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FOOD 美人女将がいる小料理屋

気分は島耕作。神田の横丁で出会った福の女将

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サラリーマンの聖地をほっこりさせる美人女将

仕事で疲れたスマフォー(スマートな40代)の心を癒してくれるのは少しのお酒と美味しい料理、そして女将の優しい笑顔。この連載では口コミで話題になっている全国にある美人女将のいるお店をご紹介します。

昭和の匂いをほんのり残すサラリーマンの憩いの場、神田。南口から少し入ったところに神田バル横丁がある。9店舗の飲食店が集まる店内の2階に、今回の美人女将、『福33』の村岡ありささんがいます。

床板の違いで各店舗の席を分けており、仕切りがなくフロアは思った以上に広々とした印象。ここはやはり、テーブルではなく、カウンターに腰掛けて、おつまみで小腹を満たし、日本酒を女将に一杯つけてもらいたい。

定番のおつまみは、クリーミーな舌触りの『ポテトサラダ カレー味』(税込633円)、九州出身の女将らしく甘め味付けの『がめ煮』(税込633円)。この他にも、心も温まるほっこりとする家庭的なメニューが並んでいます。

この日は、女将のありささんが日本酒の魅力を知った、純米にごり酒『辨天娘』の燗酒と、同じ酒粕を使った『黒毛和牛スジ酒粕煮』(税込1033円)もいただいた。合わないわけがない絶妙の組み合わせですが、その味には新しい発見があります。

「常温のときには隠れていた甘みや香りが出てきます」という言葉どおり、にごり酒をお燗で飲むと、さっぱりとした、また別の味わいが楽しめます。「燗酒って『悪酔いする』と誤解されているんですけど、実は冷酒よりも体が疲れないので、二日酔いしないんですよ」

二日酔いになってしまうのは、きっとお酒だけのせいじゃない。ありささんとの距離の近さにも酔ってしまう。「一杯目は必ずこうやって手酌で注がせていただいてるんです」と無濾過の特別純米酒『青水緑山』を注いでもらう。「最近、私のおすすめなんですよ」と笑顔。はっきりいって、飲ませ上手です。

「お店に来たら家に帰ってきたような気分を味わってもらいたい」。これは自身の体験によるところが大きいようです。福岡から上京して、ふと誰かと話したくなり飲み歩いた日々。「東京の人は距離感を大事にする。寂しいと感じる人は多いのでは」と思ったそうです。

人を寂しくさせない仕事をしたいと始めたのが、この『福33』。名前の由来を聞けば「3.11の震災のときに、福島出身の友人が心配で声をかけたんです。そしたら彼女、『福のつく国、福島です』って笑ったんですよ。それに感銘を受けて、"福"をつけよう、って。みんなが幸せになる文字……福耳ってどうだろう。紙に耳の絵を描いたら"33"に見えたので、それでこの名前に」

寂しさから通った恵比寿横丁。そこで得た人のつながりが今に続いている。仲良くなった飲食店さんに「あったかい日本酒の店をやりたい」と伝えると、詳しい人を紹介され、すぐに蔵元へ連れて行ってもらった。親しみ深いありささんの接客は、人の温かさを知っているからでしょうね。

「樽の香りを楽しんでいただきたい」と、1月中は振舞い酒として純米酒『神亀』の樽酒を提供。戦後、初めて伝統的な純米酒づくりを復活させた由緒ある醸造蔵だそう。これから日本酒を知っていきたいビギナーに最適ですね。

「2回くらい来たら、もうお友達みたいな感覚」と接するお客さんは、スマフォー世代が9割。「他のお店に若い女の子が座ってるから、冷やかしに来るんですよ〜」って、いやいや一体、その何割があなたを見て鼻の下を伸ばしていることか……。

今年の2月12日で開店して丸2年を迎える。18日には7000円で飲み放題・食べ放題を実施予定。「年に一度だから、ここのお酒を全部飲んでもらおうかなって(笑)」。お店にある日本酒は約100種類ほど。参加される方は、二日酔いにご注意を。お酒にも女将にも。

Photo:Yoshihiro Kamiya
Text:Yasushi Ogura(KAIHATU-SHA)

【福33】
東京都千代田区鍛冶町1-6-7 神田バル横丁2F
03-6457-8047
営業時間:17:00~23:00
席数:23席(カウンター:9席 テーブル:14席)
予約:可
https://www.fb.com/1532358263720275

JR神田駅下車 徒歩3分



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