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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION こじラグ

コレぞ 本物のラグジュアリー! 上質でエロくて ギリギリなコートとは

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自分が本当にイイと思う、一流品を買い集めていたら、無類の服好きが集まっているはずの編集部内でも「買い方がおかしい」「こじらせてる」と。自分じゃ、至極普通だと思っていたのに…。ホントにこじらせているのか確認すべく、自分が買ってきた愛しい服達を紹介していく企画「こじラグ(※こじらせラグジュアリー)」を始動させます。これがお買い物の参考になるかはわかりませんが…、世の買い物ジャンキーたちを安堵させられたら本望なのです(笑)。

あちら側の方にしか見えないけど、いつかきっとシックリくるはず

さて、78回目は、こちらもまたかよ! ごめんなさい。ロロ・ピアーナのアストラカンコートです。はて? アストラカン?? え〜、アストラカンというのは、襟についてる漆黒で光沢に富む 柔らかい巻き毛になった毛皮のことを指していまして。アジア中西部に生息するカラクール種という地方品種の羊の胎子、または初生子から取られるんですね。

アルスターコートで襟にアストラカンがあしらわれたモノって、よく映画とかでマフィアの大物がカッコよく着こなしてますよね。そんな姿に憧れて、白髪混じりで味わい深いジジィになったら着てみたいなぁなんて、ボンヤリと考えてたんです。

そんなある日、毎度毎度なロロ・ピアーナのアウトレットを訪れたら、ラックに掛かってたんですよ。で、物は試しで試着させて頂いたら、まぁ! ピッタリ。背中にはアクションプリーツが入ってるので動きやすいし、ゆとりを抑えて美しいシルエットを描くバックベルトも効いてる。そして、何と言ってもアウトレイジ顔が功を奏して、よく似合っちゃったんですよね。って、誰が「ファッキンジャップくらい分かるよ、バカヤロウ」だ!(笑)

しかし、まぁロロ・ピアーナですからアウトレットでも相当に高額。ちょっとばかし似合ったからって、おいそれとは買えません…。ただ、前記しましたが、ロロ・ピアーナのさらなるラグジュアリー路線を考えると、自分がジジィになる頃にはもっともっと高額で雲の上の存在になっていて、絶対に買えないんじゃないかって思ってしまったんです。

色はネイビーで流行り廃りはないし、デザインもオーセンティックで飽きはこなそう、それに素材だってロロ・ピアーナが誇るカシミア100%。このコートに触れたら、恐らく「抱きしめられたいっ!」と思われちゃうんじゃないか。ん〜、エロい。

ずっと持っていたところで腐るものでもないし、遅かれ早かれ買うことになるなら、高額になってしまう前に買っといてもイイんじゃないかって。コレまた買い物ジャンキーらしい言い訳が脳をかすめてしまったワケですね。

もうこうなったら騎虎之勢! 後先考えずに、得意の清水ダイブです。
いま振り返ると、この頃はどうかしてたんだと思います(笑)。

試着時は似合っていたなんて書きましたが、まだまだ未熟な自分には やはり時期尚早…。親分から譲り受けた形見を着てる中堅クラスにしか見えなそうだから、もちろん一度も袖を通していません。しっかりガーメントケースを掛け、しこたま防虫剤を入れて、大切に大切に仕舞ってあります。いつか似合う日を夢見て。

っていうか、改めてクローゼットを眺めるとコートが多過ぎて、若干ポールが歪んでる気が…。ここまでコートを買ってしまう自分はきっと、前世でよっぽど寒い思いをして野垂れ死んでいったんでしょうね。カシミアも買い過ぎで、よく「カシミア山羊に恨まれるよ」なんて言われてますが、今度はカラクールにまで呪われちゃいますかね…。コレからは カルマを背負って生きていきます。豪華すぎて業火しないように。

Photo:Riki Kashiwabara
Text:Ryutaro Yanaka

『FORZA STYLE』シニアエディター
谷中龍太郎

さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。



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