■海外市場で生き残るには、ブランド力の強化が必要
冒頭でも触れたように、昨今は国内のメーカーもフェイスの統一化を狙っています。トヨタのハンマーヘッドデザインのほか、レクサスのスピンドルグリル(スピンドルボディ)、日産のVモーショングリル、三菱のダイナミックシールド顔なども、広く認知されるようになりました。
レクサスの新型RXのスピンドルボディ。縁取りがバンパーと同一化されており、先代よりもシームレスなデザインとなった
レクサスのスピンドルグリルは、導入初期のころは若干控えめな大きさでしたが、徐々に拡大し、いまではフロント全体を覆う大きさにまで成長しています。直近では、フロントバンパーと融合した「スピンドルボディ」という形状へ進化しており、新型RX、新型RZ、新型LMへも採用するようになりました。
2019年7月、アテンザをMAZDA6へと名称変更したマツダ。写真は、2002年に誕生したアテンザ/MAZDA6の20周年を記念した特別仕様車、「MAZDA6 20th Anniversary Edition」
またマツダも、5ポインテッドグリルを長らく続けています。また、デミオ、アクセラ、アテンザといった固有名称を、それぞれMAZDA2、MAZDA3、MAZDA6へと名称変更し、SUV系もCX-○○へと統一、高級車ブランドのようなネーミング戦略へと移行しています。
国内の自動車メーカーも、昨今フェイス統一へ動き出しているのは、縮小していく日本市場だけではなく、海外市場でも勝負していかなければならなくなったため。世界中にいくつも自動車メーカーがあるなかで生き残るには、欧州メーカーと同様の戦略をとらなければならない。こうしたことから、国内メーカーもフェイス統一へと動き出しているのです。
ただしファミリーフェイス化には、いずれ飽きられてしまう、というリスクもあります。ブランド統一のデザインを、トレンドに乗るように進化させ続けられるか。今後の進化が楽しみです。
Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:TOYOTA,BMW,NISSAN
Edit:Takashi Ogiyama
RANKING
2
3
4
5
3
4
5