「宿命の範囲」は決まっている!?
村主:決まっていると思います。ただ、「宿命」が完全に決まっているのではなくて、その人ごとに「宿命の範囲」が決まっているんだと私は思っているんですよ。「アナタは努力すればここまでいけるし、怠けるならばここ止まり」というような範囲が。その範囲の中で、どこに行くのかは自分次第。その意味で、宿命の範囲内で、自分で運命を決められるのだと思っています。そして、私はどうせなら、与えてもらった宿命の範囲の中で、一番高みを目指して生きたいと思っているんですよね。せっかく一回きりの人生なので。
西内:「宿命の範囲」...。この発想はなかったです! でも、そうかもしれません。もとから宿命や運命なんて決まっていると言われるとやる気がなくなりますが、自分次第で運命は変えられ、人それぞれに与えられた使命や役割という宿命があるのだと考えると、やはりこの生を全うしたいと思いますね。ちなみに、村主さんのように大きな目標や大多数のファンの方を対象に仕事をしていると、「たった1人のパートナー」という「1対象者」なんてどうでも良いと思ったりしないんですか?
1人を大切にできない人は、1万人を大切にできない
村主:それはないですね。だって、1人を大切にできない人は、大多数を大切にできるわけがないですから。1人が集まって1万人になるので、目の前の1人の人を大切にする気持ちは忘れてはいけないと思っています。
西内:ちなみに、私アラサーこじらせ女からの質問なのですが、よく「結婚するなら2番目に好きな人が良い」とか言うじゃないですか? それについてテレビでもお話されていたと思うのですが、やっぱり1番目より2番目の方が良いんでしょうか? 私は少女漫画こそ読まないですが、白馬の王子様に憧れる、ちょっといたいロマンチストなアラサーなので、生涯のパートナーは1番好きな人が良いと思ってしまうんですよね。
2番目に好きな人の方がうまくいく!?
村主:うーん。2番目の方が良いというのは一理あるとは思うんですよね。というのも、現代って仕事を頑張っている女性がたくさんいるじゃないですか。でも、仕事を頑張っていたとしても1人だけで生きていくってやっぱり精神的にも大変ですよね。ただ、頑張っている女性って「パートナーに頼りたくても頼れない人」が多いと思うんです。それが1番に愛するパートナーなら、なおさら感情が入ってしまっているので自分をさらけだせないですよね。そういう意味では、「ありのままの自分をさらけ出して頼れる」 のは、もしかしたら1番目に好きな人より、2番目に好きな人なのかなとは思ったりします。1番好きな人には、やっぱり自分を良く見せたいし、ドキドキしてしまうし、感情が入りすぎてしまうし...エネルギーがいりますから(笑)。
西内:ちなみに、「アイスショーをプロデュースする」という大きな夢を叶えるまでに、白馬の王子様が現れたらどうしますか?
もしも白馬の王子様が現れたら
村主:う~ん、コロッとそっちにシフトしてしまうかもしれないですね(笑)。それもそれで人生かなと(笑)。やっぱり、そういうのってご縁なので。いくら仕事で大きな目標があっても、結局のところは分からないなとは思います。また、そんな私の仕事への情熱を超えるほどの白馬の王子様が現れてくれるのなら、その人生もまた素敵じゃないかと思いますね。私、「こだわり」があるのかないのか、よく分からないですよね(笑)。でも、人生って、そういうものだと思うんです。
......「氷上のアクトレスを連れ去る、白馬の王子様...」。もし村主さんにこのようなパートナーが現れることがあるのならば、それは、少女漫画を超えた、実写版少女漫画といっても過言でありません。また、村主さんはご自身のお仕事について「仕事なんて、楽しいとはいっても、本当に楽しい瞬間なんて、60回に1回。現在も海外では60日間、一度も遊びに行かずにリングに立ち、子供たちを教え、時には怒鳴り声が枯れ...、それでも最後の1日に、生徒たちが上達している姿を見ることができたり、生徒から『ありがとう』という手紙を貰った瞬間にやっと心から『楽しい』と思える。その瞬間のために、苦しい59回を乗り越えられる、仕事というのは、そういうもの」とのこと。そんな村主さんの言葉一つ一つに、仕事哲学、恋愛哲学、そして人生哲学を見出すことができました。
Text:Yuko Nishiuchi
Photo:Tatsuya Hamamura
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1988年兵庫県出身、同志社大学文学部哲学科卒。新卒でavexに入社し3年間OL。その後、フリーランスとなる。「貧乳女子大生の就活日記〜オッパイはつかめないけど人事の心はつかむゾ♪」がアメブロ大学生ランキング1位を獲得。