イメージの向こう側を目指して
今回は、「150年に一人の男」と言われ、数多くの名勝負を繰り広げた、元WBC/WBAボクシング ミニマム級チャンピオン「大橋秀行」さんを取材。入場曲『Round by Round』との出会い含め、現役時代の音楽との関わり、40代がどのようなものであったかを直撃。
入場曲『Round by Round』は、歌手の尾崎 豊さんの編曲をされている方に作って頂いたオリジナル曲なんだそう。
当時、日本人の世界挑戦21連敗という状況の中、大橋会長に集まる期待は各メディアでも注目の的だった。大橋会長は、世界戦が決まった時点から、恐怖や不安に打ち勝つため、試合当日のイメージを毎晩寝る前にしていたという。バンテージを巻いて、ウオーミングアップしてなど。このイメージトレーニングが大切だと語る。
いろいろ考えると、不安になり、眠れなくなるように思えるが、練習後、毎日イメージを繰り返すことにより、イメージの向こう側へ達し、ワクワク感が高まり、当日を迎えられるという。
現役時代に聞いていた音楽は、尾崎豊さんの曲がメイン。同年代という事もあり、歌詞にも共鳴し、コンサートに何度も足を運んだという。特に、『路上のルール』という曲が好きで、当時、ウォークマンで毎日聴いて練習に励んでいたという。
音楽のあり方はさまざまだが、大橋会長の場合、イメージを作り上げるために常に側にあったのだ。あくせく流す汗と音楽が大橋会長のフィジカル、メンタルを強くした。
大橋会長は40代の初めから先月まで、日本ボクシング協会の会長を務めていたこともあり、リング上や講演などで話す機会が多かった。正直、試合の時よりも緊張するらしい……、が常に当日のイメージは欠かさない。
ジムの経営、選手育成、協会長、等、物凄く充実して過ごした40代。そのかけがえの無い経験を踏まえ、後進の指導含め、50代を走って行きたいと最後に話してくれた。
そして私は、受付に書いてある言葉を噛みしめ、ジムを後にした。
『FORZASTYLE』読者の皆様も、交渉事、決断事などが決まり、イメージを膨らましていく際、共にイメージを作り上げていく入場曲が傍にあれば、間違いなく心強くなるに違いない。何を入場曲に選ぶ? あなたならどうする?
Photo,Text:Samurai Hiraoka
■取材場所:大橋ボクシングジム
住所:神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町1丁目7-12ハウスプラン横浜ビル3・4F
TEL:045-314-1994
HP:ohashi-gym.com
■ボクシングフェス5・8
井上尚弥&八重樫東 ダブル世界戦5/8
HP:ohashi-gym.tstar.jp
【プロフィール】
サムライ平岡
格闘技と長渕剛をこよなく愛す昭和49年生まれ。
宮本武蔵の「万里一空」という言葉に感銘を受け、サムライ平岡と名乗っている。
出没場所:後楽園ホール。