元々カントリーミュージックが大好き。アメリカに渡った時も、よく聞いていた。現在は、60~70年のオールディーズ(特にレイチャールズ)を良く聴いている。今でも音楽が傍に存在し、店内には、往年のレスラーの入場テーマ曲が鳴り響き、昭和プロレスの雰囲気を演出している。
当時のプロレスとの向き合い方について聞いてみた。
「常に、お客さんの期待を裏切るような戦いをしていたよ。次、何かあるのでは?と感じさせ、その期待を裏切ることを心掛けていたんだ。日本に凱旋した時も、関東、関西など、場所によってお客の反応の違いを見て、試合運びを変えていたよね」
いきなり熱い話……。お酒が進む。
※ハンセンが、カブキさんに贈った本物のバンガローハット。
実は、今回の取材で、何よりも聞きたかったのは毒霧のこと。
試合中、綺麗な霧状となって散布される、緑や赤の霧は、小学生時代よく風呂場で真似をしたものだ。毒霧のタイミングは、試合中の流れで、綺麗に見せるように、計算されていると聞いたことはあったが、毒霧のルーツは聞いたことが無かった。
「ルーツはね、ホテルでシャワーを浴びている時、シャワー口が高かったので上を向くと、口に水が入るんだよ。それを噴き上げたら、光に当たって虹が出来た。これだ!!と思って、翌日からいろいろな色で試して、赤と緑がリングで映えたんだよ」
※霧状になるには、ゴム風船を口に仕込み、タイミングを見計らって、赤、緑と噛み切って吹き出していた。
この毒霧の名前が付いたお酒が店で人気になっている。
その他にも、アブドーラ・ザ・ブッタ串、阿修羅ハラミ串、赤い毒霧(鍋)など、プロレス関連の名前の料理も人気だ。
最後にカブキさんは自分の40代について、
「40代は自分の経験が溜まっているので、小出しにしてパフォーマンスを上げていく時代だった。思いついたら、直ぐ行動してみることが重要。ダメなら次を考えれば良い。どんな仕事でも、お客さんの反応が伝わって来たら、一流に近づいている証拠なんだよ」
思ったことは行動し、だめなら次を考える。これが重要なのだ。料理と酒が旨すぎて、思わず焼酎ボトル「東洋の神秘」を飲み干すところだったがボトルキープ(笑) 「お店でコラムを見た!」と言って頂ければ、皆さんご自由にお飲み下さい。
常連の人達とも打ち解け、最後はマスク祭りとなって夜が更けていった……。
【問い合わせ】
BIG Daddy酒場かぶき うぃずふぁみりぃ
東京都文京区小石川1-25-9
03-5800-5801