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FASHION ー こじラグ

シニアエディター ヤナカの「こじラグ」

第33回 新たな道へ誘なうエルメスのマウンテンブーツ

2017.1.17
2017.1.17

「良い靴は、素敵な場所へと連れて行ってくれる」を実感した靴

自分が本当にイイと思う、一流品を買い集めていたら、無類の服好きが集まっているはずの編集部内でも「買い方がおかしい」「こじらせてる」と。自分じゃ、至極普通だと思っていたのに…。ホントにこじらせてるのか確認すべく、自分が買ってきた愛しい服達を紹介していく企画「こじラグ(※こじらせラグジュアリー)」を始動させます。これがお買い物の参考になるかは分かりませんが…、世の買い物ジャンキーたちを安堵させられたら本望なのです(笑)。

さて、33回目はちょっと気分を変えて、エルメスのマウンテンブーツ「ハイキング(HIKING)」です。年明けからロロ・ピアーナ、ロロ・ピアーナ言い過ぎて、ゲシュタルト崩壊気味……。あれ? ロロ・ピアーナって何だっけ??となりつつあったので、ちょっとココロのリハビリを兼ねて、エルメスにしてみました。

これは、2013年秋冬コレクションにて発表されたんですが、2013年って自分にとっては かなり"変革"な年だったんです。前年にはニューバランス初となるブランドブックをほぼ独りで編纂。ニューバランスとのご縁が深くなったおかげで、僕がカラーリングを手掛けた「MRL996AB」なんてモデルを世に送り出して頂いたり、5月には編集長を経験させて頂いたwebマガジン『HOUYHNHNM』を卒業して、個人で結構大規模なカタログ仕事や、新メディアのお手伝いをスタートさせたりなど、いま振り返ってみると結構激動……。「新たなステージへと翔び立つには、やっぱり新しくて素敵な靴が必要だろう!」って無理矢理な言い訳しては清水ダイブを繰り返し、いろいろな靴を買ったんですが、そんな中の一足がエルメスの「ハイキング」でした。

以前、第14回で紹介した「ターボ」や、2017年秋冬に登場して即買いした「マイルス」など、エルメスってある一定の周期で気になるシューズをリリースするんですが、この「ハイキング」もコレクションを観た瞬間に ほぼ購入を決断したモデル。ノルウィージャン製法で仕上げられた本格派なのに、足首部分のボリュームを抑えるなどドレッシーなパンツにでも合わせられるデザインだったり、マウンテンブーツってプレーントゥで つま先までポッテリしてるものが多いんですが、これは丁寧なモカ抜いが施されたスマートなモックトゥだったり。レッドウィングを履いて青春を過ごした人間には、なんとも堪らない雰囲気で、さすがはピエール・アルディ!と唸りながらカードを差し出し、今回も晴れて清水ダイブを決行したのでした。

そうそう、僕の場合、ブーツの類いを買う際は必ずニューバランスのインソールを持参し、試着する時点で入れさせて頂き、そのサイズ感で合わせて買うんですが、案の定エルメスだとスタッフさんは ?マーク顔…。でも、そんなのは一切気にしません! これ実践するだけでブーツの履き心地が抜群にアップし、夕方くらいに脱ぎたくなることもありませんから、もし気になったら試してみてください。最初、スタッフさんの目は気になるとは思いますが…。

話をクルリンパと戻しまして、以前から呪文のように「良い靴は、素敵な場所へと連れて行ってくれる」なんて言ってますが、このエルメス「ハイキング」は本当にそうだったのかもしれません。これ履いてから、実際ずっとお仕事も順調ですし、新しい素敵な出逢いもたくさんありましたし。まったく同じのを履いたサトシーノに出逢って一緒に仕事し始めたのは想定外でしたが……(笑)。

まぁ、イイ出逢いがあるのは嬉しいんですが、コレ履いて飲みに行くと、なぜか座敷で脱がなきゃいけないってことがままあり、もたついてるもんだから「どこのブーツだよ…?」なんて思われ、中敷き覗かれると、New Balanceの文字。「えっ!? ニューバランスって、こんなブーツまで出してんの?」なんて聞かれて、「いやこれ、じつは…」って説明するのも最初のうちはイイんですが、回数が増えると大層メンド臭くて、気がつくと履かない。せっかく素敵な靴で、素敵な出逢いを引き寄せてくれてるのに…、履き心地良くしたアレンジが履くのをメンド臭くさせてるなんて、なんとも儚い話です。履くほどに擦れてNew Balanceの文字は消えていくってのに……、皮肉ですね。皮肉、ひにく、ヒニク、HINIKU……、HIKING。全っ然うまいこと言えてないですね。

Photo:Ko Maizawa
Text:Ryutaro Yanaka

『FORZA STYLE』シニアエディター
谷中龍太郎

さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。

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