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FASHION ー 僕が捨てなかった服

「僕が捨てなかった服」

イタリアを持ってきたオトコ 成毛賢次 第2回「キートン」のグレースーツ

2017.5.29
2017.5.29

お通夜に行くようにと、ミディアムグレーで仕立てました

人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。スタイリストの小沢 宏氏に続いて登場するのは、数多くのイタリアブランドを日本に紹介した成毛賢次さん。成毛さんが膨大な数を所有してきた中でも捨てられなかった服をご紹介する企画、第2回は「キートン」のグレースーツです。

冠婚葬祭用にスーツをと思って仕立てた、キートンのスーツです。グレーのミディアムとダークは持ってないといけないなって。お通夜に行くようにと作ったんですが、とても贔屓にして頂いた浅草 雷門にある日本最古の天ぷら屋、三定さんの先代旦那さんに言わせると、「急に亡くなりましたって聞いたのに、待ち構えていたように黒いスーツを着て行くのは野暮だろ。香典袋に書く名前だって、急なことでしっかりと墨をする時間もなく駆けつけたから薄墨だろ? だったらスーツだってグレーだろ」って諭されて、グレーのスーツを仕立てたんです。

じつは好きじゃないから黒いスーツってのを持ってなくて、深いネイビー、ミッドナイトネイビーで乗り切っているんですが、周りからは「お前だけ浮くねぇ」って言われるので、なるべくお葬式には行かないようにしています(笑)。

このスーツは「210番」っていう、スーパー210'sという細番手の生地が生産されたときに仕立てています。段返りの3ボタン、3ピースで仕上げたんですが、この頃もうリベラーノ&リベラーノのスーツも着始めていて、ここまで柔らかい生地のスーツには少し抵抗があったんですが、違う世界のものとして受け入れました。

じつは、ピークドラペルで仕立てようかとも思ったんですが、そこまでだとやり過ぎなのでオーソドックスに。夜の式だとブラックタイが基本ですが、昼間の式だったら、このくらいのグレーでも丁度良いので意外に重宝しています。

サイズが47で、みんなに驚かれるんですが、自分の体型的には、48じゃねぇし、46でもねぇ、47だろって。「キートンだったら、47や49ってのもあって当然だろ」って、サイズバリエーションを広げて、営業トークにも使っていましたね(笑)。

当時もそれなりでしたが、いま作ったら結構高くなるかもしれません。

Photo:Riki kashiwabara
Edit:Ryutaro yanaka

成毛賢次元マニファットゥーレ・アッソチャーテ カシミア・ジャパン代表「マーロ」や「キートン」、「ルイジボレッリ」など数々のイタリアブランドを日本に紹介し、編集長・干場いわく"イタリアを持ってきたオトコ"。東京・押上で生まれ、小学生時代からオシャレをして銀座へと足を運び、みゆき族とともに遊んだという早熟ぶり。

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